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巨大楕円銀河M87は、数十億年かけて渦巻銀河を飲み込んでいた?

2015年08月08日 | 宇宙 space
ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡“VLT”による観測で、
おとめ座の巨大楕円銀河M87が、
中規模の渦巻銀河を飲み込んでいた痕跡が見つかったんですねー

そして、その手がかりを与えてくれたのは、
M87に存在する惑星状星雲だそうです。


惑星状星雲の動きを調査

約5000万光年彼方に広がるおとめ座銀河団。

この銀河団の中心にはM87という巨大楕円銀河があり、
その質量は、なんと太陽の1兆倍以上もあります。

M87のような大型の銀河は、
「より小さい銀河を飲み込んで大きくなっていく」
と考えられています。

でも、こうしたプロセスが、
実際に起こっていたという証拠を発見するのは、
容易なことではありません。

それは銀河を飲み込んだ後には、
小さい銀河の星々が、大きな銀河の星々と混ざり合ってしまうからです。
M87と惑星状星雲の分布。赤丸は遠ざかる星雲、青丸は近づく星雲。

今回の研究では、
星を観測するかわりに、M87のハローに存在する惑星状星雲に注目し、
その動きを調べています。

惑星状星雲は、太陽のような星が一生の最終段階で見せる姿です。

星から放出されたガスが光っていて、
その光が独特の緑っぽい色で輝くので、周囲の星と区別することができます。

今回、超大型望遠鏡“VLT”を用いた分光観測によって、
300個の惑星状星雲の動きを調査。

すると、過去に銀河の合体が起こった痕跡が見つかるんですねー

さらに、惑星状星雲だけでなく、
M87外部の星からの光の分布も詳しく調べたデータとを合わせて考えて、
「合体前の銀河は中規模で星形成が進んでいた渦巻銀河」
だったことが分かってきたようです。


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