じじ・ばばチャンリン

　私達の世代（昭和２１年小学校入学）で４人の祖父母に可愛がって貰った記憶がありますか、一般的にはあまりなかったのではないでしょうか。祖父母たちも、戦前はいざ知らず、戦後の混乱期で自分の生活もままならずそんな余裕もなかったこと、「産めよ増やせよ」で儲けた数人の子の子（孫）１５人から２０人ずつに注ぐ愛情の配分には限りがあったのでしょう。一人や二人位欠けてもあまり気にも留めなかったのでしょうか。孫達もそんなささやかな愛を当然として受けていたのではないのでしょうか。生きていたとすれば百十歳前後でしょうが、四五十年前に亡くなっています。

　時は移り、戦後のベビーブームの波も「底鍋」となり、ついに少子化現象、合計特殊出生率は全国平均1.3、渋谷区では0.75で全国最低に至りました。「産めよ増やせよ」「産児制限」「少子化対策大臣」と国策も変遷してきました。昭和８０年間もなにかと子供に関しても忙しかったようです。

　その孫達もいまはジジババです。産んだ子供が二人か三人、その子が一人か二人の子（孫）を産みました。そこで生活の余裕もあって愛情の対象が限られていることから、玩具、着る物など何でも物を買ってやる、育児、教育に余計な口を出す。「ジジの顔見て笑った！」赤ん坊はそんな顔をを見て笑った訳ではありません。まだ目が開いていないのです。ジジババもよく見えていないのです。

　サークルや井戸端会議ではもっぱら孫自慢、聞いて聞いて「鼻筋が通って頭がよさそうナノ」ババさん、世間でよく言われるでしょう、○○の子は３歳まで可愛いって。「可愛くて可愛くて、食べちゃいたいくらい、そのうち美少女コンテストに声がかかるかも！」。わたしゃ驚いて、そのババさんの顔て「ババさん、その心配はないようねェ」と口に出しては言わなかった。クッ・・クックック

　　　　　　　「ジジババちゃんりんそばやの風鈴」　　　　　　　　　　　　　　　確実に日本の人口は減ってきている。加齢が進むと学校、学級に縁がなくなり、あまり見ることはないでしょうが無くなっているんですよ。
　孫達が成人した頃はどんなになっているんでしょうか、「高齢化社会」なんてあるんでしょうか、まあ、ジジババは島倉千代子でしょうが「この世の花」でした。