今回も、(3級・準2級・2級)ライティング試験と(3級・準2級・2級)面接&(5級・4級)スピーキング試験のために何をすれば良いのか考えてみます。
ライティング試験:3/準2/2級
受験者は、与えられた質問に対して、意見とその裏付けとなる理由を、適切な語彙と文法を使用しながら英文で論述する能力が試されます。
これに対応するためには、以下のような留意点があります。
英語力
日本語の発想をそのまま英語に直したような文を書く場合があります。日本語と英語は全く別の言語なので、日本語を直訳した英語はとても奇妙です。英語を沢山インプットして、知っている英語を使って書いて下さい。
何が言いたいのか?
何が言いたいのか自分の考えがまとまっていないため、何を言っているのか良く分からない場合があります。日頃から社会での様々な事について関心を持って、それについて自分の意見はどうなのか、考えておきましょう。
論理性の問題
論理的に成り立っていない場合がよくあります。ある問題について、「賛成なのか?反対なのか?」をはっきりすると共に、「その理由(2つ)」を述べる必要があります。しかし、その理由が論理的にズレているのです。
例えば、「白と黒では、どちらが良い?」という質問に対して、「白が良い」ということを言っているのに、「黒も良い」ということを書いてしまったり、根本的に話の筋とはズレている内容が入っていることがあります。
自分が言いたい方向性以外のことは書かないようにすると共に、筋道を立てて文章を組み立てて下さい。
「書く」練習を沢山やる?
ライティング試験があるからといって、昔ながらの「書く」練習ばかりやっていても、この形式の試験には対応することが出来ません。
もちろん、“書く練習をおろそかにしても良い”という意味ではありません。単語や文を書く練習をすることは必要です。つづりや文法的な間違いは、少ない方が良いです。
しかし、いくら完全な英文を書いていたとしても、伝えたい「内容」そのものがなければ、その英文は何の意味もありません。
まず“伝えたい「内容」ありき”です。
ここで皆さんに伝えている内容をしっかりと理解して、「発信力」を身に付けましょう。
面接試験:3/準2/2級
上記ライティング試験の留意点は面接試験にも共通しています。それに加えて、実際に面接委員の先生と一対一で話をする2次試験では、以下の点を心掛ける必要があります。
「分かる」と「使える」は違います。
英語学習は、「分かった」だけで終わっていると「使うことが出来る」ようにはなりません。英語学習は、スポーツや音楽(楽器演奏)と似たところがあります。
例えば、野球のルールや打ち方&投げ方を知っているだけで出来るようになりますか? 楽譜が読めてピアノの弾き方を知っているだけで、弾くことが出来ますか? 多くの練習が必要です。
練習をして出来るようになったとしても、練習をサボってしまっては、スポーツも楽器演奏も、その力は伸びないどころか、落ちてしまいます。
英語学習も同じです。「分かった」だけで終わらず、徹底的に練習を続けましょうそして、頭で考えなくても言葉が出来てくるような「瞬発力」を身に付けて下さい
態度が重要
面接試験の場合、英語で積極的に話そうとする態度も採点されます。聞きやすい大きさの声で、面接委員の先生の方を見てはっきりと話しましょう。笑顔で御礼と挨拶をすることも忘れないようにして下さいね
これは、試験だとは考えずに、「こんな人となら気持ち良く話をすることが出来る」と思う態度を心掛けて下さい。魅力的な人になるチャンスだと考えましょう
スピーキング試験:5/4級
5~4級の場合は、パソコン・タブレット・スマホを使って受験することになります。
そして、5/4級スピーキング試験には、自分の意見を述べるという高度な質問はありません。自分の好みなどの身近な内容です。
留意点は、面接試験の場合とほとんど共通していますが、以下の点を日頃から心掛けて学習を続けて下さい。
日頃から発音に気を付けて音読練習を行いましょう。
「話す」練習だけでは、一定水準以上の「話す力」を身に付けることは出来ません。小学校の国語の勉強でも、沢山の音読があるはずです。母国語である日本語は、自然に身に付いているのではなく、こうした“日本語の練習”があるからこそ、正しい日本語力が身に付くのだと思います。
英語力以前の問題
自分の好きなものや予定を聞かれても、言葉に詰まっている皆さんがいます。そうした皆さんに英語ではなく、日本語で質問してみても、答える事ができない場合があります。
「答えが1つしかない問題を解く練習」ばかり行っているために、様々な答えが想定される質問について答える事ができなくなってしまっているということが、その原因の1つだと思います。
自分のことなのに答えることが出来ないとは悲しいことですね。こうした質問には、日本語にしても英語にしても、すぐに答える事ができるようにしておきましょう!
「発信」することが出来るように
皆さんが発信することが苦手になっている(=何を言っているのか分からない!?)原因はいくつか考えられます。
まず第一に、日本の文化的背景と日本語の特性そのものに原因があると思います。(具体的なことを書いていると長くなるので、省略します。)
第二に、また、皆さんの(日本語での)日常生活にも原因があると思います。
例えば、お手洗いへ行きたい時、どう言いますか?いつも、「先生、トイレ。」というように、単語だけで会話をしていませんか?
また、スマホによるSNSを利用している皆さんが多いですが、単語や絵だけで“会話”をしていませんか?SNSでは、それが普通かもしれませんが、文や文章ではないので、1回や2回のやりとりでは、何を言っているのか良く分からない内容です。そのため、何度もやりとりをしていて、やっと要件が伝わるということが多いのではないでしょうか?
SNSは利点もありますので、それを否定はしませんが、欠点も理解した上で使わないと、論理的に話を進める力を身に付けることが出来ないと思います。
生徒の皆さん!
「発信力」を伸ばすことは、身近な目標としての英検や大学入試にも必要です。
実際、小学校・中学校の新しい学習指導要領改訂案「英語」では、これまでの4領域(聞く・話す・読む・書く)のうち、「話すこと」を『やりとり』と『発表』に分け、5領域として位置付けています。これは「話すこと」に指導のウェートが置かれるということを意味しています。
そして、社会に出てからは、「発信力」がさらに必要になってくるはずです。
皆さん将来、英語を使ってカッコ良く活躍している姿を思い浮かべて、楽しみながら英語学習を続けて下さい
<追伸>
関連事項は以下のクリック
「英検スピーキング&面接とライティング試験のために」
http://blog.goo.ne.jp/mizuno-katsuya/e/f7264df6449e5e38b912003b167a0a62
「英検スピーキング&面接試験について」
http://blog.goo.ne.jp/stepworld-llnisshin/e/23cc205b7c15af87f24997d9a4626ff9
「英検2級&準2級&3級のライティングテスト」
http://blog.goo.ne.jp/stepworld-llnisshin/e/ea41ddb1f563899fbe0ba647a882e9c6