外部試験導入の見送り
2019年11月1日、「大学入試英語成績提供システム」で英語の外部試験を見送られるとの報道がありました。その前から問題点についての否定的な報道があったとはいえ、あまりにも突然のことで驚きました。
この件について、私は、制度上のネガティブな部分を中心に報道されていると思います。確かに、制度として問題があったのは事実です。(その問題点について述べるのは、ここでは差し控えさせて頂きます。)
しかし、冷静に考えなければならないことがあります。つまり、この件について、制度上の問題と英語学習の方向性の問題と分けて考える必要があります。
英語学習はどうすれば良いのか?
見送りに伴って、報道では、特に高校生(特に2019年度高2)の皆さんに対して、「英語学習で、それではどうすれば良いのか?」については、ほとんど触れられていないように思います。
確かに、(高2の皆さんは)既に行った事務的な作業(手続)は無駄になりました。しかし、制度は見送りになっても、英語学習としてやるべき事は変わりません。
英語学習の基本をしっかりとやっておけば、その英語の力は、英検だけではなく、英検以外の試験(入試)にも十分に通用します。教室で行っているように、CD学習(MP3なども含む)をしっかりと行い、音読を沢山行う事は、英語力を付けるために、とても大切です。
例えば、英語の共通試験は、リーディングとリスニングが100点ずつになると報道されています。教室の皆さんにとっては、喜ばしいことです
実際、今までのセンター試験(筆記200点・リスニング50点)でもかなりの高得点を取っている先輩達は多いです。
「スピーキング」の練習は必要ない?
「自分は英検は受けない。だから、リーディングとリスニングだけの練習をすれば良い。スピーキングは必要ない」と考えるのは間違いです。
いつも伝えているように、発音に気を付けて、何度も音読をすることは大切です。たとえ、リーディングとリスニング(そしてライティング)だけの試験でも、音読を繰り返して、英語を体に染み込ませておくことは必須です。そうすれば、英語が英語として頭に入ってくるので、リーディングとリスニング(そしてライティング)の力が伸びます。
結果的に、スピーキングにも良い効果があります。なぜならば、繰り返し音読することにより、英語が頭に入るので、結果的に「話す」ことが出来るようになります。
大学入試で利用される英検
「大学入試英語成績提供システム」の導入が見送りになっても、大学入試での「英語4技能評価の推進」の方向性は変わっていません。英語資格・検定試験を活用した入試がなくなるわけではなく、これまで同様、拡大の動きは続く見込みです。
実際、従来型の英検でも大学入試の際、優遇措置がある大学は多いです。AO入試や推薦入試、一般入試の出願資格・加点・試験免除に活用している大学はすでにあります。
新方式英検(S-CBT)については、「大学入試英語成績提供システム」で使用されることは見送られても、英検協会は、従来型に加えて新方式英検も実施する方針であると発表しています。
新方式英検は、従来型の英検と問題の難易度・出題形式は同じです。実施方式が異なるだけです。両方とも、同じ資格価値として、「級認定」「英検CSEスコア」で結果が表示されます。つまり、新方式英検があれば、従来型でもしも残念だった場合でも受験のチャンスが増えるのです。
入試活用校については、英検協会のHPなどを検索してみて下さい。
“入試のため”だけではなく
入試のために英語を学習して、英検を受けるということは理解することが出来ます。しかし、試験のためだけに英語を学習するのは寂しいです。将来、英語を使って社会で活躍することが出来るように、楽しみながら学習を続けてゆきましょう
<追伸>
関連事項は以下のクリック
「音読は大切です!」
https://blog.goo.ne.jp/mizuno-katsuya/e/f7648c2976b4b957ea0b5387968665a3
「CD/DVD学習を続けるコツ」
https://blog.goo.ne.jp/stepworld-llnisshin/e/79d33ff690b3f0b3db537712bf7e7454
「長文読解力を伸ばすには?」
https://blog.goo.ne.jp/mizuno-katsuya/e/e9315a801ab724502593422d57bcd156