サイエンス好きな男の日記

気が向いたときに、個人的なメモの感覚で書いているブログです。

また火災保険が値上げします!(2)

2022-08-10 02:56:33 | 不動産賃貸業

先日、火災保険が近く値上げされるとお知らせしました。

ただ、今の火災保険の保険料がかなり安い場合、保険期間が満了するまで、そのままにしておくほうが良い場合もあります。

そこで、どういった場合には、今のままでよいのか、逆にどういう場合には契約をいったん解約して、新たに再契約とするべきなのか、試算してみました。

まず、大きくは、現在契約している保険の保険期間が5年 or 10年に分けて考えます。

そして、現在の保険のまま継続し保険期間満了後に新たに高い保険料となった保険に加入するか、あるいは現在の保険を解約し値上げ前の安い保険(保険期間10年)に再契約するか、どちらが得なのか比較します。

なお、前提条件として、「値上後の保険契約」の保険料は今後10年間変わらないものとします。また、保険料は年間保険料*契約年数 で表現され、長期間の契約による割引はないものとします。

 

保険期間が5年の場合:

この場合、結論としては、値上げ後の保険料が2倍ぐらいになる、という築古戸建・テラスの場合は、どんな場合でも保険期間10年の保険に再契約したほうが得です。

今の保険が近く保険期間満了となるのであれば、値上げされる前の保険に加入したほうが良いのは明らかです。
契約したばかりであれば、最初の5年間は値上前の保険契約と同額、その後の5年間は値上後の保険契約となります。であれば、やはり解約して保険期間10年に再契約したほうが得です。
微妙なのは、今の保険契約が2-3年前であり、その時の保険料がかなり安かった場合です。しかし、仮にその保険料が 0 円だったとしても、値上前の保険料に対して値上後の保険料が倍であれば、やはり保険期間10年に再契約したほうがよい、ということになります。

これを数式を使って証明します。

現在の保険契約は開始から m 年が経過しているとします。この場合、

現在の保険契約はそのままとし、契約期間満了後に値上後の保険に契約する場合、今から10年後までの保険料:1*(5-m)+q*(5+m)
今の契約は解約し、値上前の保険に契約する場合の今後10年間の保険料:10*p

再契約したほうがよい場合とは、1*(5-m)+q*(5+m) > 10 * p …① です。

1*(5-m)+q*(5+m) - 10*p = (q-1)*m + 5*(q-2*p) + 5 …②

火災保険料は年々増加しているため q > p > 1,
また、近く保険料が2倍になることから q = 2*p
よって、②は必ず0より大きくなります。よって、①は常に真です。

つまり、今の保険の保険期間が5年であれば再契約したほうがよい、といえます。

 

保険期間が10年の場合:

次に、保険期間が10年の保険に契約している場合を考えます。

 

現在の保険契約はそのままとし、契約期間満了後に値上後の保険に契約する場合の保険料:1*(10-m)+q*m
今の契約は解約し、値上前の保険に契約する場合の保険料:10*p

再契約したほうがよい場合とは、10-m+q*m > 10 * p …③

つまり、(q-1)*m > 10 * (p-1) より、m > 10 * (p-1) / (q-1) …④

この条件をみたせば、今の契約は解約して再契約したほうがよい、ということになります。

なお、火災保険は年々増加しているため、1 < p <  q となります。また、mは契約期間よりも短いため、0 < m < 10 です。

 

もう少し、具体的に考えてみます。

築古戸建てでは、q = 2* p 程度であることがわかっています。

m が小さいと、さらに q はもっと大きくなる可能性もありますが、とりあえず上記を仮定します。

すると、

m > 10 * (p-1) / (q-1) = 10 * (p-1) / (2*p-1)  … ⑤

上記より、以下の条件を満たす場合には再契約がよい、ということになります。

m = 1 のとき、p ≦ 9/8 = 1.125
m = 2 のとき、p ≦ 4/3 = 1.333
m = 3 のとき、p ≦ 7/4 = 1.750
m = 4 のとき、p ≦ 3
m ≧ 5 のときは常に真

現在の保険契約がすでに5年以上経過しているのであれば、その保険料がどれほど安かったとしても、解約して再契約したほうがよい、ということになります。

一方、現在の保険契約が4年以下の場合は、現在の保険料と再契約場合の保険料の比(p)によって、現状維持か再契約すべきかの結論が変わります。

 

私が保有する築古テラス物件(m=2)では p = 1.6 でした。したがって、この物件では再契約するのではなく、現状のままでよい、ということになります。

一方、m=4 の時、つまり4年前と今とで火災保険が3倍以上になっているかといえば、さすがにそこまではないのかな、と考えると、現在の契約が4年経過しているのであれば再契約したほうがよいのではないか、という気がします。

実際にはそれぞれの保険料をもとにどうなるのかを試算していただくのが良いですね。

 

まとめ

築40年を超えるような築古戸建・テラスの場合

保険期間が5年の場合)保険期間10年に再契約
保険期間が10年の場合)現在の契約がすでに5年経過しているなら再契約。経過年数がそれよりも短いなら⑤式で評価。ただし、おそらく4年経過しているなら再契約と考えてよさそう。

 

 

 

 

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