現在リフォームを進めている物件ですが、かなりきれいに仕上がってきたこともあり、賃貸だけでなく売却も視野にいれておこうかと思っていました。
そんな中、たまたま、センチュリー21の営業さん(いきなりの電話アポでしたが)と話をする機会があり、売却査定をお願いすることになりました。
とはいっても、査定金額をそのまま受け入れるのは能がないので、いくらであれば売却しても収益性の観点から損はしないと言えるのか、自分で計算をすることにしました。
全体の流れは以下の通りです。
- 短期譲渡所得税を計算
- 消費税を計算
- 上記2つの税金を考慮した最終的な手残りを計算
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以上から
短期譲渡所得 = a - 478 - (a*0.03+6)*1.08 = 0.97*a - 484.5
短期譲渡所得の税率は 39% なので、短期譲渡所得税 = 0.38*a - 189.0 ...① となります。
もし、800万円で売却した場合は、短期譲渡所得税は115万円ぐらいになります。
次に、消費税を計算します。そのためには、まずは建物の金額が必要です。
固定資産税の評価額をもとに、譲渡価格に対する建物の割合は63%となるため、これをもとに消費税を計算します。
その場合、消費税 = a * 0.63 * 0.08 = 0.050 * a ... ②
最後に、最終的な収益を計算します。
収入:
支出:
最終的な収益として200万円としたいなら 883万円で売却することが必要です。
(ただ、単純に考えると、購入価格 + 改装費用 = 470万円との差額は400万円もあるのに、最終的な収益はその半分しかないんですよね。。。)
200万円の儲けならいいかなと思いますが、もうちょっとだけ意味づけをしてみます。
年間CF を計算するためには家賃、管理費・修繕積立金、固都税 が必要です。家賃は7万円、管理費・修繕積立金は1.4万円、固都税は5.2万円より、年間(7-1.4)*12-5.2=62万円。
年間の減価償却費が10万円なので、所得税・住民税の税率 33%の場合の税金は (62 -10) * 33% = 17万円が税金。よって、年間CF = 62 - 17 = 45 万円
したがって、もし880万円で売却した場合には、200 / 45 = 4.4 ですから、年間CFに対する売却益は4.4倍となります。
そう考えると、880万円で売却できた場合は、4年半の収益を一度に手にできると理解できます。
一方、年間CF = 45 万円がせっかく算出できたので、実質利回り(税引後) を計算すると、実質利回り(税引後) = 年間CF / (購入価格 + 改装費用 ) = 45 / (380+90) = 9.57 %
築年数は30年を超えていますが、税引後で 9.6% が獲得できるのは悪くないですね。(ただ、今後の修繕積立金増額のリスクはありますが。)
家賃収入から計算される表面利回りは、表面利回り = 年間家賃収入 / (購入価格 + 改装費用 ) = 7 * 12 / (380 + 90) = 17.9 %
最後に、880万円の売却および家賃7万円の妥当性ですが、このマンションの家賃相場は、6.2-6.6万円です。それよりも、設定金額は少し高めですが、リフォーム直後かつ建具がこのマンション標準タイプではなく以前住んでいた方が大規模なリフォームをされたようで、質が高い印象です。そのため、少し強気の家賃設定にしています。たぶん7万円でもいいぐらいの感じです。
一方、物件価格の相場は600万円前後です。したがって、300万円近く高い価格設定ですが、これも、家賃設定と同じ理由で、状態がとてもいいためです。ただ、そうはいっても300万円ほども高いので、この条件ではおそらく賃貸のほうが先に決まるような印象はあります。
ちなみに、こんな物件です。
以上から、売却希望額880万円、希望家賃 7万円で募集を開始しました。
ただ、売却について3社にお願いしたところ、どこもこの価格ではほとんど買い付けが入る可能性はなく、せめて780万円にしてはどうかという提案がありました。
その場合、⑤から、最終的な利益は 144万円となります。全く不可能な額ではないものの、賃貸の反応も見ていない状況なので、まずは880万円としてスタートさせてほしいとお願いしました。もし、売買も賃貸も全く反応がない場合には、その時点でまた金額を再検討したいと思います。