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防災は皆の力と協力で 宮代町で「地域防災合同図上訓練」を実施 埼玉県のモデル事業

2011年01月31日 18時13分20秒 | 宮代ニュース

埼玉県は31日、宮代町のコミュニティセンター進修館で、地震などの場合の地域の防災の担い手となる機関や団体を一堂に会して「地域防災合同図上訓練」を実施した。

地域における防災の担い手としては、自主防災組織のほか消防団、消防本部職員、市町村職員、地域防災サポート企業・事業所、災害ボランティア等様々な機関や団体があるが、これらが一緒になって訓練や研修を行なうことが少ないことから、埼玉県では「イザ」というときに備えてこうした関係機関・団体の合同図上訓練を各地域で行い、意思疎通と交流、実情把握の共通認識を持ってもらいたいとしている。

このためのモデル事業として、ふじみ野市と宮代町で「地域防災合同図上訓練」を実施、その取り組みなどを紹介しながら訓練方法等のノウハウを纏めたマニュアルを作成、それを各市町村に配布して同取り組みの普及を図っていきたい考え。

「地域防災合同図上訓練」の第怪1回は1月13日にふじみ野市で行なわれ、31日は第2回として宮代町で開催された。

午後1時過ぎ、久喜地区消防団、消防本部職員や宮代町職員、地域防災サポート企業・事業所、災害ボランティア、宮代町自主防災組織の人たちが、宮代町コミュニティセンター・進修館に集合。

自己紹介などで打ち解けた後、防災対策を検討する訓練として導入するところが多いDIG(DisasteImaginetion Game 、「ディグ」)と呼ばれる、地図を用いて防災や災害発生時の問題点をゲーム感覚で討議・検討を行なう、災害図上訓練の一手法を用いて訓練開始。

約50名の参加者が6グループに分かれて、それぞれが大きな地図を囲み、地域の特性や問題点などを話し合いながら書き込みを行い、災害が発生したときの問題点を抽出。

この災害図上訓練は「Game」と名づけられているように、、ワイワイと楽しく議論ながら進めていくのが基本。そうした作業で、連帯感が生まれ、信頼関係が育まれるという「人を知る」あるいは「人と出会う」ということが、実際の災害発生時にいきてくるという考え。

知っているようで知らないことの多い周りの様子。地図に公共施設や道路、住宅の様子などを書き込んでいくと「この地域には、警察も消防署も病院も無い。災害過疎だ」というようなことや「自然は豊富だが道路が狭くブロック塀が多い」など、自分の住むまちがどのようなまちなのかを理解でき、災害発生時の問題点などが明らかになり、災害に強い街にするためにどのような防災対策が必要かを検討できる。

さらには、災害時の要援護者。高齢者や障がい者はもとより、外国人あるいは宮代町においては東武動物公園の来客者も要援護者となりえる。

そうした要援護者にどう対応したらいいか。不特定の要援護者を省いて日常的に考えられる要援護者を地図上にプロットしてみると・・・・。

午後1時過ぎから始まった研修・訓練は4時半過ぎまで行なわれ、最後に各グループの検討結果の発表が行なわれた。

自主防災組織の組織率93%の宮代町では、自主防災組織の結成を促進する段階から、いかに各自主防災組織の防災力を高めるかに力点が移っており、さまざまな訓練などが行われている。自主防災組織のなかには、31日行なわれたDIGをすでに実施し、経験済みのところもある。

こうしたこともあって、31日の訓練・研修は自主防災組織と町職員や消防署員などがほぼ同じレベルで検討や意見交換が行なわれ、この地域防災合同図上訓練をコーディネートした関係者も「これまで全国数十の地域で同種の訓練を実施してきたが、こんなにスムーズに進むとはほとんど例が無く、予想外で驚いている。宮代町は防災に対する意識が相当に高いのではと思う」としていた。

なお、同日はテレビ局や新聞記者らも入り、取材を行なっていた。