mitakeつれづれなる抄

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地名と常用漢字

2010年04月22日 | うんちく・小ネタ

 何日か前の新聞にありましたけど、我が国の文化審議会漢字小委員会は、常用漢字表に追加する文字を、試案の通り191字とすると決めたらしい。新聞自体が片付けられてしまって、ネットのニュースを見ながらの文章ですが、その追加された文字が一覧表として掲載されており、その多くで地名として用いられている漢字です。

 例えば「岡山」の岡。これ常用漢字ではなかったのですね。でも人名用漢字には入っていて、今度参議院議員に立候補するらしい探偵!ナイトスクープの秘書さんもこの文字が使われています。

 常用漢字というのは、1981年にそれまでの当用漢字に代わって、日常用いられるであろう約2000字ほどの漢字を指定したもので、1947制定の当用漢字とは制限が緩やかになっています。ですので、こうした私的な文章では常用漢字以外のものも使用できますが、新聞や公的機関で用いる漢字は常用漢字表に従っているらしいです。

 しかし土地の名前、つまり地名に用いられる漢字に常用漢字表外の文字があるんですね。いや、以前から知ってはいましたけど、改めて追加される表を見て、「常用漢字って一体何?」と思えてきました。上に書いた岡山の「岡」。大阪の「阪」。木曽の「曽」。いずれも人名漢字表には入っていますが、もう誰もが知って地名として親しんでいる文字ですね。なぜ広く地名として用いられている文字がこれまで常用漢字に入っていなかったのだろう。少々違和感を覚えます。

 でもこの違和感、私が地理ヲタだからかもしれません。そのほかさっと見たところ、嵐、阜、弥、藍、勾・・・あとメンドクサイ。これらの漢字で直ぐに地名が思い浮かべられます。

 経営が青息吐息の名古屋臨海高速鉄道あおなみ線。ここの終点の駅は「金城ふ頭」という名前です。勿論名古屋港13号地金城埠頭のことですが、埠頭の「埠」の字が当時の当用漢字表に入っておらず、地名を制定するにあたって「金城ふ頭」としたことから、後に開通したあおなみ線の駅名も「金城ふ頭」です。こうしか漢字交ぜ書きはあまりみっともいいものとは思えないのですが。

 埠頭の駅については、神戸市の神戸新交通ポートライナーは、中埠頭駅、北埠頭駅という駅がありますが、埠頭を漢字でそのまま表記する一方、同じ頃に出来た大阪市のニュートラムは「中ふ頭」駅とこちらは交ぜ書きです。

 名古屋市でもう一つ、昭和区の鶴舞線に「いりなか」駅があります。ここはバスの停留所は「杁中」と漢字表記。「杁」の字が常用漢字に無いため、「いりなか」と表記したと後々に担当者から聞きました。先程の13号地金城埠頭ですが、かつてこちらに市バスが走っており、その際の停留所名称は「金城埠頭」でした。名古屋の市バスは常用漢字に対して緩やかなんでしょうかねぇ。


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