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峠旅 奥秩父・大弛峠から三国峠へ・・・!!その1

2008-10-07 09:17:15 | Weblog
《峠旅 奥秩父・大弛峠から三国峠へ・・・!!その1》

 国内で、車両が通行できる峠としは最高所(2360m)となる大弛峠(おおだるみ)を訪れてきた。

 自転車を趣味としている者にとって、また、峠に興味がある者にとって、この大弛峠は一度は越えたいところである。サイクリスト憧れの峠と云っても過言ではない。

 場所は、奥秩父山系・・・金峰山(2599m)を主峰に、甲武信ヶ岳、国師ヶ岳、、瑞牆山などの名峰が立ち並んでいる。

 今回のコースは
http://route.alpslab.jp/watch.rb?id=104a2ba312ad662a779039ae205758d5

 集合は中央線塩山駅。甲斐が生んだ武将、武田信玄の菩提寺となる恵林寺(えりんじ)は、「安禅必ずしも山水を須いず、心頭を滅却すれば火も自ら涼し」の言葉で有名である。

 信玄公の銅像のある北口ではなく、南口に埼玉のメンバーは集合していた。前泊で来ている者、夜行で朝着いた者、それぞれの今回のプランへの意気込みは半端ではない。塩山駅から大弛峠への標高差は二千メートル・・・並みのサイクリストには厳しすぎる悪条件でもある。

 ランドナーをはじめ、それぞれがお気に入りの自転車に跨って塩山の市内を走り抜ける。精肉店の前に掲げられた「馬刺しあります!」が気になった。

 旧塩山市は、勝沼町、大和村との合併によって甲州市となった。勝沼といえばワイン、このエリアには多くのブドウ畑が点在し、その丘陵地に広がった景色は異国的でもある。

 恵林寺を過ぎ、旧牧丘町(現山梨市)へ入る。余談ではあるが、甲府市、山梨市、甲州市・・・どれも同じに思えてしまうのが寂しい。勝沼や石和などは有名な地名かと思うのだが。

 ブドウ畑の中の一本道を真っ直ぐに上がってゆく。徐々にではあるが、甲府盆地の町並みが眼下に低く見えてくるのが嬉しい。

 金桜神社の赤い鳥居に来た時、ブドウ畑の婆様より巨砲の差し入れを頂く。山梨の人は情が厚い・・・サイクリングをしていて、幸せを感じる瞬間であり、クルマやエンジン付きバイクでは味わえない体験でもある。

 道は杣口林道へと入っていった。クルマの交通は少なく、木々の下を行く舗装された道はとても快適であった。唯一の欠点は勾配があることであろうか。

 グイグイと、右に左にカーブしながら高度を上げていった。道の下に流れる琴川の瀬音が優しく谷間に響いていた。気温は程よく、気持ちよい風を感じながらのサイクリングとなる。

 琴川ダムの上に出ればひと段落、後続を待って休憩を取る。当然のごとく会話は自転車談義、仲間の自転車を眺めながら、タイヤのチョイスはどうの、ギア比はどうのと賑わしい。パーツ自慢もサイクリングの大きな楽しみのようである。

 全員がそろい、少し先の金峰牧場にある牧丘第一小学校柳平分校の校庭で昼食とする。どうも廃校のようであるが、それぞれが好きな場所に陣取り、コンロを出してお湯を沸かし始める。カップラーメン、うどん・・・他人の食事は美味しそうに見えて羨ましい。

 塩山から大弛峠までの行程は35km、金峰牧場で2/3の距離を走ったことになる。ここより勾配は更に増し、疲れた脚に追い討ちを掛けてくる。峠の登りが辛いのは覚悟の上であるが、標高が増すごとに気温も下がり、ビッグ峠越えのプレッシャーが掛かってくる。

 しばらく若いT下氏とのバトルが続く。彼のギア比はフロント・インナー39T、私はといえば、インナー26T。彼の健脚にはかなわないので、休みを少なくして追従することにする。

 標高も二千メートルを越えてくると、白樺の明るい樹林帯となり、気分も軽くなる。気持ち、道の勾配も緩くなってペダルがはかどる。道の正面には、奥秩父の名峰・金峰山が大きく眺められるようになってきた。

 登山者のものと思われるクルマが多くなったところが大弛峠であった。道中の静かさとは違い、中高年の登山者の会話が賑わしい。もっとも、私も立派な中高年の一人ではあるのだが・・・

 後続を待つにも気温が低すぎて耐えられず、山小屋へ逃げ込む。生憎とストーブはまだ焚かれておらず、同行のS沼氏との会話で気分を紛らせた。

 時間は午後4時半、日没も早い時期であるため、後続との合流をあきらめ、若い二人に待機を依頼して先行することにする。信濃川上村側には数キロのダートが続き、日没後には通りたくないコンディションであった。

 このダートをドロップハンドルのランドナーで下るのは辛い。乗車姿勢からもブレーキングがネックとなり、雷神に乗るS沼氏は難儀をしていた。私は、この峠越えのためにニシキのMTBフレームをパスハンター仕様に改造してきたため、ぶっ太いタイヤとフラットバーの恩恵で楽に下ることができた。

 転倒に気をつけ、クルマの轍を外さないよう慎重に下る。夕暮れは急速に早まり、気が焦ってくる。突然、後方からT川氏の声が掛かる。情報では、脚を痛め、大きく遅れているとのこと・・・・T川氏のわけがない。しかし、紛れもなく元気に爆走されているのはご当人であり、安心をした。

 川端下まで降り立つと夕暮れが一気に迫って来た。奇岩の続く屋根岩の画像をデジカメのモードを夜間撮影にして、辛うじて写す。最新のメカは凄く、人間の目以上に増感して撮影をしてくれた。

 秋山で県道68号へ出会い、右折して梓山を目指す。LEDのヘッドランプを頭に装着し、ナイトランに備える。宿となる白木屋旅館へはあと少し、最後の力を振り絞って宿へ辿り着いた。

 その2へ続く・・・