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峠旅 安倍峠から山伏峠へ!その2

2008-07-10 20:48:17 | Weblog
《峠旅 安倍峠から山伏峠へ!その2》

 雨畑(あまはた)ダムは1967年に出来たという。日本軽金属がアルミニュームを精錬するために造った私設のダムで、今も静岡市清水区の工場へ送電されているそうだ。

 雨畑川に沿って高度を上げてゆく。流出する土砂のせいでほぼ埋まったダム湖は異様な色をしていた。

 先行するお二人を後方から見送り、一人で見神の滝を見物する。水量が多いためか、とても立派な滝であった。

 林道井川雨畑線は走りやすかった。斜度はあるものの、適度に緩斜面があるために脚を休めることができる。車の交通量も少なく、どっぷりと峠旅気分が味わえた。

 稲又で大きな橋を渡り、トンネルを抜ける。その先に室草里という集落があった。戸数は5軒ほどか、猫の額ほどの土地にしがみ付くように家が建ち、山の斜面に畑が耕作されていた。昭和44年に道路が付けられるまでは陸の孤島であったという。昔、金山があったころは賑わいがあり、その後は焼畑で生計を立てていたという。

 更に奥、長畑にも人の気配があった。信州遠山郷の下栗にも驚いたが、ここも凄い場所であった。あと20年、いや10年後、ここに人が住んでいるかは疑問であった。

 正面の県境稜線が見えてくると、そこには、これから上るであろう林道が横に走っていた。あそこまで行かなければ峠へは着けない。あきらめ顔でペダルを漕ぎ続ける。

 川沿いから離れ、左に大きく方向を変えた辺りより尾根筋のつづら折に入る。原生林の中を行く道は日陰も多く、気分的にはとても楽になった。道路際の湧き水で喉を潤す。

 ようやく先行のお二人に追いつき、峠旅の辛さ、楽しさをお話しする。T氏のギアは、フロント32、リアが22という。この峠には厳しいと思うのだが、健脚なT氏には関係がないようだ。

 右手に三角形の立派な山が望める。笊ヶ岳であろうか。その奥は南アルプスであろうか、白い雪渓が遠望できた。

 ビラ雨畑から約4時間、ほうほうの態で山伏(やんぶし)峠、1834mへたどり着くことができた。

 峠に立つと、いつも思うことがある。それは峠の向こうとこちらでは空気が違うこと。静岡県側から吹き上げてくる風が気持ちよい。正目に見える山は大無限山(2329m)であろうか。

 峠の横に立つ木立の影で弁当をいただく。宿で作ってもらった質素な弁当であるが、長丁場の峠上りのあとであり、とてもご馳走であった。その後、しばしの昼寝を楽しんだ。

 待望のダウンヒル、気を引き締めて下りに入る。山梨側の路面状態は良好であったが、静岡側は整備がされていないようで荒れている。フォッサマグナによる地質のせいか、路肩から崩れた土砂や石ころが路面を覆っていた。沢水があふれた場所ではタイヤからの跳ね上げに閉口した。

 路面状態のコンディションが悪いため、豪快なダウンヒルとは行かなかったが、大井川沿いにある小河内の集落へと降りることができた。井川ダムの湖水と山の斜面の間に10軒以上の民家があった。背後の茶畑が綺麗である。

 今日の宿は千頭の清水館、大井川沿いに宿へ急いだ。

アバウトなコースマップ
http://route.alpslab.jp/watch.rb?id=422006af05a93d3f05f2ed1ffe544a37