Club野風増   岐阜・本巣100夢プロジェクト!

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鷲見越えから山中峠へ!

2006-04-26 18:10:27 | Weblog
 美濃飛騨・峠旅 ≪高鷲から荘川&山中峠≫

 北濃駅~大鷲~鷲見~鷲見越え(仮称)~荘川一色~黒谷~山中峠~めいほうス キー場~明宝奥住~郡上 八幡~美並~美濃市湯の洞温泉口駅

 久々の輪行旅、長良川鉄道の“湯の洞温泉口駅”より車中の人となる。スタート予定は終点の北濃駅、長良川を車窓に眺めながら1時間半のレールバス旅を楽しむ。今回の参加者は、春に天竜川をご一緒していただいたNさんとMTB初体験のOさん。いずれも名うての健脚で、ひ弱な私が置いてきぼりをくうことは確実なメンバーである。
 
 9時、眩しい朝日を背に受けて国道156号を蛭ヶ野に向けて走り始める。流石に9月下旬の風は秋を感じさせ、肌を撫ぜていく感覚が心地よい。
 
 高鷲町大鷲より鷲見川に沿って県道452号(惣則高鷲線)を行く。クルマの通行量は一気に減り、これ幸いに併走しながら世間話しに花を咲かせる。毎日自転車通勤をしているNさんは、7月に佐渡島、8月には北海道と自転車三昧の生活を送っているそうだ。
 
 東海北陸自動車道の天にも届きそうな?橋脚の下を潜り、徐々に高度を上げて行く。まばらに点在する農家では、今、高原野菜の大根が出荷の時期らしく、家族で箱詰めする風景が見られた。
 
 中村の交差点を通過し、わら葺の薬師堂を過ぎる辺りより民家も無くなって細い道となる。後ろを振り返ると高鷲スノーパークのゲレンデが確認できた。沢沿いに進むようになると道は簡易舗装となり、700Cの細タイヤを履くNさんの走りが慎重になる。
 
 両側をススキの穂で覆われ、その中をノタノタと自転車を進める両氏の後ろ姿はまさに峠旅ツーリングの世界、哀愁が背中一杯に漂っていた。額を流れ落ちる汗が目に入らないように巻いたバンダナがびっしょりと濡れた頃に峠へ辿り着いた。切通しになった峠(仮称:鷲見越え)を風が抜けて行き、火照った身体を一気に冷やしてくれる。若いOさんのバッグから良く冷えたスペシャルドリンクが出された。勿論、泡のでる例のヤツである。「かたじけない!」となぜかサムライ口調になってしまう私であった。
 
 近頃流行り?のカーナビのせいか、辺鄙な道にもかかわらず他府県ナンバーの車が多く通り過ぎる。このような素適な峠道の通行はご遠慮願いたい・・・と勝手なことをつぶやきながら下りに入る。一色側は標高が高いせいか、それほどのダウンヒルではない。牛が放牧された一色スキー場を右に見送り、唐松林の中を快走する。
 
 下り切ったところが高山市荘川町、静かでのんびりした所という言葉しか出てこないような典型的な農村風景である。昔はどこの田舎もこんなんだったと思うのだが。
 
 黒谷のスタンドで道を確認し、山中峠への水馬洞林道に向かう。舗装路の快適な道はやがて別荘地へと入り、つづら折りとなって高度を上げて行く。周りの山々は自然林で、紅葉の時期はさぞかしと思わせる。
 
 通行止めの柵のところよりダートが始まる。事前の情報では舗装とばかり思っていたが本格的なダートがしばらく続いた。700×28CのNさんは、ハンドルのコントロールに苦労しているようで、少しづつ遅れはじめる。幸い、勾配はきつく無いため押して歩くことはなかったが。
 
 山が低くなり、前方の景色が明るくなってきたころ、そこが峠であった。道端の白い杭には「山中峠ミズバショウ」とある。5月の連休の頃が水芭蕉の花のシーズンとか、規模は小さいものの、木道の付けられた湿原には水芭蕉の小さな葉が見られた。
 
 峠を越えたところが“めいほうスキー場”結構な規模で、本格的に滑りたい方にも人気のゲレンデだそうだ。夏は放牧場になるらしく、牧草の繁った斜面は明るくて気持ちが良い。今日初めて乗るMTBで、道をショートカットしてゲレンデを下り始めたOさんの気持ちは充分に解かる気がした。
 
 実際の林道は大きくスキー場の東を巻いている。年数の経った簡易舗装は部分的に荒れ、ダートがむき出しになっていた。ここぞとばかりに私とOさんはブロックタイヤのグリップを最大限に生かして走り下った。
 
 舗装路に出ればNさんが黙っていない。70キロを越えるような?スピードでダウンヒルを堪能する。途中、せせらぎ街道と合流し、更に郡上八幡を目指してひた走る。
 
 明宝の畑佐にある「愛里」でランチタイム、お店の外にあるテーブルを陣取り、再度の乾杯?今日の素適なダートツーリングの前祝をする。ロードレーサーしか乗ったことのないOさんはMTBに興味津々、「いつかは買うぞ!」とおっしゃっていた。
 
 祭りの後は走って帰るだけ。謎のボールペン・パンクのアクシデントを乗り越え、八幡、美並と激走して美濃市に帰り着いた。トータル103キロ、元気なお二人にパワーを頂いた?一日であった。         (記:蓑和人)