心迷い ４

女に　「心迷い」　・・・　とも言いますな


けれど

女に　「心を迷わせ」　・・・　とも言いますな


同じではないかと言われれば

それまでですが　・・・

ちょっとだけ違うのと違うやろかとも

・・・　思います



どうも人間には好んでというか

「心ならずも」の反対に

我から進んで「心を迷わせ・惑わせ」たがっているような

そんな気味も　・・・　無くはないらしいのです



いささか「心やまし」くも

迷惑をかけると承知で　・・・　走りかねません


せめては

「乱心」すまいと　・・・　「心に誓お」うと思います

心迷い ３

ああいうときに　心のヤツ

どこへ迷い込んでいるのだろう



迷い惑うというからには

本来　「心」に歩むべき筋道が

できてでもいるのだろうか


それが

脱線してしまうのだろうか


・・・　わかりませんなぁ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（４につづく）

心迷い ２

いやもう

なんでこう軽率に

簡単に「心迷い」するのでしょう



町で人に会って

「さ　どこへ行こうか

どこで何を飲み食いしようか」


そんなことが　・・・　容易に決められません



「心用意」が無いというか

「心掛け」が悪いというか

・・・　情けないですなぁ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（３につづく）

心迷い １

「迷うたか」　・・・　と

幽霊を一喝したりします


霊魂すら迷うのですから

生ける凡俗が

「心迷い」したり　「心惑い」したりするのは

情状酌量に値しますなぁ


けれど　迷惑もします


いやいや迷惑をかける　・・・　と

自分のこととして言う方が

・・・　フェアですね


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２につづく）

心せよ ３

「心すべし」　「心せよ」　「心して」とは

「眠った心」に点火する

その命令的な　・・・　鞭撻（べんたつ）＊なのでしょう


たとえていえば

「心ない」体に対して

「さ　心になりなさい」と息を吹き込み

一種の変心　ないしは　目覚めの状態へ

・・・　蘇生させるのでしょう


駑馬（どば）＊に鞭打つと言っても

・・・　当たっていますね



もっとも　この「心せよ」等々には

必ず

「用心」せよの意味が入っていることを

・・・　忘れてはならないでしょう


「心用い」なき「心」ほど

危なっかしいものは　・・・　ないのですから

＊鞭撻（べんたつ）　：　強くはげますこと　いましめはげますこと

＊駑馬（どば）　：　足ののろい馬　また　才能の劣る人のたとえ

心せよ ２

これはいったい　・・・　何なんだ


「心する」心というのは　・・・　どういう心



どうも　・・・　こういう状態が想像されます


つまり　「人の心」は　意外な怠け者で

叱咤激励（しったげきれい）を受けないと

・・・　稼働しはじめない


なんだか微妙な　・・・　器械のようなものらしいと



「心」が　・・・　「心」らしく

有効に　集中的に働きはじめるに当たっては

「開けゴマ」に似た

なにかしら　呪文かスイッチかが

・・・　必要なのではないでしょうかねぇ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（３につづく）