時事解説「ディストピア」

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スペイン人民戦線・補足

2013-07-10 19:57:18 | 歴史全般
スペイン内戦中のスペイン政府は決して共産党の独壇場ではなく、
社会党をはじめとした各政党の連合国家だったと前回説明しました。

で、中央政府の意見を無視して集団化をはじめ、土地を没収し
あまつさえ生産力を落としてしまったアナキストの行為が
1937年5月に起きたアナキスト暴動へ対する厳しい弾圧の
背景にあったこと、単純にスターリンの走狗として
スペイン共産党を語るのは解釈としては不適であることも述べました。

今回の記事はその補足ですが、どうも不破氏は連載を始める前に
ウォルター・ラカーのスターリン本を読んでいたようです。

ウォルター・ラカーの略歴は本によりますと、
テロリズム、ユダヤ人問題などについて20作以上の著作を発表し、
高い評価を得ている現代史家

ワシントンDCの戦略・国際問題研究センター
国際リサーチ・カウンシルの共同議長を務める

だそうです。

ピンと来ないかもしれませんが、これは凄まじいことです。
というのも、この研究センターとは、アメリカの保守派が
取り仕切っているシンクタンクで、ネオコンの牙城、
事実上の対日謀略の司令塔とも評されています。

要するに、世界各国へ対するアメリカの
干渉政策のプランをここで作っているわけです。

http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/36ff9392cc63d3631b4ee93750c21d8d
http://ameblo.jp/souldenight/entry-11477967975.html

つい最近では安倍首相がここで演説を行ったり
ここのメンバーが極右の安倍首相を警戒する風潮を
たしなめたりと、ヤバ気な雰囲気が漂っております。

で、そのネオコンの牙城に所属するラカーがユダヤ人で、
テロリストの研究家で、ユダヤ人問題のスペシャリスト
となっていると、この男、断定はできませんが、普段は
イスラエルやパレスチナの問題に関与している…というより
もろイスラエル支援政策に協力しているのではないでしょうか。

この男はイラク戦争が始まる2002年に
『大量殺戮兵器を持った狂信者たち』という本を書き、
誰もが核・化学・生物兵器を持てる今、テロリズムの脅威が
飛躍的に拡大したと危機を煽りました。

その直後に生物兵器を持っているとの疑いをかけられた
イラクが攻撃を受け、イラクの指導者サダム・フセインが
殺されるわけです。当然、イラクは生物兵器を持っていませんでした。

目次からしてすごいのですが、テロリストの動機として
「マルクス・ムハンマド・アルマゲドン」を掲げています。

要するに、コミュニストやムスリムは危険極まりないという
ことです。ラテン・アメリカをはじめとする弱国へ対する
侵略プランを練っているところで働いている方が書く
テロリズム論、各軍事関係者に支持されるテロリズム論
というのは、おおよそ凄まじく体制的とは言えないでしょうか?

私はレーガン政権の外交に関与したリチャード・パイプス
など、アメリカのソ連研究家は多分に自国の侵略・干渉行為に
加担しているので、どうも限界があるように感じてなりません。

全否定はしませんが、多分にアメリカに都合のよい
解釈がされてはいないかと思います。特にソ連崩壊後には
エリツィン派(崩壊支持者)の研究者とアメリカの研究者が
つるんで、ソ連史のスタンダードを書いていたりするのですが、
そういう従米研究家が書いたスタンダードって本当に大丈夫かな
と思うのです。

というわけで、そういう連中の一人が書いたスターリン論って
マジで大丈夫かっていう話です。日本共産党はソ連とは違う
という点を強調して今日まで活動してきましたが、その独自路線
の弱点がここに現われているのではないかと思います。

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