時事解説「ディストピア」

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民主集中制批判の問題について(メモ)

2013-03-21 21:43:07 | 反共左翼
反共左翼の中には共産党は民主集中制だからいかんのだ
というあまりにも物事を単純化した議論が目立ちます。

民主集中制というのは、民主主義と中央集権とをミックスした
組織論で、幾度・幾重もの議論を通して決定した事項は
すべての党員が順守するというものです。

ですから、理論上は大勢の人間によって共有されるので、
中央の人間も自由が制限されるようになっています。
(この点への言及は皆無に近い)


ところで、この民主集中制は社会主義国家の政治体制を指す言葉でもあり、
独裁体制と同一視して語る論調が学者の中にもかなりいるのですが、
それらは民主集中制が天皇制やファシズムとどこが同じでどこが違うのか
という検討が不十分なものであり、同制度を罵倒するだけに終わっています。


前述したように、民主集中制は民主主義と中央集権の混合形態ですが、
批判者の多くは、後者の中央集権の点にのみ言及し、
民主主義の問題性については議論がされません。


衆愚政治への堕落というデモクラシーが持つ問題への批判が
この件に関して欠落しているように感じます。

私としては、沖縄集団自決や慰安婦、強制連行が天皇制だけで
説明できないように、ソ連史においては、もっと多角的な解析が
必要だと思います。その点において、体制を破壊すれば万事解決
という楽観論には賛成できかねません。

追加するならば、国家論と政党論とを混同していると思います。
政党とは、理論上、考えを同じくした人間が政策実現のため結成した組織で
この点においては、民主集中制は実に政党らしい政党を築くと思います。

現に、社会党は右派も左派も交えた混ぜこぜ御飯で、
日本の右傾化および自衛隊の容認を行ったために、右派左派両者から
見限られて、分裂、解体。今は議席を取る気があるのかと疑う状態になっています。

他方、あれほど共産主義がバッシングされながらその直後の選挙では
議席を伸ばしており、2003年後の大敗後も一定数の議席(9)を維持しています。
社民党はちなみに2012年度で5。過去最低です。

単純に民主集中制自体に問題があるとすれば、この議席の増減や
天皇制批判や反原発、歴史問題など社民党と共通する見解について
説明ができません。自民党のような分派主義の政党が戦後一貫して
保守派であった理由も説明がつきません。

いい加減、イデオロギーに基づく見解は控えたほうが良いと思います。

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