中国西安で奮闘する大学教師Mの日々

日本人教員として中国の陝西省西安市の大学生・大学院生に対し、「日本文化・社会」や「卒業論文」などを教えています。

研究計画書指導と教員探し

2013年01月14日 09時47分30秒 | 日本への留学までの道のり
さて、最近は留学を希望する学生達と良く連絡を取り、実際に会う時間もとって、その指導をしています。
学生達は本当に自分で色々と調べ、勉強して確実に力をつけてきているのを私は実感しています。

現時点では、各自の研究課題がほぼ固まって来た段階で、先行研究と自身の研究の位置づけを明確にさせています。
これまで研究というものをしたことがない学生にとって、この作業は本当に大変で、指導も骨が折れます。

毎回、色々と「先行研究」を探してくるのですが、それがどうも不適切だったり、範囲が狭かったりします。
また、十分に先行研究を調べる作業も私の助言がないと難しい時があります。
振返れば、私も学部時代と修士時代とこうした作業はいつも難しさを感じていました(苦笑)

こうした課題を克服するには、

1、自分がやりたい研究課題が何か、これをきちんと意識すること
2、そのうえで関連する研究書や論文を乱読し、それらを整理すること
3、そうした作業を通して、自分の研究課題を絞っていく

これが定式でしょう。
個人的な実感としては、以上の作業を経た後、三者に意見を求め客観的な意見をもらうことが重要です。
あとは、数多くの論文を書いていく作業を経て、こうした作業は徐々に慣れ、力がついていきます。

ともかく学生達は今、その一歩目を踏み出して葛藤しているわけです。
そうした研究課題と先行研究の位置づけが明示出来れば、あとは関連文献や論文や資料を読んで分析、
その結果を論文にしていけばいいわけです。


そして計画書がある程度まとまってきたら、同時にそうした課題を指導してくれる日本側の教員を探す必要が出てきます。
現在は三人の指導学生とも、それぞれ指導を希望する教員を探し、それぞれ連絡を取り合うところまでは来ています。

ただ、ここでポイントなのは学生が個人的に連絡をとるのでは、あまり返事が期待できないということです。
大学の教員は多忙ですし、こうした依頼が少なくないですし、それにいちいち対応できない状況があるようです。
ですから私が面識があり、学生の研究課題を指導できそうな教員を絞り、私からまずは連絡をさせて頂くようにしています。

そして、それぞれの教員が受入れ可能かをお聞きし、学生の簡単な研究課題と計画書をお送りし、
御意見(評価)を伺います。

あとは、先生方の評価によるので、私にはどうすることも出来ません。
ですから、私に出来るのはそこまでの作業が主になります。

1、よりきちんと研究指導(計画書の)をすること
2、そうした学生の課題にあった、また性格にもあいそうな教員を探す

この二つです。
「2」に関しては、もし私に知り合いの教員がいない場合もあります。
その場合、他の研究者に紹介して頂けるように依頼します。
実際、一人の学生は文学の研究だったので、知り合いの方に紹介を依頼しました。

今後は私が日本へ帰り、学生達が1月下旬頃には書き上げるであろう計画書を手に、
教員を訪問して計画書並びに、学生の人となりをお話しする予定です。



ところで、昨日ネットで以下のような文章を見つけました。
以前の記事でも紹介したように、中国では留学の斡旋会社が数多くあり、その問題性を指摘したものです。
私はどこまで真実かを確かめようもないのですが、学生から得た情報では大部分が当たっている模様です。

「注意!とんでもない中国人研究生の実態 中国人留学生の真実(5)」
http://www.jctsc.co.jp/1399.html

数多くの中国人留学生が日本へ来てくれるのは大変嬉しいのですが、
こうした弊害が同時に起こっていることも我々は知っておいていいと思います。

そうした中、私が担当して色々指導している学生達は、助言を基に自力で留学を実現しようとしています。
ですから、その中で葛藤や不安、悩みも抱えて頑張っているわけです。

私はこうした過程を経て留学の道を得ていく方が、将来は確実に役立つ!と思います。


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