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中国西安で奮闘する大学教師Mの日々

日本人教員として中国の陝西省西安市の大学生・大学院生に対し、「日本文化・社会」や「卒業論文」などを教えています。

上海に戻りました(26日夜)

2013年08月27日 23時19分15秒 | とりあえず日記
更新が遅れました。
無事に上海へ着き、来週以降の新学期準備・家の掃除や片付けなどで気づいたら27日夜になっていました。

日本のメディアが「上海は40度(気温)を計測した日が続く」などと報じていたので心配でした。
しかし上海に実際に戻ってきてみると、気温はそれほどでもなく少しは下がってきたのだと思いました。


今週は来週以降の授業準備が主な作業となり、時間が空けば自分の研究活動をする予定でいます。
今学期からは、(これは夏休み中に自分自身で考えたのですが)もっと学生達との関わりを増やそうと思っています。
前学期までは研究に追われ、しかもその効率が悪くて余計に時間をとられた面もあり、学生とは十分に関われませんでしたので。

それと(ここ数日からそうなのですが)、自分で一時間程度の運動を日々の生活に取り入れることにしました。
運動を適度に継続しないと思考もスッキリしませんし、それは仕事と研究が順調にいかないことを意味するからです。
もともと運動は好きなので、最近は一時間ほど散歩やジョギングをしています。

加えて、極力健康を重視し、食事の時間を定期的にして、食べるものもバランスよくする、酒を控えるなどを計画しています。
酒を控えるというのが、上海に来て以降の私にとって一番のネックなのですが、量を少しにするなどしています。
(ま、もともと飲む量も「一日にビール一本程度」と決して多くはないと思うのですが)

また、他の目星をつけている複数の大学の授業見学も計画しています。
評判の授業、私が関心を持っている教員の授業を私も聞いて、自分の糧にするためです。
せっかく大学の多い上海にいる環境を活かさないともったいないですから。
それに、こういうことは刺激もあって楽しいことでもあります。

あとは上海にお住いの他の日本人の方とも時々会い、上手に気分転換をしていこうと考えています。
両親・友人の知人が上海に数名お住まいだと聞いてるので、時々会うために上海に戻る前に連絡先を教えてもらいました。
大学という狭い空間だけでなく、各業種で活躍してる日本人の方と会えるのを今は楽しみにしています。

私の性格はどうしても自分の仕事や研究にばかり視野が向きがちで、その分、偏った世界に没入しがちです。
そうした性格を少しは改めて、広い視野を持つためにも有効なのではないかと期待しています。

写真は上海に戻って掃除した後の部屋(主に書斎兼リビングとして使用)


そして別の角度からの一枚





最後に、恐らく今年がこの大学に私が外教として籍を置く最後の一年となると思っています。
この大学に“安住したい”と考えたこともありましたが、やはり異動の方向が私の成長には一番良いと思いました。

“人生は一度きり、後悔だけはしたくない”

色々と山あり谷ありであるのですが、とにかく常に前を見て、着実に進んでいきたいものです。
それは私の中国生活を応援、支えてくれる日本の、そして中国の多くの方への恩返しにもなるはずです。

そう思っています。

8月19-22日のこと(日本での研究日誌として)

2013年08月22日 23時17分16秒 | Mの研究活動や成果
上海に戻る日は来週月曜日、そろそろ学期中の授業計画・準備を始める時期に。
時間が経つのは早い・・・。
今回もここ数日の研究に関わるあれこれをメモ程度に書いておきたい。

特に意味はないが、週末のことは省略。

8月19日(月)
この日はアジア経済研究所で文献、資料購読。
その作業中、偶々、図書館課長の方とお会いし、暫し話し込む。
何でもアジ研図書館は周辺大学との協定を望んでいるとか。

アジ研図書館と各外部機関との協定締結状況
http://www.ide.go.jp/Japanese/Research/Net/domestic_network.html

図書・資料の相互貸し出しなどが何とか千葉大と出来ないかと相談を受ける。
是非進めたい話なので、その件を大学側の関係者に通知(現在、回答待ち)
夜は自宅に戻り、文献購読、中国語など。


8月20日(火)
先日、遅くまで起きていたので昼前に起床し、東大の東洋文化研究所図書室へ。



そこで、自身の研究に関わる資料をコピーし、論文なども読む。
この日は利用者が多く(?)、三台のコピー機はフル稼働していた。
図書室を出て自宅近所のファミレスで、コピー資料などを購読。

夜は自宅で翌日の研究会資料作成。中国語も。


8月21日(水)
午前、私用で海外暮らしの方々が集まる会合へ。
海外暮らしの苦労に対し、どのように工夫して乗り越えているのか体験談をお聞きする。
みんな慣れない海外暮らしに関わらず、それぞれ頑張っていることが励みになった。

午後は千葉大で研究会。
私が呼びかけたもので、兼ねてから一度書評会をしたいと思っていた文献の批評会。



2007年に出された本であるが、多くの研究者・学生に読まれ、今でも版を重ねている。
参加者は、千葉大の教員、研究員、博士院生や外部の研究者の方々、計7名。

2時間を超える報告・議論の時間で、本書への評価点、批判点がそれぞれ出される。
東アジア国際政治史の通史をえがく場合、一人では難しく共著となることが多い。
よって、共著者同士でどのような問題意識、研究視覚を共有するのかが一つのポイント。
また、歴史視座を「上から」の眼差しだけでなく、「下から」のそれとのバランスをどうとるのかも今後の課題である。

研究会の後、近所の中華レストランで懇親会。
帰宅後、文献購読。


8月22日(木)
午前、来ていたメールへそれぞれ返信。
中国で知り合ったある研究者から、10月にある国際シンポジウムへお誘いを受ける。
場所は山東省だそうだが、この機会に一度出かけてみようかと計画中。

午後は東大(駒場校舎)で、中国人若手研究者W氏と会う。
私の研究課題と近い分野を研究されていることもあり、予てより面会をお願いしていた。
W氏の研究室で一時間程度、研究に関する相談を中心にお話をさせていただく。
御多忙の中でお邪魔したにも関わらず、ご丁寧に対応してくださったことが嬉しい。

その後、キャンパス内の書籍部で本を購入して、帰宅。



明日は大学授業の準備のため、国際交流基金日本語国際センターの図書館へ行く予定。
とにかく時間が過ぎるのは早いが、貴重な時間を大切にして残りの日本滞在期間を過ごしたい。

8月10-16日のこと(日本での研究日誌として)

2013年08月16日 23時47分29秒 | Mの研究活動や成果
久々の更新。
とにかく日々のことを簡単に記録しておこうと思う。

10日(土)
県立図書館でひたすら研究関係の文献、資料購読。
夜帰宅し、夕食後は引き続き明け方まで作業。
中国語の勉強も少し。

11日(日)
昼から外出。
多くの友人に会い、刺激を受ける。
夜は、某学生の研究計画書をスカイプで指導。
また、英語と中国語をそれぞれ学習する。
その後は、自身の研究関係の文献購読。

12日(月)
基本的に自宅で文献購読。
夜は、英語と中国語をそれぞれ学習。

13日(火)
千葉大へ。
博論の審査委員をしていただいた一人、O先生に製本した博論を進呈。
偶然、その場に居合わせた、U先生などと暫し歓談後、研究室へ戻り作業の続き。
大学を出るところでY先生と会い、千葉大と私の勤務する大学との全学協定が決まったと朗報を耳にする。
何より、この協定に尽力してくださったY先生に感謝すると共に、これで現在の上海の大学での大きな仕事は果たしたと嬉しく思う。
夕方からは院生仲間のIさん、Yさんと一緒に大福楼で飲む。

14日(水)
県立図書館でひたすら研究関係の文献、資料購読。
夜帰宅し、夕食後は引き続き明け方まで作業。
中国語の勉強も少し。

15日(木)
終戦記念日。
日本のこの日の政府動向を中国、韓国など東アジア諸国は批判的に報じている。
日本では日中、日韓関係にばかり注目するが、中韓関係の状況が日本に与える影響にももっと注目していいはずだ。
また、米韓、米中関係が日米関係や東アジア情勢に与える情勢をもう少し考慮し、今後の日中、日韓関係を報じるメデイアが増えてきて欲しいと私は思うのだが、どうだろうか。

県立図書館でひたすら研究関係の文献、資料購読。
夕方帰宅し、某学生の研究指導をスカイプで行う。
中国語、英語の勉強も。

16日(金)
どうも夏バテなのか疲れがたまり、昼過ぎまで寝込む(風邪ではないが)。
午後から起きて、研究の作業の続き。
夕方から気分転換で近所のファミレスで文献購読。
夜は祖母が我が家に来て、家族で食事。

気付くと上海へ戻る日も近づいてきている(26日)。
なかなか論文が書き出せずに焦っているが、とにかく構想が決まるまでは進まない。

我会加油(頑張ります)!

8月8、9日のこと(日本での研究日誌として)

2013年08月09日 23時01分32秒 | Mの研究活動や成果
ここ二日間の記録だけを簡単に書いておこうと思います。

7月8日(木)
軽く昼食を取った後、埼玉県立図書館へ。
以下の分厚い資料集から関わりの深いものを中心にコピーをとる。

資料
『日中関係資料集 1945-1971』日中国交回復促進議員連盟、1971年
『日中関係基本資料集 1972-2008』霞山会、1970年

残りの時間は文献購読。
最近読んでいるのは、日中関係史・国際関係論・国際政治論などの図書、論文。
大学の仕事が終わる前辺りから、これらの文献をとにかく読むように心掛けている。
まだまだだが、これまでにもそれなりに読んだ(つもり)。

例えば、
『日中関係史 1972-2012』のシリーズ、東京大学出版会、2012年
古川万太郎『日中戦後関係史』原書房、1981年
田中明彦『日中関係1945-1990』東京大学出版会、1991年
王暁秋、大庭修主編『日中文化交流史業書1 歴史』大修館書店、1995年
陳肇斌『戦後日本の中国政策:1950年代の東アジア国際政治の文脈』東京大学出版会、2000年
王偉彬『中国と日本の外交政策:1950年代を中心にみた国交正常化へのプロセス』ミネルヴァ書房、2004年
毛利和子『日中関係‐戦後から新時代へ』岩波書店、2006年
川島真、服部龍二編『東アジア国際政治史』名古屋大学出版会、2008年(二版)
久保亨『社会主義への挑戦 シリーズ中国近現代史④』岩波書店、2011年
添谷芳秀ほか編『現代中国外交の六十年-変化と持続』慶応大学出版会、2011年
神田豊隆『冷戦構造の変容と日本の対中外交:二つの秩序観1960-1972』岩波書店、2012年
井上正也『日中国交正常化の政治史』名古屋大学出版会、2010年
服部龍二『日中国交正常化 - 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦』中央公論新社、2011年
並木頼壽・杉山文彦編著『中国の歴史を知るための60章』明石書店、2011年
岡部達味『中国の対外戦略』東京大学出版会、2002年
箱田恵子『外交官の誕生』名古屋大学出版会、2012年
北岡伸一『自民党-政権党の38年』読売新聞社、1995年
川島真、清水麗ほか編『日台関係史1945‐2008』東京大学出版会、2009年
国分良成編著『中国文化大革命再編』慶應義塾大学出版会、2003年
李恩民『「日中平和友好条約」交渉の政治過程』御茶ノ水書房、2005年
『日本の外交』の第二巻・戦後編、岩波書店、2013年
中嶋峰雄『国際関係論 同時代史への羅針盤』中公新書、1992年
中西寛『国際政治とは何か』中公新書、2003年

なお、これに加えて現在の研究課題に関連ある学術雑誌の論文も帰国後、一斉にチェックしている。
例えば、『中国研究月報』、『アジア研究』、『国際政治』、『歴史学研究』、『歴史評論』、『アジア経済』、『東アジア近代』などなど。

中国語文献はまだ少ないが、以下。
劉健平『戦後中日関係‐「不正常」歴史的過程与結構』社会科学文献出版社、2010年
羅平漢『中国対日政策与中日邦交正常化』時事出版社、2000年
李恩民『中日民間経済外交(1945-1972)』北京:人民出版社、1997年
田桓主編『戦後中日関係文献集1945-1970』北京:中国社会科学出版社、1996年
田桓主編『戦後中日関係史1945-1995』北京:中国社会科学出版社、2002年
翟新『松村謙三集団和中国』社会科学文献出版社、2007年

などである。
今後は英語の文献にもあたりたいが、どこまで読みこなせるかは未知数。
ということで、夏休みに入ってからは英語も勉強し直しているところ。

閉館と同時に図書館を出て、日高屋で夕食。
その後、帰宅するとホームステイ受入をめぐる「家族会議」。
随分遅くなり、その後は文献購読を続けて就寝。


7月9日(金)
昼前に自宅を出て、電車で千葉大へ。
大学到着後は以前頼んでいた製本した博論が完成していたので受け取りに。

その後、院生研究室で研究作業。
夕方、兼ねて約束していたK先生研究室へ行き、製本された博論を差し上げる。
院生時代を通じてずっとお世話になっている先生には、ただただ感謝の思い。

その後、大学事務で中国研修帰りのOさんも誘い、三人で大学近所の居酒屋へ。
最近の不規則な生活がたたって酒・食べ物が進まず・・・なんとも残念。


帰宅し、ラジオ中国語を聞き、これからは文献購読。
少し早めに寝るようにして体調を戻していかないと。

埼玉大学との会談へ(8月5・6日のことも)

2013年08月07日 23時33分30秒 | 中国の大学、大学生
日本へ帰ってきてから、普段よりブログ更新が滞り気味です。
やはり、私には日本の方に現代中国の現状を発信したいという意識が強いということなのでしょう。


さて、今日は今週月曜から本日までのことを記録しておきたいと思います。
といっても、月・火曜はサブで本日が中心なのですが・・・。

8月5日(月)
徹夜で朝から千葉大へ。
去年学位を取得した博論を製本に出すことが第一の目的でした。
製本後は審査委員、お世話になった先生方に配布する予定です。

なお、研究室で作業中に博士課程院生Iさんに会いました。
思えば、私が研究室へ行くとほぼIさんは在室しているような気がします。
午後に大学を出て、自宅に戻って研究。


8月6日(火)
この日は午後からアジア経済研究所へ。
最近出された日中関係史・外交史関係の文献、論文などに目を通すことが第一の目的。
そして、現在取りかかっている研究課題に関わる資料も見てきました。

夜は文献購読。
また、翌日の会談資料作成に取り組みました。


8月7日(水)
昼に自宅を出て、電車とバスを乗り継いで埼玉大学へ(約40分)。
埼玉大学は学部二年まで在籍していたのですが、今回約十年ぶりに訪れました。

写真は正門


今回の両校の大学会談

時間:13:30‐14:30
場所:埼玉大学理事室
目的:両校の交流協定の進展に向けた話し合い

会談には埼玉大学側は上井学長、山口理事、華東理工大学側は私が参加しました。
今回は協定の具体的な話し合いとはならず、双方の要望や意見を出し合う内容でした。
今日出された話しの内容を上海に一度持ち帰り、華東理工大学側にどこまで調整が可能か判断してもらうことになります。

ちなみに、今回の会談でも特に話題になったのが、どう海外の大学と関わりを持っていくのか、その方針と具体的な大学側の取り組みに関するものでした。
日本の大学側の現状では、英語の重要性が益々高まっている昨今の状況から、英語圏の大学との協定を積極的に進めている状況にあるとのことでした。

現状では、中国の大学と協定を結んでも中国人学生が日本に多く来る一方で、日本側から中国へ留学する学生がまだまだ少ないとのこと。
基本的に協定によって留学する学生の学費は受入大学の側が負担するので、そうした経営不均衡が上手に解決出来るようでないと直ちに留学生受入には到らないとのこと。
大学の経営的観点からみれば、この点は仕方ないと受け入れざるを得ませんが。

中国の台頭が著しいのは間違いないものの、やはり中国語の必要性が英語を超える状況にはなっておらず、「国際化=英語修得が不可欠」という図式は不動であると認識されていることを実感しました。

ともかく、今後、両校が協定締結に到るための幾つかの具体的方針を示していただけたので、上海に戻ってからどこまで対応が出来るかを検討したいと思っています。


それしても約10年前から多少変化したとはいえ、埼玉大学キャンパスは以前と同じでほのぼのとした雰囲気に包まれていました。


緑も多い。

東京外国語大学、夏季セミナー「言語・文学・歴史 ―国際日本研究の試み」へ

2013年08月03日 21時30分17秒 | Mの研究活動や成果
8月1・2日と東京外国語大学の国際日本研究センター主催のセミナーに参加してきました。

初めて東京外国語大学へは行ったのですが、緑に囲まれ、こじんまりとしたいいキャンパスでした。




夏季公開セミナー「言語・文学・歴史 ―国際日本研究の試み」

講師:
趙華敏氏(北京大学外国語学院)中国
徐一平氏(北京外国語大学)中国
于乃明氏(政治大学)台湾
陳明姿氏(台湾大学)台湾
金鍾氏(韓国外国語大学校)韓国
川口健一氏、橋本雄一氏、野本京子氏(東京外国語大学)
2013年7月31日 - 8月2日(水 - 金)10:00-16:00(8月1日は -14:15)
東京外国語大学府中キャンパス アゴラグローバル3階プロジェクトルーム
一般公開、参加費無料、言語:日本語

※同時開催「国内外における大学院生研究発表会」
日時:7月31日(水)16:15-19:30、8月1日(木)14:30-17:00
会場:東京外国語大学府中キャンパス 留学生日本語教育センター103室、107室

今回のセミナーを案内するHP(pdf)
http://www.tufs.ac.jp/common/icjs/doc/pos-20130731.pdf


私は8月1日、「国内外における大学院生研究発表会」(言語系)の方に参加。
そして、2日は歴史系の研究者による研究発表を聞きに行ってきました。

1日(木)
歴史専門の私ですが、中国の仕事の関係上、日本語教育の研究成果を聞くのも重要です。
今回聞いた報告は主に談話分析に関わるもので、日本語母語話者と日本語学習間の談話におけるギャップを様々な角度から分析した成果が主でした。
これら研究成果は日本語教育の会話授業などで活用出来るため、私にも参考になるものです。


2日(金)
この日、私が聞いたのは最後の研究報告でした。
報告題目は「小田切寿之助と中国」で、報告者は台湾政治大学の于乃明氏でした。
報告内容は、明治期に日中外交に貢献した小田切という一人の外交官(或いは、財界人)に徹底的に光をあて、一人の人物の功績を膨大な史資料から明らかにした氏の博論を元にしたものでした。

小田切という人物を、勉強不足の私はこの報告で初めて知りました。
ですから、小田切の評伝研究ともいえる報告内容は色々と勉強になるものでした。
ただ、少々残念だったのは、こうした日中外交に貢献した一人の人物に光をあてることで得られた成果が今後、日中関係史全体の文脈でどのように発展性を持つのかという展望が示されなかったことでした。

個人に徹底的に光を当てる歴史研究というのは一つの基礎的研究ではあると思います。
同時に、そうして得られた研究成果をどう広げ、他の歴史研究成果と結びつけて議論していくのかも欠かせないと思います。

報告者の于乃明氏の今後の研究に期待したいと思います。


さて、気づけばもう8月に突入。
自由に研究する期間はどんどんなくなっていくので、大切に活用していきたいと思っています。