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中国西安で奮闘する大学教師Mの日々

日本人教員として中国の陝西省西安市の大学生・大学院生に対し、「日本文化・社会」や「卒業論文」などを教えています。

1月17日-1月23日のこと(日本での日誌として)

2016年01月24日 00時16分23秒 | とりあえず日記
日本に帰ってきて約10日が過ぎた。
この間、ほぼ自宅で原稿執筆、並びに近所で済ませられる用事を済ませた。
大寒波が中国には来ているようだが、日本もやや寒さが厳しくなってきた。

来週以降は母校の院ゼミへ顔を出したり、某会合・所属学会の研究会などで外出が増える。
今回はここまでの滞在記を日記形式で記録しておく。


1月17日(日)
明け方まで起きて色々と作業をしているせいで、こちらでの生活は夜型。
ゆっくり起床し、昼前に外出して浦和へ。
夕方帰宅し、大学研究員の業務を進める(留学生の博論チェック、1月上旬〆切)
なお、日本の各紙は台湾の総統選挙での民主進歩党、蔡英文の勝利を報じている。
今後、国民党の馬英九総統時とは異なる路線がとられるのは明らかだが、果たしてどこまで路線変更が行われるのか。
ただ、「現状」に大きく変更を迫る様な措置を直ちに取る可能性は低く、可能な範囲で徐々に路線変更が行われていくのではないか。
この日に読んだ毎日や朝日の論調も、基本的にそのようなものだった。
ともかく日本にも、東アジアの国際情勢にも大きく関与する出来事だけに、注目していきたい。


18(月)
午前、29日の某会合で提出する予定の原稿を執筆。
昼は近所の手打ち蕎麦屋で。


こちらは深谷ねぎを使った天ぷら


午後は午前の作業をつ続け、夕方から大学研究員の業務を進める。
留学生の日本語レベルにもよるが、日本語チェックも結構時間がかかる。
〆切を考慮し、毎日10頁前後をノルマにしているが3時間前後が必要。


19(火)
今月29日の某会合で提出する予定の原稿を執筆。
昼は郵便局へ行って、東大出版会のUPを注文(2015年の毎月号全て)。
帰宅後、読みたかったが読めていなかった研究書を幾つかネットで購入。
その後は、大学研究員の業務を進める。


20(水)
18日の流れとほぼ同じ。
あっという間に時間が過ぎる。




21(木)
ゆっくり起床し、昼前に戸田公園駅で研究者の先輩M氏さんと会う。
近所の喫茶店へ移動し、双方の依頼事項を伝えた後、雑談や近況報告。
Mさんは私が院生時代からの兄貴的存在だが、今でもお世話になっている。
その後、自宅に戻り、研究依頼の資料を調査依頼先に郵便局から送る。
今の研究で重要な調査の一つであるため、何とか上手くいってほしい。

その後は大学研究員の業務を進める。


22(金)
午前は父と近所の国際交流基金国際日本語センターへ。



そこで中国の仕事で必要な教材チェックや資料コピー。
センターを出て遅めの昼食を近くにある洋食屋で父と。
その後、喫茶店で父と暫し雑談しながら、中国の仕事の意見交換など。
それにしても、年始からの株価下落はすさまじい。
「中国経済の減速」「それに伴う世界経済の需要減少」「原油安」などが要因だと報じられている。
中国経済の減速は確実だと私も感じるが、これほどの影響を周囲に与える要因になりうるとは驚き。

ちなみに現在、元で中国の仕事の給与をもらっている私には、円高元安は結構堪える。
現在の年収ベースで考えると、数十万円のマイナスが出るからである。
(去年は1元20円前後、現在は1元18円を切る)

自宅へ戻り、大学研究員の業務を引き続き進める。
夜は29日の某会合で提出する予定の原稿を執筆。


23(土)
午前は電車で両親と、ホームステイのスウェーデン人Pと映画に。


酒蔵を改装して出来た作られた映画館(深谷シネマ)


入り口はこんな感じ。


この映画は私が現在取り組んでいる課題に大きくかかわるもので、稲塚権次郎という農業研究者の人生をまとめた映画。
研究を進める中で知り合い、大変お世話になった農業研究者N氏を通じて教えて頂いた映画。

NORIN TEN~稲塚権次郎物語
http://www.norinten.net/

稲塚氏の研究業績は、農林10号という小麦の品種を生み出したことが取り上げられることが多い。
これは戦後、世界の食糧危機を救うことになる小麦品種の元になったからであり、その意味で大きな社会貢献を果たしたとされている。
ただ個人的には、戦時中・戦後と中国に渡って農業研究・指導をした経験を持つ稲塚氏について、当時のことをもっと知りたくて見に行った。

ドキュメント映画にも近い構成という印象であり、かつストーリーは変な脚色がなかったので、違和感なく楽しませて頂いた。
映画を通して、これまで戦時中・戦後に中国で農業研究・指導をした稲塚氏ばかりに目が行っていたが、それに同行して大陸に渡った稲塚イト氏(お連れ合い)が受けた境遇を全く無視していたことを思い知らされた。
特に戦後、中国に抑留された稲塚氏とそれに付き添って残ったイト氏が様々な苦労を経験し、何とか引き揚げてきた事実は重く受けないといけない。
やはり、ある歴史の全容を知っていくには、より広く深く関連史料にあたり、その実態に迫る作業が欠かせないことを改めて感じることになった。

ブログ管理人のプロフィール(2016年1月24日)

2016年01月20日 16時47分28秒 | ブログ管理人
今更だが一応管理人のプロフィールを書いておきたい。

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氏名:三村達也(みむら たつや)
生年月日:1981年10月8日

職位
(1)中華人民共和国 西安交通大学外国語学部外国籍講師(2017年7月-)
(2)日本国 千葉大学人文公共学府特別研究員(2013年4月-現在)

学位と専門領域
(1)2012年9月、千葉大学人文社会科学研究科 博士後期課程修了(文学)

(2)日本近現代史。直接には、西山夘三氏という建築学者の思想と行動を考察。そこから、近現代日本の庶民住宅の成立・形成の在り方に考察を広げ、学位を得た(2012年9月、文学博士)。

(3)博士課程修了後はそれまでの研究課題の一つ、近代以降の日中間の建築交流に強い関心を持つようになり、日本近現代史のテーマから徐々にテーマが変化していった。

(4)具体的には、近代以降の日中間を軸とした人の移動、交流の発生、並びに、その影響を考える。その作業を通して、日中間という枠組みを越え、東アジア近現代の歴史を捉えなおすことに現在、関心を持って進めている。

(5)現在、具体的な研究テーマの一つは、近代以降の日中間の農業をめぐる学知・技術が、どのような形で交わり合い、それぞれの国家に影響を与えたのか、これを考えるというもの。将来的には、中国以外にも朝鮮などとの関わりも視野に入れ、近代以降の農業の学知・技術の交流の歴史を広く、かつ多角的な視角から捉えなおしたいと思っている。

(6)なお、現在、中国で外国人教員をしているため、そちらの仕事に関する研究プロジェクトも実施中である。具体的には、中国の大学(日本語科)で使用される「日本事情」(日本文化、社会を紹介する授業)のテキストを共同で出版するもので、2014年年明けからプロジェクトはスタートした。


他の関連情報として、下記情報もある。
(1)researchmapの情報
 http://researchmap.jp/read0139361/

(2)千葉大学人文社会科学研究科HPに掲載された文章  *人文社会科学研究科=現人文公共学府
 http://shd.chiba-u.jp/index.php?id=27



1月14日から2月24日までは日本です

2016年01月16日 00時56分05秒 | とりあえず日記
14日夜遅くに日本へ戻りました。
済南‐北京を経由し、羽田に到着し、そこから小一時間で実家へ着きました。
それにしても北京首都国際空港での税関・手荷物検査、行列がえぐいレベルでした。
(アジアインフラ投資銀行(AIIB)の開業式典が16日、北京であるのと関係有か)

半年ぶりに帰国しましたが、ここから中国へ戻るまでは中国の仕事を隅に置き、研究・共同プロジェクトだけに専念できます。
というか、学期中よりも休暇中のスケジュールの方が忙しく、毎回休暇が終わる頃にはかなり疲弊して中国へ帰っています。

正直、今学期はやや環境が変わって忙しく、なかなか研究時間がとれなかったので、相当ストレスがたまっていました(苦笑)。
ですからこの間は基本、中国の仕事関係の方との連絡はシャットダウンし、こちらの思う存分、研究・共同プロジェクトに邁進します。
先日前にも某計画書の修正をお願いされたり、幾つか頼まれ事がきましたが、丁重に断りました。
かれらには申し訳ないとは思うのですが、この仕事も私の本分なので、理解してもらうしかありません。

ということで、これから2月24日は日本での研究・他の作業だけに集中していこうと思います。
わき目もふらずに。。


2016年(申)も始まりました!

2016年01月08日 11時58分54秒 | とりあえず日記
既に正月ムードも明け、日本では仕事や学校などが通常に戻っていることと思います。
私は大晦日、元旦と家族(下の二人の弟は除く)が中国済南へ来てくれ、一緒に年越しを過ごせました。
思えば2009年3月にこちらに来て以来、日本で正月を過ごすことなく今まで来ていました。
その意味で、7年ぶりに家族と年越しをすることが出来たわけで、貴重な経験となりました。

こちらの学校は既に試験期間となり、現在は採点をし、成績登録をしている最中。
そして1月14日-2月24日までは日本へ戻り、資料調査や研究会へ参加、論文などの原稿執筆をする予定。


さて、少し遅くなりましたが、今日は2016年のスローガン(仕事・研究・日々の取り組み)をまとめておきたいと思います。

【仕事】
①何より大学生に教える立場として、学生自身に考え抜かせる機会、かれらの自主性を引き出す機会を設けることを一番重視する。
 (是非、教師が想定している以上の学生のパワーを出してもらい、教師の想定範囲内から超えてほしい)
②授業は引き続き、「興味関心を引きだす・双方向の交わり・日本語の上達を促す」モットーにして実施する。
③同じ済南の日本人教員・中国人教員の授業を見たり、見せたりする機会を設ける、或いは、学習会で互いに成長をはかる。
④同じ大学のもう一人の日本人教員・日本語科の中国人教員とより一層連携、協同して仕事を進めていく。
⑤学生を等しく大切にするための機会を設ける。


【研究】
①去年より取り組んでいる新しい研究課題を論文にまとめ、第一線の査読誌への掲載を目指す(可能なら、二本)。
②共同で取り組んでいる日本事情テキストのプロジェクトの完成を目指す(中国での出版を予定)。
③去年の研究活動により得た成果を、積極的に関連学会の研究大会(日本、中国)などで報告していく。
④研究課題が広がってきているので、従来の所属学会から活動の場を広げ、関与していく。
⑤東アジアに関する研究を進めるため、引き続き、外国語学習(中国語、英語)を継続していく。


【日々の取り組み】
①毎日あった出来事で、感謝できたことを一つノートにつける(2015年から継続中)
②私と同じく安徽省で奮闘する父、日本の家族と細目に情報交換し、助け合っていく。
③引き続き運動をし、しっかり食事をとり、一年戦える体を維持する。

以上。
ブログ読者の皆様、引き続きお暇な折にでも本ブログを御笑覧下さい。
それでは本年もよろしくお願い致します。