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中国西安で奮闘する大学教師Mの日々

日本人教員として中国の陝西省西安市の大学生・大学院生に対し、「日本文化・社会」や「卒業論文」などを教えています。

中国へ戻りました(8月23日深夜に)。

2016年08月28日 03時00分33秒 | とりあえず日記
8月23日(火)深夜、日本から中国済南へ無事に戻ってきました。
日本を離れる前、羽田空港構内の寿司屋で特上を頂き、思い残すことなく飛行機に乗れました(笑)。



到着後、暫く留守にしたので部屋掃除や洗濯をし、あとは基本的に授業準備に充ててきました。

いよいよ月曜から今学期が始まるのですが、今学期は月~水に授業(出講含む)が集中しています。
それに加え、日曜日午後に第二専門で日本語学ぶ学生対象の授業が入りました(計5科目)。
なお、こちらは本来の契約では担当する必要はないため、別給与が発生します。
ただ、私は毎回「出来ればちょっと…」と学科主任に話している位で、休み(研究時間)を欲しています。

なお、今学期は自身の大学の仕事に加えて、

(1)日本での特別研究員の業務の一つとして、毎年担当している留学生の学位論文の日本語チェック(年末まで)
(2)今学期から新たに山東省の某新聞社の日本語校閲の担当(いつまで担当なのかは不明)

を並行してやっていくことになります。

仕事はこの位なのですが、他にも重要なものが、(1)大学の課外活動、(2)日本語教師の勉強会の運営、(3)自身の研究活動です。
(1)はこちらに戻ってから、自身でいろいろと計画を立ててみたので、他の先生と相談、かつ、学生の反応を見ながら実施予定です。
ただ、今学期はきちんと自分の研究時間を確保しないと回らないため、丸二日(せめて一日半)は研究時間を空けたいと考えています。

(2)は現時点で私が運営者になっているので、今学期からは輪番制にすることで、負担を軽減しつつ定期的に勉強会を行う考えです。
そうしないと、正直、今学期は時間的な調整が難しくなりそうです。。。

(3)は既に9月末(済南)に学会参加、10月末(天津)に学会発表があります。
ですから、現在は12月上旬(日本・東京)での学会でも発表をするかどうかで悩んでいます。
新しい課題の農業史分野で二の矢(テーマ)、三の矢を放つ構想はあるのですが、何より時間とお金の問題がネックです。
なんせ、この夏は特に色々と散財をしたので、収集資料を整理・分析を進めて、論文を書くことが上策かもしれません。

日本事情の教科書共同制作も完成間近で、最後の制作作業を進めることも重要です。
その傍ら、発起人として、取りまとめ作業にも色々と先手を打って動き、雑事をこなす必要があります。

色々と考えると12月の発表は無理な感じがしてなりませんが、その決定にスッキリしない自分も。。。
ともかく、8月末が〆切なので、あと数日で決めたいと思います。


8月の主なこと(日本での日誌として)

2016年08月21日 02時44分06秒 | とりあえず日記
7月7日(木)から始まった夏季休暇もそろそろ終わりです(23日まで)。
毎回、中国の大学から頂く長期休暇は、研究作業に充てられるので、大変有り難く思っています。

今回はいつもよりやや長めで、かつ、事前に計画を立てていたこともあり、
それなりに満足する形で終えることが出来そうです。

毎日つけた日記を見直しながら、8月の主な活動などを振り返っておきます。

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8月1-4日 
(1)東大農経・経済図書館、筑波の農環研図などで関連資料の収集・整理
(2)日本事情テキストの原稿修正作業
(3)国際交流基金で来学期の授業準備(週に一、二度)

5日
千葉大で日本事情テキスト作成のための会議(後、懇親会)
基本的に共同執筆者のメンバーは皆、計画通りに作業をし、仕事の質も高い。
しかし、発起人の私がバテ気味で作業が遅れているのがマズイ。

6-7日
大阪府、兵庫県へ
家族での小旅行、弟の結婚も関係

8-10日
山口県へ
目的は自身の資料調査、場所は山口大学東亜経済研究所



11-17日
基本的に生活の軸は、資料収集・整理
加えて、次の論文構想、概案執筆など。
時折、国際交流基金で中国の仕事も。

18日
横浜へ。
戦後の日本の農業研究の動向を知る、元農林省の関係者にインタビュー(二時間)。
他、農林省のOBの方が二名来てくださり、当時の状況を知る、大変有意義な時間になった。
帰宅後、二度の「一部修正」の意見をもらっていた論文が掲載されるとの一報を受ける。
(中国研究所の学術誌『中国研究月報』に近日掲載)

こちらは、後日また詳しく。

19-20日
「11-17日」とほぼ同様の動きで時間が過ぎる。
なお、この夏は古本・貴重資料(私からみれば)などを100冊近く購入した(頂いたものもあるが)。
資料収集で集めたものをファイルに収めると、それなりに厚いファイルが二十冊程度になった。

戻る前、これらを中国へ送る作業を忘れないようにしないと。

頂いたご著書のお礼+α

2016年08月11日 03時58分22秒 | Mの研究活動や成果
こういう仕事をしていると、研究者の仲間・先輩などから、かれらが出した研究成果(本・論文)を頂く機会が頻繁にあります。
論文にまで範囲を広げると相当な数になってしまうので、本を頂いた時はなるべくこちらでご紹介することにしています。

まず、先日まで山口の東亜経済研究所(山口大)で実施した資料調査の時、山口大学の山本晴彦氏から頂いたのが以下。

『帝国日本の気象観測ネットワークⅡ』農林統計出版、2015


「帝国」日本が戦時期に行っていた気象観測の実態を、膨大な資料を収集・分析してまとめた成果です。
こちらは500頁を超える分量があり、辞書のような本の中に豊富な資料・写真なども掲載されています。
なお、こちらの成果に先立ち、『帝国日本の気象観測ネットワーク-満州・関東州-』も出されています。


続けて本日夕刻、我が家に届いたのが、農林省OBで、農業技術史に関連する研究成果も多い西尾敏彦氏のご著書(複数)です。

文学部出身の私が農業に関わる歴史をまとめるのには、農業専門の方から意見を伺いながら進める必要があります。
そうした際、ご助言や様々な情報を頂いている一人が西尾氏なのですが、数年前から縁があって知りあう機会を得ました。
農業に関する基礎知識を私が効率よく身につけられるよう、わざわざご自身の著書などを送って頂いたとのこと。
添えられたお手紙には、現在私が進めている研究課題に対するご助言や情報も書かれていて、大変有り難く感じました。

『図解雑学 農業』ナツメ社、2009



それから、少し前になってしまいますが、私の先輩研究者にあたる民俗学者の室井康成氏より頂いたのが以下。

『首塚・胴塚・千人塚 日本人は敗者とどう向きあってきたのか』洋泉社、2015


従来、英雄や成功者の歴史に目が向かいがちだったところを、逆に「敗者」という存在に注目した点、
かつ、そうした「敗者」の歴史を軸に日本の通史をまとめた点に、本書の新しさ・面白さがあると言えそうです。
室井氏はそうした歴史をまとめる際、塚の事例を広く集めることで、それを可能にしています。
歴史学と民俗学の素養を併せ持つ氏だからこそ、こうした研究手法・視角を持ち得たのではないかと感じました。


皆さま、どうもありがとうございました。