中国西安で奮闘する大学教師Mの日々

日本人教員として中国の陝西省西安市の大学生・大学院生に対し、「日本文化・社会」や「卒業論文」などを教えています。

多忙な西安の今春、異動

2018年03月13日 22時30分47秒 | とりあえず日記
久々の更新です。
某授業準備に行き詰まり、何もできず、久々にブログを書く事にしました。

今年2月末に大学の新学期が開始し、授業・研究というのがいつもの流れです。
今学期はそれに加えて、諸々の事情から今年4月末を境に異動をすることにし、
今度は北京へと赴くことになりました。

詳しい事情は追って書く予定ですが、今は予想以上に落ち着かない日々を過ごしています。

①担当していた複数の授業の引き継ぎ
②卒業論文の指導学生の指導、その後の引き継ぎ
③指導予定になっていた日本語コンテストの引き継ぎ
④異動先への多岐にわたる書類作成と郵送、メールのやりとり
⑤5月以降の異動先の職務との関係上、5月以降に入っている学会、夏の非常勤先との調整
⑥異動先の職務に必要な基礎知識の習得(中国経済関連の中国の各紙・雑誌、その関連データ収集など)
⑦(仕事ではないが)西安で立ち上げた西安日本学研究会の今後の計画・引き継ぎ

何より5月からさらに忙しくなるので、今のうちに論文・学会発表準備を終えておかないといけません。
そのため3月以降は夕方から夜10、11時までの時間、研究室で集中的に作業するようにしています。

というより、残り一ヶ月強で去年9月に来たばかりの西安を離れるという実感が全くありません。
恐らく、あまり余裕がない今の状態のまま、時間だけがさっと過ぎていくのでしょう。

そんな気がしています。

今回、学期途中に抜けてしまう私が現在の職場にご迷惑をかけているのは明らかですが、

「北京の職場の方が待遇もずっといいし、今後のM先生のためにも良いでしょう。」

と日本語学科Z主任・C副主任、その他、大半の先生が今回の話を素直に喜んで下さいました。
(異動先の勤務を経験した恩師の友人と恩師、先輩研究者、家族も皆喜んでくれました)
「どう説明しても絶対に怒られる」とだけ思っていたので、ただ感謝しかありません。

「(北京行きを支持するけれども)ただ我々はM先生がいなくなるのを本当に惜しいと思います」

というZ老師の言葉、私には本当にもったいない言葉です。
西安に来て、正直まだ仕事らしい仕事は何もできていないのですから。

時間はどんどんなくなっていくので、そのある時間を「無駄なこと」に使わずに有効活用し、
少しでも西安の勤務校日本語科の先生方、学生の皆に恩返しをしていきたいと思います。

西安日本学研究会の発足

2018年01月13日 03時08分08秒 | Mの研究活動や成果
遅くなりましたが、本年もよろしくお願い致します。
今年の年賀状は、私が日本へ帰れなかったので家族に代筆して出してもらいました。
年賀状や御著書を頂いた皆さま、ありがとうございました!

西安の初雪(後景は大雁塔)


今学期の大学の仕事が11日付で全て終わり、12日が大学の学科新年会でした。
今学期だけで学会発表を3回、一時帰国が一回と初任の大学の仕事がある中、
それなりに忙しくしていた数か月間でした。

後は一時帰国まで溜まった自身の研究課題、作業をひたすらこなします。
(テキスト出版の作業、某財団助成金申請書の作成、論文執筆)
なお、今月20日は大阪で農業史関連の研究会で発表をさせて頂きます。
その準備もほぼこれからやる段階なので、かなり時間的にタイトです。

ただようやく学期の仕事から解放されたので、自身の研究に専念でき、
それが何より有り難いことだと改めて感じています。
今から2月下旬まで一気に、研究関連の課題を進めたいです。


さて本題です。
昨年秋より西安の大学教員らと準備してきた日本学の研究会を発足させました。
まだ始まったばかりの会で、実質的な活動は今年3月から始まります。
大学の方でわざわざ紹介ページを作って頂いたので、紹介致します。

https://mp.weixin.qq.com/s/aGLn8MlJvU5n_RfO_IVmiQ

会のお知らせは基本的に微信(wechat)でグループを作成して、
そこから流しています。

会員は西安(その周辺)の学者だけでなくても、大歓迎です。
上のページをよく読んで頂いた上で、関心を持った方はご連絡を!
(メール:yoshiitem1008☆yahoo.co.jp ☆を@に変更)

現在、会員は90名を超えてはいますが、「玉石混交の状態」です。
もともと開かれた研究会にはしたいと運営会議で話していましたが、
あくまでも研究会としての質を担保できるというのが前提です。

現在、研究を全くしたことのない方も参加している状況には、
多少違和感がありますが、それを排除する考えは基本的にありません。
ですから、会の活動に関心を持った方は皆受入れる形をとっています。
(もちろん、研究報告をして頂く方はある程度、幹事の方で選別)

恐らく、会の活動を継続させていく中で、徐々に「研究者」が残るでしょう。
また、そうなるように運営をしていきましょう、と幹事らとは話しています。


向山洋一さんという小学校教師は、教師の勉強会を主催する中で、

「大勢集まって適当なレベルの勉強会をする位なら、2‐3人で質の高い議論をした方がいい」

とおっしゃっていると聞きましたが、私も全く同意見です。
結局、真剣に議論をしていないと質も高くなりませんし、
中途半端な学問のやり方では面白くならないんですよね。

研究会は発足したばかりなので、コアメンバーと協同しながら、
一歩一歩確実に会を運営していきたいと思っています。

中国の大学における校友会ネットワーク

2017年12月11日 03時43分23秒 | 中国の大学、大学生
今週末は次週の研究発表準備で半分以上を使った関係で、授業準備が後回しになりました。
その関係で久々に深夜まで作業する形となってしまいました。

なお今日夕方、作業がひと段落した後でスーツをクリーニングに出し、マッサージに行ってきました。
スーツは日本の研究会で着るでしょうし、最近は座る時間が長いので肩や腰が凝っていました。
(中国の場合、地元の家族やおじさん・おばさんが入っているマッサージ店なら安心)
本日の店は、肩・背中・腰、足つぼのセットマッサージが50分で40元でした。


それはそうと最近、自身が勤務している西安交通大学の日本校友会の方とつながりました。

ちなみに中国には交通大学は西安だけでなく、上海・北京・西南の計四つがありますが、
それぞれがまとまって「交通大学日本校友会」という組織をつくっています。
(12月10日。上野でその懇親会があったようです、かなり大規模なそれ)

西安交通大日本校友会の場合、最近、「留日交大人」という研究プロジェクトを開始し、
日本へ留学経験のある交通大の学者に焦点を当てて、研究を行っているとのことです。
まずは初代校長で、京都帝国大学に留学経験を持つ彭康(パンカン)を調べるとのこと。
交通大学の校史博物館の先生方も協力して進めているプロジェクトのようです。

私も最近、近代以降の留日学生についても研究を始めていたので興味深く感じました。
そもそも「西安=古代の日中交流の舞台」とばかり思っていた自己認識が大きく揺さぶられ、
西安(特に交通大の場合?)で近代以降の留日学生を軸に、当時の交流史を研究することの
可能性を感じました。


西安交通大学の場合、上海にあった大学を西安へと大規模な引っ越し(西迁)が実施されており、
当時、上海で教えていた大学教員たちはほとんどが皆、西安へ移ってきたわけです(1955‐)。
その中には初代校長となった彭康(パンカン)だけでなく、他にも元留日学生だった教員が
多数含まれていたと推測できます。

かれらが西安に異動後、留学経験をどのように生かして活躍していったのか、
或いは新中国建国後、国の発展に与えた具体的影響などを考える仕事は面白いテーマになるでしょう。
(この他にも、もちろん色々と研究課題の切り口はあるはずですが…)


「西安に異動しても西安とは無関係の研究を進めることになるんだろう」などと
やや悲観的に思っていた自分もいましたが、ココを舞台にした課題も見つかるかもしれません。

ですので個人的には楽しみが増えて嬉しい、今はそんな気持ちになっています。

西安での最初の学期も終盤

2017年11月27日 01時03分52秒 | とりあえず日記
久々の更新となりました。
最近はバタバタしていて、ブログも他のSNSも何も手がつかない状態でした。

火・水・木・金が授業なのですが、月は何かしら大学関係の仕事が入り、
土日は大半を翌週の授業準備や空いた時間で〆切の課題をするのが常。
今回、西安へ異動した後に初めて担当した科目が三つあり、
その関係で毎回授業準備には相当時間を使う形になっています。
(他にも細かな大学関係の仕事が毎週必ず入ってくる状態)

授業PPTの作成、関連写真・資料の収集、授業内容の確認プリント、
その他に音声を必要とする場合もあり、その場合は編集作業などもあります。
そうなると、初めての授業準備は一回分で8‐10時間は使います。

来学期はこうした苦行から解放される見通しなので、もうひと頑張りです。


しかし気づけば明日から第13週で、今学期(全16週)も終盤に入っています。
この間、空き時間を使って研究も細々と続けてきました。
が、細々とやっていては終わらない量であるのは明らか。。


来月は一時帰国して、シリーズ本として刊行される共著の編集会議、
翌日は別の研究会にて、最近進めている課題の発表です(共に東京)。


また今年中に、日本事情のテキスト原稿(共同執筆)も全て完成させ、
中国の大学出版社へ持っていく計画でいます。
なお現在は9割以上の原稿が完成しています。


年明けて1月下旬には、大阪の大学で開催される農業史関係の学者が集う、
研究会にて発表することになり、そちらは年内には準備を始めないと。
なお、この研究会では今後、共同研究などもしたいと考えています。


そしてこの冬休みには助成金を得て、進めて来た研究課題を論文にして投稿、
さらに成果報告書もまとめないといけません。


すでに来年5月に香港で開催される国際学会でも、①の共著メンバーでパネルを
組んで報告する可能性があるそうなので、この場合、私も香港行きが決定的。
(まあ初香港ですから、けっこう楽しみなのですが)


以上のような感じなので、正直、全く教学業務を止めて、
研究だけに専念できればどれだけ楽だろうと思う自分もいます。

でも研究だけを出来る身分ではないですし、教学も重要なので、
この環境下でやっていくしかありません。

今は踏ん張り時、私にとっては確実にそうでしょう。
まあどこでもどんな状況でも真剣に楽しくです。


最近の写真を最後に紹介。

四年生の授業の様子(活動形式の授業なので席をシャッフル)。北京のK先生から頂いた教材を使って実施。


西安の研究仲間(日本、中国)で集まり、宴会。5時間ずっと研究の話題。


学生たちと食べに行った日本のとんこつラーメン屋(龍面)、替え玉サービス。


これも研究室で21時過ぎに仕事が終わってから、四年の学生たちと食べに行った串鍋の店にて。


仕事と研究のバランス・・・

2017年10月19日 22時35分35秒 | とりあえず日記
18日から「ビッグイベント」が始まった関係で、
ここ数日は色々と不自由なことを経験させられました。
ま、それでも元気にやっています。

10月も下旬に差しかかり、学期は来週が第8週目となります。
要するに学期も折り返しを迎えようとしているわけです。


西安の大学で最初の学期をここまで終えた感想、

当初の計画より、なかなか研究ができていない

この一言につきます。

やはり結局学期が始まってしまうと、どうしても仕事中心になります。
学期前には必ず教学計画と研究計画を立てるわけですが、
教学計画より実際の仕事量は必ずと言っていいほど膨張していきますし、
その分、研究計画は多少削減をせざるを得ない状態にもなります。

とはいえ、最近はどんどん研究課題が向こうからやって来ます。
共同で進める研究課題や依頼のある課題は〆切があるため、
そこまでに何としても終えないといけません。
(年末まで、10月、11月、12月と毎月〆切有)


このバランスをどうとるかが、実に難しいのです。

結局、仕事は主なので適当にすることが出来ませんし、
それが日本語教育である以上、対象となる大学生のために
必要であれば大学業務でなくてもやるべき時があります。
(例、個別面談、自主ゼミナール、進路相談など)

しかし、それをしていると徐々に研究時間は減り、
それによるストレスがたまっていきます。
ひと昔前までは睡眠時間を削りましたが、
最近は寝ないと仕事と研究のバランスがとれないので、
きちんと睡眠だけは確保しています。

となると、それぞれの質と効率を上げ、
気分切り替えを早めていくことで、
両者のバランスをとれるように他ないと感じています。

あとは同僚と上手に連携し、任せられるところは任せ、
逆に、自分がやるべきところで全力を尽くすという、
役割分担をもう少し上手にやっていくべきかと思います。

幸い、私の大学は日本人教員は皆良い方で、かつ、
それぞれ違った持ち味を持っているようなので、
上手に連携し、ギブアンドテイクができればと考えています。


ま、こんなことを書いている暇があれば仕事をせい!
ということです。

ということで、実質何も書いていませんが、今日はこのへんで。
明日は西安市内で開催される歴史学会に参加してきます。