中国西安で奮闘する大学教師Mの日々

日本人教員として中国の陝西省西安市の大学生・大学院生に対し、「日本文化・社会」や「卒業論文」などを教えています。

東京外国語大学、夏季セミナー「言語・文学・歴史 ―国際日本研究の試み」へ

2013年08月03日 21時30分17秒 | Mの研究活動や成果
8月1・2日と東京外国語大学の国際日本研究センター主催のセミナーに参加してきました。

初めて東京外国語大学へは行ったのですが、緑に囲まれ、こじんまりとしたいいキャンパスでした。




夏季公開セミナー「言語・文学・歴史 ―国際日本研究の試み」

講師:
趙華敏氏(北京大学外国語学院)中国
徐一平氏(北京外国語大学)中国
于乃明氏(政治大学)台湾
陳明姿氏(台湾大学)台湾
金鍾氏(韓国外国語大学校)韓国
川口健一氏、橋本雄一氏、野本京子氏(東京外国語大学)
2013年7月31日 - 8月2日(水 - 金)10:00-16:00(8月1日は -14:15)
東京外国語大学府中キャンパス アゴラグローバル3階プロジェクトルーム
一般公開、参加費無料、言語:日本語

※同時開催「国内外における大学院生研究発表会」
日時:7月31日(水)16:15-19:30、8月1日(木)14:30-17:00
会場:東京外国語大学府中キャンパス 留学生日本語教育センター103室、107室

今回のセミナーを案内するHP(pdf)
http://www.tufs.ac.jp/common/icjs/doc/pos-20130731.pdf


私は8月1日、「国内外における大学院生研究発表会」(言語系)の方に参加。
そして、2日は歴史系の研究者による研究発表を聞きに行ってきました。

1日(木)
歴史専門の私ですが、中国の仕事の関係上、日本語教育の研究成果を聞くのも重要です。
今回聞いた報告は主に談話分析に関わるもので、日本語母語話者と日本語学習間の談話におけるギャップを様々な角度から分析した成果が主でした。
これら研究成果は日本語教育の会話授業などで活用出来るため、私にも参考になるものです。


2日(金)
この日、私が聞いたのは最後の研究報告でした。
報告題目は「小田切寿之助と中国」で、報告者は台湾政治大学の于乃明氏でした。
報告内容は、明治期に日中外交に貢献した小田切という一人の外交官(或いは、財界人)に徹底的に光をあて、一人の人物の功績を膨大な史資料から明らかにした氏の博論を元にしたものでした。

小田切という人物を、勉強不足の私はこの報告で初めて知りました。
ですから、小田切の評伝研究ともいえる報告内容は色々と勉強になるものでした。
ただ、少々残念だったのは、こうした日中外交に貢献した一人の人物に光をあてることで得られた成果が今後、日中関係史全体の文脈でどのように発展性を持つのかという展望が示されなかったことでした。

個人に徹底的に光を当てる歴史研究というのは一つの基礎的研究ではあると思います。
同時に、そうして得られた研究成果をどう広げ、他の歴史研究成果と結びつけて議論していくのかも欠かせないと思います。

報告者の于乃明氏の今後の研究に期待したいと思います。


さて、気づけばもう8月に突入。
自由に研究する期間はどんどんなくなっていくので、大切に活用していきたいと思っています。


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