中国西安で奮闘する大学教師Mの日々

日本人教員として中国の陝西省西安市の大学生・大学院生に対し、「日本文化・社会」や「卒業論文」などを教えています。

日本での大学院生活(研究室編)

2011年07月20日 03時02分00秒 | とりあえず日記
〈私が所属する大学院(日本)における博士課程院生の研究室の様子〉

ところで、普通の人が持つ研究室のイメージとはどういったものでしょうか?
恐らく、一般的には理系の研究室が頭に浮かぶ人が多いと思います。

しかし、私が所属する研究科(院)は文系です。
ですから、皆さんのイメージする研究室とは若干違うと思います。

そういった文系の研究室とはどういうところかを少し御紹介致します。


まず、私の大学院の場合は、修士・博士課程で研究室が区別されています。
(こういうケースは、他の文系の大学院でも多いように思います)

そして、各研究室には各自の院生デスクと本棚、ロッカーが設置されています。
(稀にですが、院生デスクの下に小型冷蔵庫が置かれているという人も・・・)

他には、共有パソコンが数台と、プリンターや製本機、他の文房具なども。
床には絨毯が敷かれて、きれいな環境ですし、空調設備も完備されています。


また、開放時間は24時間で院生は事前に配布されたカードキーで研究棟へ入ります。
そして、研究室前にある扉に設置されている電子キーに暗証番号を入力し、入室します。


研究室は基本的にめちゃくちゃ静かで、パソコンのキーをたたく音が響いています。
時々、同じ研究分野、または同期の院生で話しているケースもありますが、少ないです。
理系と違い、実験などもなく、各自でコツコツ研究を進めることが文系では多いです。

共同研究などもありますが、その場合、大学院の別の部屋で議論を行います。

よって、文系院生研究室は基本的に、勉強部屋という表現がぴったりかもしれません。
とはいえ、論文を書き始めたり、課題に取り組むとあっという間に時間が経ちます。
ですから、高校時代までの勉強部屋とは感覚が違うような気もします。
(高校時代は受験勉強の時間が退屈でたまらなかったし・・・笑)


日本へ一時帰国後、私は時間が空けば基本は研究室へ足を運びます。
どうも自宅では文献や資料が足らずに、研究にならないからです。
それに研究室へ行くと、博士院生の友人にも会えるので、精神的に良いのです。

一人きりでずっと生活するのは、どうも人間の精神を蝕むように感じられますから。

在室時間は日によりますが、大体9~10時間以上の日が多いです。
その間、図書館へ行ったり、先生や院生との議論等で抜けて、出入りが多いのですが。
ですので、実質的な在室時間はもっと少ないです。


さて、その研究室に来てるメンバーは比較的少ないのが特徴です。
文系研究は本当に分野によりけりですが、基本、研究室へ来る必然性はない為でしょう。
実際、研究室に来なくても、別の場所で文献、史資料を読み、論文を書く人も多いです。

加えて、かなり静かな環境に「慣れない」と感じる院生達も少なくないようです。
そのためか、常にデスクの大半は空いていて、研究室に来る院生は基本的に一緒です。
(ちなみに、私の専門である日本近現代史の博士院生は私以外は誰も来ていません。)

良く来る院生達を観察していると、留学生の諸氏が圧倒的に多いようです。
理由は分かりませんが、日本人より海外組の院生が過半数を占めているように思います。
ですから、日本語以外の言葉が耳に入ってくることもあります。

やはり比率から言って、中国語が圧倒的に多いですね。
そんな時は、何だか少し嬉しくなります。



そういえば、何だか台風が来ているようで・・・
大学院に提出しないといけない書類があり、明日も行かないといけません。
なるべく台風が避けていってくれるように祈ります。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
研究室があっていいですね。 (クローバー)
2011-07-25 21:03:13
私の修士課程では、共同研究室は与えられませんでした。ですから、専ら図書館か自宅で論文を書くしかありませんでした。人文科学系の大学院はこんなものか、と思わされたものです。
羨ましい限りです。
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コメントありがとうございました。 ()
2011-07-27 01:28:58
文系でも色々と大学により研究環境は違うんですね。結構驚きでした・・・。そう考えると、今の研究環境には感謝しないとです。
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