従軍慰安婦の問題について。問題が解決出来ない理由について色々言う。『賠償問題は既に済んでいるから』とか。でも、ハンセン病で施設に隔離されていた人達で、日本の植民地下にあった、台湾や韓国の施設に入っていた人達に対する賠償については、あっさり認められたのだから。『賠償問題は既に済んでいるから』は理由にならない。最大の理由は、『慰安婦の人達の名簿がないこと』にあると思う。
フィリピンで、戦争中に日本に駐在していた日本兵は3万人しかいないのに。『私は慰安婦だった』と名乗りを上げた人が、3万人(3千人だったかな)いたらしい。そりゃ、言っただけで、お金がもらえるのなら、それも大金が、フィリピン人の平均年収ぐらいがもらえるなら、誰だって、名乗りを上げるよと思う。結局、元慰安婦の人達に賠償出来ないのは、『名簿がないこと』に尽きると思う。
兵士になった人はもちろんとして。工場やもっと言えば、炭鉱で働かされた人だって、名簿は残っているはずであると思う。でも、慰安婦の人達の名簿はない。これは間違いなく、当時の日本政府にとってさえ、慰安婦はアングラ、暗部の部分として認識されていたからだと思う。暗部であるから、記録が残されていない。そして、暗部であるが故に、元慰安婦の人達は賠償を求めるのだけれども。暗部であるが故に記録が残されていないという問題にぶつかるという、パラドックス、困ったことが起きるということで。