相互依存
TPP反対論者がいるけれども。TPP推進の論理は、『比較優位論』である。つまり、A国は、自動車が作るのが得意で、B国は、農作物を作るのが得意だとする。そしたら、A国で、自動車を作って、B国で、農作物を作れば、A国、B国とも、それぞれの国で、自動車と、農作物を作っているより、お互い豊かになれるという、理論が比較優位論である。例え、価格自体は、A国で、B国よりも、安い値段で、農作物を作れたとしても。それぞれの国が、その国が比較して、得意なものに、特化して生産すれば、お互いが豊かになれる、いう理論である。
『中国と、日本が、尖閣諸島問題で、戦争をするかも』とか言っている人がいるようであるが。戦争なんてする訳がない。日本人に戦争をする気がないのも、理由の一つであろうが。戦争が出来ない理由として、中国と日本との間に、相互依存が進みすぎている事にある。まあ、中国から、日本の工場がすべて撤退するような事態になれば、戦争もあり得るかも知れないが。現状ではそれはあり得ないだろう。そこまで、中国人も、中国政府も愚かではないであろうので。
台湾が、OME(だったけ)、コンピューターの基幹部品を作っている事は、中国から侵略を受けない安全保障になっている、と書いていた人がいたが。(小林よしのりさん)。
経済に関する相互依存が進むと、お互いに戦争をする事が難しくなる。
第二次世界大戦の勃発が、ブロック経済化にあった事は、思い出しても良いと思う。
『日本でやった方が、すべて安い値段で出来るから、その方が良いのだ』という意見は世界平和の貢献する為の理論ではない。例え、自国で全部出来るとしても、他の国にさせる。そうすると、その国とは、戦争が出来なくなる。
何の話を考えていたのだっけ。
アメリカは知恵を出す。日本は、製品を作る。(まあ、今はそうではないかも知れないが)。この関係で、『アメリカはずるい』という意見は間違っている。
それぞれの役割が異なる事は、祝福である。完璧な人はいない。でも、ある人が、ある数学理論を発明したら、別の人が、その数学理論を元にある製品を開発するとかいうのは、良くある話である。世界は、皆繋がっている。例え、その数学者に製品を開発する能力は全くなかったとしても。その数学者は、その製品が発明される事に一役買っている事になる。
皆違っているのだけれども。世界全体として、幸福が増加すれば、世界としては、成功である。
TPP反対論者は、世界幸福に貢献しない。表面的にみて、TPP賛成論者の意見に反対することは可能であろうが。多分、アメリカのTPP推進論者は、それが世界平和につながるから、主張しているのであろう事を、分かってやっている可能性が高いと思う。何でもかんでも、自国の利益だけを主張すれば良いというものではないと思う。それが、世界的にどういう影響を与えるかについても、考えて、意見を言うべきであろうと思う。