ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

正義で地球は救えない 書評その8 相手に厳しく自分にめちゃ甘く

2009-02-08 20:21:21 | 池田清彦
 長くやってきた「正義で地球は救えない」の書評もこれでいったん終わりとします。最後はサブタイトルどうり池田氏の他人に厳しく自分には甘い部分、悪く言えばダブルスタンダードなところを批判します。
池田氏はアメリカの昆虫学者が出した現在の生物種の数の推定についてこう述べています。

P76>そんな丼勘定のような推計の数値しかないのであって、今、種の数がどれくらいかということを正確に言うことは誰にもできない。
 もちろん、それが今、どれくらい絶滅しているかについても、実のところはまったくわからない。だから、「一年間に約4万種と言われる現在の絶滅のスピード」という話に確かな根拠はまったく無い。

ここから鑑みるに池田氏は以下のことを嫌っているようです。
1.曖昧な数字を出す
2.根拠のないことを言う
そんな池田氏は自説で数字を出すときにどうしているかというと・・・・・・

P85~86>生物の長い歴史の中では、亜種は、1万~2万年もあれば進化するレベルのものであり、消失と出現を繰り返してきたことを考えれば生物多様性の保全にとって根源的に重要なものだとは思われない。

(゜O゜)あれ~?
亜種は1~2万年もあれば進化するという根拠はどこですか?ここで僕が不正確な引用をしているとお疑いの方は原典を確認してみてください。少なくとも四.生物多様性という正義の中には根拠が載っていません。さらに池田氏は基本的に参考文献を巻末に載せないので仮にあるとしても第3者が検証するには多大な労力を必要とします。これではご自身が丼勘定と言っているアメリカの学者の方が根拠を示している分だけまだましではないでしょうか。
つまり池田氏は他人がやるときはケチをつける部分を自分がやるときは知らんぷりというわけです。ずいぶんと不公平な態度ですね。
 さらに突っ込むと池田氏は>「一年間に約4万種と言われる現在の絶滅のスピード」という話に確かな根拠はまったく無い。
とおっしゃっておいでですが1年間に4万種というのは化石なども使って算出された数字のはずです。割と有名な話のはずですけど、どうして確かな根拠はまったく無いとまで言い切れるんでしょうか。もしかして都合の悪い部分は無視?
ここで仮に数字が曖昧だからダメなのだというとじゃあ自分はどうなのさとカウンターが返ってきます。ぶっちゃけ池田氏は詰んでます。

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