And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

フジヤマ、ゲイシャ、テンプラ

2016-05-07 16:01:49 | 日記
70年代にCBSソニーから立て続けにライブ・イン・ジャパンのレコードが出たことがある。ざっと思い出してもエヴァンス、BBA、サンタナ、シカゴ、F・ハバード、ハンコック、マイルス。その他に自分の知らないロックとかでも出てるのあるかもしれない。なぜ思い出したかというと最近中古でフレディ・ハバードのライブ・イン・ジャパンのCDを買ったから。ハバードは昔からあまり聴かなくて、せいぜいVSOPのくらい。この日本のライブはクロスオーバーと呼ばれた音楽が流行りだした頃で、ジャズはみんな電気楽器の8ビートになっていった。そういう音楽は嫌いだったからハバードなども関心すらなかったのが、何か懐かしく聴いてみた。やはり1曲聴けばたくさんという音楽だったが、会場が静かに聞こえる。ソロ終わっても拍手ない、演奏終わった拍手も何か静か。そんな客入らなかったのかと想像してしまう。ライブなどそのまま出されるほうが珍しく、時にはライブでもないのに拍手をかぶせるのもあるくらい。だいたいは音を足したり消したりとしているので、拍手をかぶせることくらい簡単なはずだがそれもしていない。でもそんなことどうでもいいと思うような今聴くと時代を感じる音楽。よく聴くと単純なフュージョンではないのだけどようするにつまらない。この頃チャック・マンジョーネ、メナード・ファーガソン、ハーブ・アルパートといったトランペットのフュージョンあったけど、それらよりはまし。何でも下を見てもきりない。ハンコックのライブも昔は馬鹿にして買わなかったが、今聴くとこれはなかなかいい気がする。これも「当時の音楽」で古くささはあるのだが。エヴァンスのライブは日本で人気のある「ワルツ・フォー・デビー」をカットしたので売り上げにも影響したと思うが、ライブによくあるヒット曲オンパレードにはしたくなかったのだろう。マイルスの「アガルタ」「パンゲア」はテオ・マセロのハサミが全く入っていないと話題になった。今は違う日のライブもブートで聴けるので、多少の波はあっても連日すごい演奏してたとわかる。なぜその頃日本のライブが多く出たのだろう。ロックもジャズもいい時代で日本のレコード会社は金があってしかもレコードは売れると条件が重ならないとできない。サンタナやマイルスはジャケットデザインを横尾忠則に依頼しているくらいだから制作にどれだけ金を使えたのだろうと思う。この間ホロヴィッツの未発表ライブがボックスで出た。日本でのライブも録音があるようだがカットされた。さすがにぼろくその演奏までは出せなかったようだ。マイルスも81年の東京のライブ、日本でのみ出たが今は廃盤ではないか。それもファンが聴いてもひどい演奏とわかる。

火星人ようこそ

2016-05-05 16:35:40 | 日記
「原子力潜水艦シービュー号」のDVDを注文して一話観たら、つまらなくてあとどうしようと思った。たいてい一話目はパイロット版で面白く作ってあるのだが、これは吹き替えのついたシーズン2からのDVDなので途中からということ。それでもこれはない。昔観なかった理由がこれか。これと違って昔観たドラマ「インベーダー」もDVDになったので買ってみたら、これは引きつけられた。「逃亡者」と同じプロダクションで作って、そういう線を狙ったのか「逃亡者」と同じく主人公が孤軍奮闘するもの。基本的なアイデアはジャック・フィニィの「盗まれた街」だろう。ヒッチコックのテレビドラマでもあったのだが、アメリカの田舎町でよそ者を受けつけないというムードをこのドラマにも感じる。最後、この街には来るなよと保安官がいうセリフ、なんかぞっとする。そういえば「逃亡者」でもそうだった。観光に関係のない小さな街へ行って、何か食べたり飲んだりしようと思って店に入ると地元の人間におまえ誰よという目で見られるのでは、特にアメリカでありそう。アメリカは行ったことないし行くこともないと思うのでわからないが、ロンドン、パリだって日本人歓迎というムードではない。今、半世紀前の日本人と同じことを中国人がやってるのでチャイニーズかと聞かれるし、それはもちろん歓迎するよという意味ではない。ヒトラーの罪は戦争を起こしたことではない、ユダヤ人を虐殺したことだと言われるがーそれならスターリンにも罪あるだろうー地球にあってどんな人種も共存しなければならない。共存するということはお互いに侵略してはならないということ。その裏を返すと違う人間は入ってくるなになるのでは。コロンブスもヒトラーなんかかわいいというくらい原住民を殺しまくっている。カスター将軍も最近まで悲劇の英雄だった。地元では今でも原住民が悪いになっているのだろう。ジョン・レノンのように世界が一つになればいいとか寝ぼけたこといわない。戦争あったほうが少し人口減って世の中のためになる。特に夜、迷惑顧みず大騒音で走ってる奴ら、いなくなっても誰も怒らない。真っ先に死なせてやろう。でも人生自分が思うようにはなかなかいかない。「猿の惑星」の作者は第二次大戦で日本に捕まって、収容所の日本人を猿に見立てて書いたという。さすがフランス人、日本人を見下す。「インベーダー」を観ていてぞっとしたのはインベーダーって誰だろう。移民、有色人種しかいないのではないだろうか。まだ一話しか観てなくて面白かったのだけど、何かダークなものを感じるのだけど。歳を取ると何でも素直に楽しめなくなる。

静かに語って

2016-05-04 08:36:38 | 日記
クルト・ワイルのことを書いていたのに消えていた。保存してあったはずなのに。ワイルはドイツ語読みだとヴァイルになるが、ワーグナー、ウェーベルンと一緒で慣例にしたがってだろう。人の名前なので勝手に変えるのはどうかと思うが今さらヴァグナーとは言いづらい。ワイルは交響曲や管弦楽はたいしたことなく、声楽はかたいオペラとかでなくキャバレー音楽のようなやわらかい音楽なのでクラシックファンからはそれほど聴かれているわけではなく、ジャズのほうもせいぜいロリンズの「モリタート」セプテンバーソングを歌う歌手がいるくらいか。昔20代の頃、スナックのママに何月生まれと聞かれ9月というとセプテンバーソングねと言われたことがあって、ワイル知ってるのかと思ったことがあった。それくらいワイルの名前はポピュラーではない印象がある。画期的だったのは70年代後半頃、アサートン指揮でグラムフォンから3枚組レコードが出て、まとまってワイルが聴けた。しかも国内盤も出たので歌詞、対訳付き。そのままCDになってくれないかと切望していたが、輸入盤だったけれど、そっくりCDになり歌詞付きだったのでとりあえずよかった。あとテレサ・ストラータスの歌う「知られざるワイル」という魅力的な盤が出たり、ロッテ・レーニャの古いのが何枚か国内盤でCDになりと地味に出てはいるが、知名度は同時代のストラヴィンスキーなどと比べるとかなり差がある。この間ショップでワイルの交響曲1番2番を見つけ買った。絶対面白くないだろうなとは想像ついたが、国内盤でこういうのを買い逃すとなかなか手に入りづらくなるから。作品数に比べると自分の知ってるワイルはほんのわずか。その中でも気に入っているのは「ハッピーエンド」「セプテンバーソング」「ユーカリ」三文オペラの管弦楽版などで、とてもワイルファンですとはいえない。サティなら「ジムノペディ 」「グノシェンヌ」を聴かせたらいいねになるけれど、ロリンズの「モリタート」聴かせてワイルいいでしょとはならない。サティだってたいていのファンは「ジムノペディ 」「グノシェンヌ」だけ聴いてサティ好きですといってるに違いない。そんなこというならストラヴィンスキーだって3大バレエだけ。ホルストは「惑星」以外のCD見つけること自体難しい。でも代表作あるだけいい。ワイルは一時期ウテ・レンパーやテレサ・ストラータスの歌が何枚か国内盤CDで出たことあったが、それ以来ワイルのCDが出たと聞いたことがない。だけどいいんだ。そんなものだ。今度若い人間に何月生まれと聞いて9月といったらセプテンバーソングだなといっても何の反応もしめさないだろうけど、ワイルですかというやつがいたら少し話続けられるかもしれない。