And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

静かに語って

2016-05-04 08:36:38 | 日記
クルト・ワイルのことを書いていたのに消えていた。保存してあったはずなのに。ワイルはドイツ語読みだとヴァイルになるが、ワーグナー、ウェーベルンと一緒で慣例にしたがってだろう。人の名前なので勝手に変えるのはどうかと思うが今さらヴァグナーとは言いづらい。ワイルは交響曲や管弦楽はたいしたことなく、声楽はかたいオペラとかでなくキャバレー音楽のようなやわらかい音楽なのでクラシックファンからはそれほど聴かれているわけではなく、ジャズのほうもせいぜいロリンズの「モリタート」セプテンバーソングを歌う歌手がいるくらいか。昔20代の頃、スナックのママに何月生まれと聞かれ9月というとセプテンバーソングねと言われたことがあって、ワイル知ってるのかと思ったことがあった。それくらいワイルの名前はポピュラーではない印象がある。画期的だったのは70年代後半頃、アサートン指揮でグラムフォンから3枚組レコードが出て、まとまってワイルが聴けた。しかも国内盤も出たので歌詞、対訳付き。そのままCDになってくれないかと切望していたが、輸入盤だったけれど、そっくりCDになり歌詞付きだったのでとりあえずよかった。あとテレサ・ストラータスの歌う「知られざるワイル」という魅力的な盤が出たり、ロッテ・レーニャの古いのが何枚か国内盤でCDになりと地味に出てはいるが、知名度は同時代のストラヴィンスキーなどと比べるとかなり差がある。この間ショップでワイルの交響曲1番2番を見つけ買った。絶対面白くないだろうなとは想像ついたが、国内盤でこういうのを買い逃すとなかなか手に入りづらくなるから。作品数に比べると自分の知ってるワイルはほんのわずか。その中でも気に入っているのは「ハッピーエンド」「セプテンバーソング」「ユーカリ」三文オペラの管弦楽版などで、とてもワイルファンですとはいえない。サティなら「ジムノペディ 」「グノシェンヌ」を聴かせたらいいねになるけれど、ロリンズの「モリタート」聴かせてワイルいいでしょとはならない。サティだってたいていのファンは「ジムノペディ 」「グノシェンヌ」だけ聴いてサティ好きですといってるに違いない。そんなこというならストラヴィンスキーだって3大バレエだけ。ホルストは「惑星」以外のCD見つけること自体難しい。でも代表作あるだけいい。ワイルは一時期ウテ・レンパーやテレサ・ストラータスの歌が何枚か国内盤CDで出たことあったが、それ以来ワイルのCDが出たと聞いたことがない。だけどいいんだ。そんなものだ。今度若い人間に何月生まれと聞いて9月といったらセプテンバーソングだなといっても何の反応もしめさないだろうけど、ワイルですかというやつがいたら少し話続けられるかもしれない。