And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

与えられたとせよ

2016-05-12 21:16:15 | 日記
埴谷雄高の「死靈」を読もうと文庫で3冊買ってきた。文庫になったのはここ10年くらいだと知って、とても単行本なら読む気にはならなかっただろうと思った。未完で終わった・・未完で終わったものはいくつか知っている。「失われた時を求めて」は幸い話が通るくらいに書き終わってはいるが、未完といっていい。W・C・ウィリアムズの「パターソン」は6巻目も書き始めていた。C・オルソンの「マキシマス・ポエムズ」も完結していないと思う。カフカの長編。断片を読むのがカフカの楽しみかもしれない。サルトルの「自由への道」読んでて途中で書くのをやめたのもわかる気がする。ムージルの「特性のない男」よくわからなかったし、結末のいる小説なのかと思った。モーツァルトの「レクィエム」死んではどうにもならない。ブルックナー交響曲9番、マーラー交響曲10番しかり。シューベルトは「未完成」をやめてしまった。デュシャンの「大ガラス」ちょっと思いつくだけでもこれだけある。モーツァルトは好きではないけど、好きでないからなおさら「レクィエム」の後半が弟子作でモーツァルトと関係なのに抵抗を感じていたが、昔はそれも含めて「レクィエム」といっていた。今はいろいろなバージョンが出ているので自分の気に入るのを聴けばよい。ホグウッドのハイドン交響曲全集あと20曲くらいというところで、レコード会社の意向だと思うが中断してそのまま終わってしまった。「アンドレ・ブルトン集成」確か12巻刊行予定が6巻で中止。これは日本の出版社。ドラマでもそうだが、きちっと解決して終わらなくてもいい気がする。昔観た「ロンドン特捜隊スウィーニー」で犯人が捕まらなくて終わるのがあって、とても新鮮だった。たまにあるからいい。そんなのばかりだと腹立つだけだ。量の問題じゃないかもしれないけど、持っただけで手がだるくなるような厚さの「マキシマス・ポエムズ」を未完だといわれても。難解なので英語で読んでもほとんどわからない。これの全訳が出て、またその厚さが西脇順三郎全詩集と同じくらいある。とてもパラパラめくってなんてできない。よくこの時代にこんな厚さの本が出せたと思う。まさか大学で学生に買わせることもできまい。自分のようなアメリカ詩の好きなマニアなどそういるとも思えない。好きで興味あっても30ページくらいあればいいかな。長篇詩はこういうだらだらと長く完結しないものが多い。まあ許せるのだが、結末がないのわかっていて、さて長編小説は読むかな?