And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

不注意な水

2016-05-13 22:05:50 | 日記
世話になったジャズ喫茶のマスターが亡くなり葬儀に行ってきた。別に葬儀の曲ではないのだけれど、バーバーのアダージョを聴いている。若いとき、もしかして今もそうかもしれない、ジャズ喫茶はどうも独特の緊張感がリラックスを妨げている。昔は本を読んでいてもリクエストしたなら読むのやめて聴けという雰囲気があった。周りの常連も何か神経質そうで、初めて入ろうものなら何しに来たとじろっとにらまれそう。とてもマスターと仲良く話すなどできなかった。学生の時はいっぱいあったジャズ喫茶もあっという間にみんな閉めた。名曲喫茶も行った。渋谷のライオンなんか入ると外とは別世界になる。何の害もないのだけれど、楽譜と指揮棒持ってきてスピーカーに向かって振っている人を見ると、ここも自分にはくつろげないと思った。当たり前なのだけれど、くつろぐには自分の部屋で好きな音楽をかける。でも好きな音楽だとそっちに気がいって本を読めないというのがある。それでも昔のように針を上げる心配はなくなったが。ジャズ喫茶ではレコード半面しかかけないが、曲順の思いが伝わってくる。レコードによってはA面ばかりB面ばかり聴いたというのがよくあった。マイルスでいうなら「スケッチオブスペイン」はA面で「マイルストーン」はB面のように。逆にキース・ジャレットのピアノソロのようにCDになって1時間通して聴けるようになったというのもある。ジョン・レノンの「ダブル・ファンタジー」レコードのときはジョン・レノンの歌だけ聴くのは難しかったけど、CDになったら簡単にオノ・ヨーコの歌を飛ばせるようになった。二人は一体といってもどうしてもヨーコの歌は聴きたくない。それどころか「イマジン」で「オーヨーコ」を聴いてぞっとしてジョン・レノンも聴かなくなった。ポール・マッカートニーもゴミ連発でジョンのいうように夢は終わったという気がした。ビートルズは唯一再結成しなかった。金のためという必要がなかったのもあったのだろうが、50過ぎたメンバーの「抱きしめたい」なんか聞かされなくてよかった。思想のないポールだけがいまだ一人ビートルズしている。CDになって未発表が多く発掘され、コンプリートとしてボックスが数多く出た。それらは単純に録音順に並べられているから、レコードで出ていたときのようなセンスも雰囲気も何もない。エヴァンスのリヴァーサイド、マイルスのプレスティッジそんなの録音順に聴いたって面白いわけないだろう。1枚30分しか入ってなくて損したという気がしてもレコードのジャケットでレコードの曲順で聴かなければ。