植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

緑石混淆 幻の石「艾葉緑」を求めて その1

2024年01月05日 | 篆刻
石印材コレクターとして、このブログでは「印材三宝」と言われる田黄石・鶏血石・芙蓉石を中心に幾度となくその魅力と、ワタシ自身のつましい蒐集石を紹介しております。いずれ石のコレクター半分、篆刻家半分の立場で、「石印材の鑑賞法」という本を執筆しようと思っております。

そこで、忘れてならない、というよりその美しさに魅了されている「緑石」無しでは印材は語れません。三宝は産地や形状・材質などがある程度限定されるのに対して「緑石」は色と模様のバリエーションが多く、採れるところも様々なのです。つまり緑石という石種はなく、緑色に見える石全てを、ワタシが単に好きで集めて密かに愉しんでいるに過ぎないともいえますね。

緑石は産出量は圧倒的に少ないのです。ワタシの手持ちの印材は4千を優に超えておりますが、緑色だけを寄せ集めても70個しかありません。緑石を見つけると優先的にヤフオクで入札するようにしておりますが、ざっとその程度しか入手出来ておりません。ただし、印材で最も大量に採石されて利用されている「青田石」は含みません。青田は外見ではうっすらと黄緑かかった青白色です。これを緑石の範疇に入れたら寿山石と並んで最も数が多い石の種類ということになります。青田石はやはり青田として、単独・独立して分別すべきだと思います。

ワタシの緑石に対する思い入れは、収納用の木箪笥を見ていただければ想像できるでしょう。古い古い書道具(筆や硯)の収納箪笥です。



緑色に見える石、あるいは名前に「緑」が入っている石がまとめて入っております。価値・値段から言えば玉石混淆で、一個100円程度のものから数万円のものまで一緒くたであります(笑)。

今日は第一回なので、緑色に該当する石の種類を思いつく限りと、「小林徳太郎先生・山内秀夫両先生」の著書から抜き出して羅列しようと思います。

①広東緑石(広東緑) やや透明感がある緑と白色がツートンで混在するのが一般的で最も多く見かける
②雅安緑石 不透明で明るい緑に茶・金の粉帯が混じる。彫りにくい
③老嶺凍 老嶺の中では特別扱いされる良石で、茶羊羹のようで半透明淡緑色
④萊州石 緑色・透明でもろい(らしい)
⑤豆青緑 微透明 内容確認中
⑥艾葉緑(かいようりょく) 幻の石とされ、専門家でさえ見たことが無いと言われる。今回のメインテーマ
⑦鴨雄緑 もっと珍しく、いまやその産出は途絶えている奇石。
⑧月尾緑 月尾石の中に稀に緑色の石があり、これを艾葉緑と呼ぶ専門家もいる 
⑨水晶凍 半透明だが緑色に見えるものがある
⑩仙草凍 仙草という植物の樹液を寒天のようにしたものに似ている、とあります。半透明で牛角凍に近いものだと想像しております。
⑪牛角凍の緑が強いもの
⑫天藍凍の緑が強いもの
⑬花坑石 無透明な黄土色の中に黄緑や緑の筋や帯状の紋様が混じる
⑭吊筧石 確認中
⑮青田石の一部

とまぁ色んな種類があって大変紛らわしく、自分の70個の石を当てはめるだけでも難しい作業になるのです。その中で⑥と⑦が最も希少で幻の石と呼ばれているのです。実はワタシ、ヤフオクで落札したもののうち、少なくとも3個が、この⑥艾葉緑という触れ込みで出品されていて、なかなかの値段であったのです。
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