植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

おめでとう 笹生選手 朝からハッピーなわたし

2021年06月07日 | スポーツ
昨朝はいつもにもまして早起きいたしました。今年初めて満月美人が開花したからです。一年大事に育て開花を見るときの喜びはがひとしおであります。

満月美人は月下美人の改良品種で、この種はほとんど他に改良種や変異種はありません。花は咲くものの、実際は挿し木で簡単に増えるのであまり他の近種と交配させる必要がなかったのだそうです。最近では徐々に交配の研究がすすみ新種も出ているようです。

  特徴は、年にせいぜい、1、2回しか咲かず、夜に咲き始めて翌朝にはしおれるという儚さにあります。その分エロチックなほどの艶やかさと濃厚な香りを放ちます。強香なのに柔らかく、エキゾチックで他に例えられないような芳香なのです。諸般の事情でこの花を一昨日写真に収めることが出来なかったため、早起きしてなんとか間に合いました。あたりにはまだうっすらと香りも漂っておりました。

 もう一つの理由が「全米女子オープン」世界に冠たるアメリカゴルフツアーの5大メジャートーナメントの一つであります。かの樋口久子、岡本綾子、宮里藍などが幾度も挑戦し阻まれてきた伝統ある最高峰の大会3日目で、笹生優花が2位、畑岡奈紗 が5位と好位置につけていたからであります。首位のLトンプソンとは1打差、レキシーは世界ランク7位、無類の飛ばし屋で、乗ってくると手が付けられないすが安定感にかけ、ここぞという時のポカがあります。絶好の位置であったのです。

 起床してすぐテレビを付けたら4R出だし数ホールで笹生はなんと+4、レキシーは-1と一気に6打差がついていたのです。その後に続くのが例によって韓国人選手、「あぁ、日本人はやっぱり最終日弱いのだ」と情けなくなり、ブログ更新など朝の日課をこなしておりました。6時になるかならない時間に篆刻修行をするという見上げた心がけなのです(笑)、おかげで割合で気のいい篆刻印が彫れました。

 それでひと段落し、ゴルフの結果をネットで確認したら、なんと3人が同スコアで、最終ホールではありませんか、目を疑いました。慌ててテレビを付けました。畑岡奈紗ちゃんは一足早く1位タイでクラブハウスチャンピオン、なんとレキシーは18H目がスリーパットのボギー!!、史上初の日本人同士のプレーオフとなったんです。久しぶりにその瞬間ほんとに鳥肌が立ちました。

 畑岡は、上背が無いのでもともと横降り、インパクトで体が浮くように伸びあがります。特徴ではありますが泣き所です。それでもアイアンショットの時はその伸びあがりがほとんど無いように修正したようで、とても正確なショットに見えました。しかし、POになってからは力が入り緊張感が増したように見えました。

 一方最終日出だしで躓いた笹生は、粘り強くスコアを戻して首位タイに戻ってきたせいか、非常に自信に満ち、POもたんたんとプレーを続けました。畑岡は2ホールともドライバーを曲げ深いラフに入れましたが、そこから計算しつくされたセカンドを放ちパーで切り抜けました。笹生は逆にフェアウエーからのショットが寄らず、決め損ねていました。

 3ホール目、今度は笹生がラフに入れそこからバーディーチャンスに付けました。一方畑岡は絶好のフェアウエーのライだったのに、笹生がぴたりと乗せたのを見てプレッシャーがかかり、手前の遠位置に乗りました。パットも打ち切れずショート、上りを強気に入れにいけなかったのが勝負の分かれ目に見えました。

 笹生は、並外れたヘッドスピードで、躍動的な美しいスィングの選手です。見惚れますね。ローリーマキュロイのコピーともいわれてそっくりなんです。パッティングは、ラインの読みが早くぱっと決めて打ちます。他の選手が立ったり座ったり何度も行き来をするのですが、読みがいいのとキャディーへの信頼なんだろうと思います。長いフックラインを真ん中から決めました。いやいや恐れ入りました。史上最年少の優勝でした。この2年間で、渋野、松山、笹生と3回メジャートーナメント優勝なんて夢のような出来事でした。

 彼女の優勝スピーチも流ちょうな英語で感動的でした。ワタシはアメリカツアーに行くなら、男女を問わず英語を日常的に使えるようになるべきだと思います。パートナーやキャディー、関係者との意思疎通がスムースでなければ劣後します。米ツアーに行くなら語学を学び本拠地をアメリカの置くようでなければ通用しないと思います。

 それで、笹生が優勝セレモニーで表彰されるとき、フィリピン人で初めてメジャートーナメントに優勝したと紹介されました。彼女はお父さんが日本人、お母さんがフィリピン人で二重国籍なんですね。タガログ語と英語を話し、日本語も勿論話せます。大阪なおみ、八村塁 、サニブラウン、オコエ、鈴木武蔵など何人ものハーフのアスリートが活躍する時代になりました。種が遠ければ遠いほど異種交配による植物の姿は美しくなり、性質は強健になることが多いのです。

 しかし、それに引き換え予選落ちした渋野日向子ちゃん、あの滅茶苦茶なスィングにこだわったら、本当に引退も懸念されます。早く岡本綾子さん、修正してあげてください。


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篆刻 自己流でも「失敗しませんから」

2021年06月07日 | 篆刻
篆刻印を本格的に初めて、まだ7か月です。中指には印刀による「タコ」が出来て、痛みますが、仕方ありません。書道と同じく多作多書が上達の基本のように思います。書道であれば、「臨書」が修行の基礎で、書聖とか三筆とか呼ばれる達人の名跡、古書、古典の数々を真似して書くのがその大半となります。

 篆刻はどうかと言えば、印譜と呼ばれる名人の手になる印影をお手本にするのが近道になります。また、篆書に関する書籍・字典を見れば、自分が彫ろうとする字を何通りかの篆書体が引けますので、これを参考に下書きするわけです。何の字を彫るかはその人の好き好きですし、印の目的(姓名印・雅号印・関防印・遊印)によって選字します。

 これが篆書体をベースに印案を考えるのですが、一言で篆書体といっても、時代によって字体の変遷があります。概ね「金文」というのが起源と考えられており、 その後統一規格になった小篆、印に置き換えやすいように正方形にまとめられた印篆などがあります。金文も又、石鼓文に書かれた大篆という書体がベースでそれよりさらにさかのぼれば漢字の起源である甲骨文字に行きつくのです。後世になるとこれが崩されて隷書体に変遷したり、鳥虫篆、龍文字など装飾性が高くて、原語の形を留めず判読できません。古くは中国の官印として、字の線を延長して線をぐるぐるスペースに埋め尽くす九畳篆というのもあります。これも読めませんね。

 ともかく、一応大事なのは複数の字を刻むときは、その時代や地域に統一された書体にするというのが決まりごとなのです。印篆刻に金文が紛れ込んではならないのです。こういう一連の作業を検字というそうです。

 篆刻の入門書を読むと、字を選んでからの手順が面倒なんです。まず印稿作り(デザイン・下書き)で仮の印稿を毛筆で書き、厚紙を黒く塗ったものに印の形を押して朱墨で出来上がり図を原寸大に作る本印稿を作成します。黒く塗った印面に、これを見ながら逆字を朱墨で書き込むのです。これを布字と呼びます。こんなことを丁寧にやっていたら彫るまでに何日もかかりますよ。

 ワタシはこれはほとんど無視しております。独学で先生に付くわけでもなし。伝統や基本に忠実というのは勿論大変結構ですが、時間の制約があり手も痛むワタシに、篆刻家志望の若者とおんなじことは出来ません。そこらの白紙に石を置いて鉛筆で周囲を書きなぞったら、大まかな印稿を書きます。出来たらサインペンで上書きします。これを見ながら印面に鉛筆で逆文字を書いていって、良さそうだったらまた、油性サインペンで上をなぞります。朱文も白文もお構いなしで、ペン書きの文字を彫る(白文)か黒い部分を残して彫る(朱文)だけの違いです。さぁ彫ろう、と思い立っておおよそ20分もあればここまでにたどり着きます。

 そんなテキトーな布字なので、その通り忠実に彫る必要もありません。彫っているうちに手が滑って印刀があらぬ方向に進むこともあります。石の材質で線質も変われば彫ってるうちにこうしたらどうだろう、とアイデアも浮かびますので、気持ちの赴くまま自由に彫れればいいと思います。

 印刀も、大半が「目打ち」と呼ばれるニードル・千枚通し状の道具を使います。彫金などに使うものや細密細工用のやすりなど何でも試します。刃物で刻むというより、とがったきりで石を突く、削るというイメージでしょうか。印刀は鋭くきれいな線で彫れますが、「危ない」のでありますな。鋭利なので手許が狂えば即、深い傷を作り大量に出血します。血液サラサラの薬を飲んでいるワタシは、痛いだけでなく流血がなかなかとまらないのです。また、握りが細いので年寄りのもろけた指には優しくないのです。
 手だけでなく石にも鋭く切り込むので、失敗した時のダメージが大きく修復不能で一からやり直すということにもなりかねません。

 テレビの天才外科医の言葉を借りれば「ワタシ 失敗しませんから」。印を早く作るこつは、失敗してやり直すのを無くすことです。一発勝負と思って神経を針先に集中させます。プロは印刀をゴリゴリと一気に動かすようですが、ワタシは1,2ミリずつ進んでは指で拭い、左手の指で針先を抑えながら、常に軌道修正が出来るように慎重に掘り進むようにします。丸でも直線でもきれいな線を出したかったら「定規」を当てて軽く彫り、もう一度しっかりフリーハンドで刻むなどの技も使います(笑) 篆刻のテクニック習得は、先生がいない分、遠回りしているのかもしれないのですが、少なくとも篆刻印一つ彫り上げるスピードは専門家には負けません。

 ずっと自己流で篆刻を学んでいます。ほとんどが「邪道」なのかもしれません。その先生は、試行錯誤と経験を重ねている自分自身です。お手本はヤフオクで集めた先人が彫った篆刻印や、印譜です。書道が「臨書」ならば篆刻は「模刻」であります。彫の素晴らしい中古印や本に載るような名人作の印を真似して印稿を作り、結果その通りのものが彫れれば、彫り方・作り方などはワタシにとってどうでもいいことなんです。

昨日彫った最新作であります。
鳥が飛んでるような、わが巨人のジャビット君が隠れてるような可愛いものでしょ?

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