植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

世界で死屍累々 それでもオリンピックを開く

2021年06月04日 | 時事
 日本が掲げるオリンピックの目標・コンセプト。そのスタートは「東日本大震災からの復興」でありました。おもてなしを謳い文句に開催権を獲得したまではよかったんでしょう。沈滞化して久しい日本経済への起爆剤として、五輪需要を喚起し当て込んだ商売人が舌なめずりしていました。インフラ整備や専用施設建設もそれなりの経済効果があったとは思います。

 しかし、実際に福島がどうなっているかと言えば、地中に潜っていまだに放射能と高温を発し続けている燃料棒の溶け落ちた燃えカス(デブリ)はまだ一片すら取り出していないのです。ということは半永久的な核分裂が絶え間なく起きており、放射能が排出され続けていることを示します。汚染水は保管スペースが拡大する一方、処理能力を超えて海洋投棄が現実味を帯びる中、諸外国からも非難されています。トリチウムが人体にどんな影響を与えるか解明されていません。人体実験したわけでもなし、動物実験をしたからと言って、不都合な結果が出たらそれは闇に葬られるでしょう。まだ、福島原発はなんにも解決していないのです。ただ、除染や復興ビジネスに暴力団が入り込んで、国費が闇に消えているのは以前から指摘されています。

 そしてコロナが広がってパンデミックが起きてやむなく延期。そうしたら「人類がコロナに打ち勝った証し」でオリンピック開催を決行すると言い出しました。どこが?ワクチン接種が国民に行き渡って大はしゃぎしている国はまだ数か国、ほとんどのワクチン後進国は、いまだに感染者が増加し死者が増えてい居るのです。米国が指定したおよそ150の国と地域が「渡航中止の勧告」の対象なのです。更に変異株が次々に発見され感染力が増し、強毒化も懸念されています。専門家は、来年には更に別のワクチンを打つ必要が出てくる、と警告しています。打ち勝ったのは、計画通りに、ワクチン外交・コロナ戦略で着々と世界的な役割を広げ、いち早く経済活動を活発化させた中国だけでしょう。

 すると今度は丸川大臣「五輪で絆を取り戻す」発言がありました。そもそも五輪担当大臣ってなんなんでしょうか。主催は東京都にありなどと無責任発言を繰り返す無駄な存在の大臣です。コロナで分断された人々の間に必要なのはワクチンとお金・日常生活であります。そもそも国際スポーツ大会はおおよそが国別競争、お互いに敵国になるので、絆は出来ませんわね。

 さらに、平井デジ相 「パンデミック下のオリンピックモデル」を構築するですと笑笑。パンデミック下では最もやってはいけない人流を巻き起こす愚挙、歴史上世界最悪のスポーツ大会という「やってはならない」モデルとなる可能性が大です。言い方は下品ですが脳みそが腐りかけた人が多いように見えます。

 選手村にはコンドームが用意され、お酒の持ち込みOKだそうです。理屈は、選手にとって選手村は「自宅」扱いなんですと。何千人もの選手が一つ屋根の下に居てコンドームを何に使うのですか? 大勢の選手たちが宿舎内を行きかうのに、個室でちびちび一人「家飲み」(笑)爆笑。ルールを細かに厳格に定めても治外法権の選手村誰が見張るの? 筋肉を鍛えるだけのスポーツモンスター、世界のいろんな人種が、真に受けてルールに従うと本気で思ってるんでしょうか。

 さすがに尾身先生も聞き分けの無い政府に「パンデミックの状況で開催するのは普通はない 」と公言いたしました。自分は反対したとの立場を明らかにしたのかはわかりませんが、辛抱強く穏やかな方ですね。ワタシだったら、「ふざけんなコノヤロー、二言目には専門家の意見を聞いて決めたと言いながら、自分らの都合のいいことしか言わず、実際はこっちの言い分はシカトかよ」。利用するだけ利用して好き勝手に突っ走る菅政権に、ケツを見せて辞めますね。

 相変わらず菅総理は「安全安心な大会にすれば開催できます」と何百回もオウム返しであります。安心安全な運営方法などだれもわからないのですよ。例によって、何かあっても自分たちの責任ではないという態度をとるでしょう。オリンピックが原因で更に感染者の拡大や死者の増加を招いても「エビデンスが無い」と言って済ませるでしょう。

 直近では今更「『平和の祭典』。一流のアスリートが、スポーツの力で世界に発信をしていく 」んだそうです。人のふんどしであります。香港・台湾問題でもミャンマークーデター、新疆ウィグル自治区人権問題でもなんらはっきりした態度をとらず、我関せずです。ロシアの反体制指導者ナバリヌイ氏が拘束 ベラルーシの反体制家の乗った民間機の強制着陸など、ロシア中国が関係する国際不安や内戦・内乱・人権弾圧どころか、尖閣諸島竹島問題にも目を背けている指導者に「世界平和」を口にする資格はありません。

 国民にはまだ高齢者さえワクチン接種終了のめども立ちません、なのにアフリカへは700億円ほどワクチンを買ってあげましょうと発表したそうです。税金を投じるなら他国を援助する前に、コロナであえぐ納税者・自国民に目を向けるのが筋でしょう。その国民の8割が「オリンピック開催を望まない」のですよ。夢やスポーツの感動・絆、そんなものでお腹は膨れません。医療現場で壮絶な戦いを強いられている人が、オリンピックを見て楽しむゆとりがあるとは到底思えないのです。

 
コメント
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