植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

チョンボしても 罰符は無しか

2020年05月24日 | 時事
もう20年位前に麻雀からは足を洗いました。

 麻雀は、とてもよく出来たゲームで、大人が夢中になるような知的で奥深さに満ちてました。駆け引きしたり心理戦だったり、注意力や確率を基本にしながらも勘と度胸も必要です。ワタシもこんな面白いものはない、とやればやるほど夢中になりました。
 しかし、これはあくまで「賭け」という要素があってこそ、つまりお金がかからないとどうにもつまらないのであります。麻雀を知る人はほとんどみんなそう思っているでしょう。

 学生寮で先輩に教わってから、連日のように深夜まで卓を囲んでいました。戦前に建てられたというその寮は、ポットン便所で、個室の扉に明り取りの大きな穴が空いてました。木造で、階段以外の廊下も板張り、端っこの部屋だけがなぜか床がコンクリートで、ここが麻雀室でした。たばこ(ハイライト)をひっきりなしに吸っては床に落とす、たばこが切れると床からきれいなやつ(マンゴローと呼んでました)を拾ってはまた吸う、でよく徹マンやりました。レートは点5でしたなぁ。

 社会人になってからも、会社の先輩に半ば強制的に誘われてほぼ20年位は付き合わされました。それが、ある時に、ふっと「馬鹿らしい」という思いに襲われました。たばこを吸い、同じ姿勢で腰が痛くなるのを我慢し、ビールと店屋物食べてかけ事をすることの虚しさに気づいたのです。そこからすっぱり手が切れました。メンツも居ないしやりたいとも思いません。事務所には雀卓と牌が置きっぱなしですが(笑)

 大山鳴動して、頭の黒い鼠一匹でありましたな。わざわざ時の政権が閣議決定までして、検事総長の座を確保した(周りがわざと振り込んで断トツだった)のに、オーラスで、自らフリテン・チョンボを連発して一気にハコテンになったようなものでした。あれだけの騒ぎを起こしてなんともお粗末な結果です。麻雀と違って、終わっても当初手にする予定の勝ち金(退職金)だけはなぜかもらえるのがずるいです。

 これだけ突っ込みどころの多い事件は珍しいです。
 検察の№2、次期トップ候補が、法律で禁じられている賭博行為を行ったのは明白でありますが、関係者の事情聴取も捜査もなしで、実質お咎めなしということなのです。上級国民・司法関係者は刑法が及ばないという閣議決定でもあるのでしょうか。
 もし、レートが千点100円(点ピン)なら賭博行為に当たらないのであれば、刑法にそのむね、つけ加えなければなりません。かけ事好きな国民への朗報です、ついでにパチンコも直接玉の交換で現金を貰えるようしたらいい。
 仮に、点ピンであったとしても、現在の麻雀は「やきとり・ドボン」とか、赤牌のドラ・リーチ一発などのチップが加わり、大きくお金が動きます。商社・保険会社・建設など華やかな業種はインフレ麻雀と言われますし、芸能・報道関係はさらに高額となるのは衆知です。一晩賭けマージャンををやれば、10万円くらい動いても不思議はありません。また、月1,2回というのも眉唾、麻雀好きな人は毎日でもやりたいものですよ。
 常習性があって高額の賭け金が動いたのは想像に難くないのです。しかも、わざと負けて貰って車を用意していたという「接待疑惑」があります。公務員の守秘義務を破って、新聞記者に情報を漏らしたのではないかという嫌疑すらあります。贈収賄・機密漏洩違反などの刑事事件になりかねないのです。
 それを、本人からちょっと話を聞き、辞表を受理して、わずか1日で処分(形だけ)し幕引きにするというのは法治国家としてあるまじき行為である、こんな奴に退職金を満額払う、と言うのが国民の怒りを買っているのです。

 道義的に言えば、三密・自粛期間中に「賭け麻雀かよ」とか「首相肝いりで、前例がない超法規的な優遇をしてまでも定年延長させたかったほどの有能な人物がこれなの?」というというのが正直な反応でありますが、ここは法的には責任は問えません。
 しかし、かりそめにも法の番人であり巨悪を許さない特別な立場の人たちが、かくもだらしなく、民間や政府とずぶずぶで、順法精神のかけらもない集団だったということが、実は大問題であろうと思います。国民に法を守れとか、罪を償えとか言えるの?。こういうことが続くと、国民の一人一人に、法律を破っても罰せられないんだ、という意識がどこかに芽生えていくのだと思います。これが法治国家の綻びなのです。

 法務大臣は、どうせぎくしゃく動く操り人形で、総理の言いなりです。強く慰留されたそうですよ。(笑)
 これで辞表を受理しましたから、黒川さんは「民間人」なので、政府・法務相・検察庁ともに、もう関係ありません、と逃げ口上になるでしょうね。

 そういえば、昔麻雀仲間では、負けてくると不機嫌になる人、勝つまでやめない人、勝つとすぐ帰ろうとする人がいましたね。こういう人はだんだん誘われなくなるのですが。
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