植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

書きやすくてお求めやすい筆を探して

2020年05月10日 | 書道
新しい筆が届きました。

今回入手したのは「豊橋筆」で、ワタシが定価で買った新品の筆の中では最も高額で、12千円と1万円の二本です。

 すでに売るほど古い筆を持っております。そのほぼ100%近くが十把一絡げでヤフオクで入手したもので、100本以上となりました。うち半数は、羊毛の特定部位を使った高級和筆であります。特に書道家さんが好んで用いる筆は、その中でも穂先が長い長鋒筆です。5㎝以上もある細くて柔らかな穂先で微妙な筆致を生み出すのでしょうが、中級者としてはなかなか思うにまかせません。

 結局、腰があって穂先がまとまりやすい鼬(イタチ)筆を手にすることになります。鼬筆は、大体高級な羊毛筆の半値から三分の一程度の値段であります。中鋒・短鋒筆が主体で、メンテナンスしやすく、書きやすい初心者向けの筆です。
 価格の違いは、上手に書けるかには比例しません。原料となる毛の希少価値(原料価格)と作業工程の違い、および軸(筆管)の材料によるものだと思います。早い話、羊毛の頂点である細微光鋒は入手困難なので売値も高くなるのですね。で、高く売るためには、穂の根元の継ぎ目を留める「ダルマ」を水牛の角にしたり、軸を班竹にして高級感を出すわけです。従って、書き味や字の巧拙には直接関係しないということです。

 そういうからくりに気づいたワタシは、羊毛筆の高級感と鼬筆の書きやすさを併せ持つ「兼毫」つまり羊毛筆の中心に馬・イタチなどの毛を配したものが、ワタシにはいいのではないかと思ったのです。
 4大名筆の一つ豊橋筆は、練りまぜという技法で制作され滑らかな書き心地が特徴と聞きました。その過程は割愛しますが、専門家の方が愛用し圧倒的なシェアというのだから信頼できます。また、豊橋はもともと「イタチ」の筆が起源であったようです。ですから、鼬を使った日本の筆のパイオニアと言っていいのです。

 すでにある、お気に入りで練習に使う筆数本は、5千円から1万円程度が定価の鼬筆で、おそらくイタチ筆の中ではまずまずの部類ではないかと思います。それと同等の半紙に適した兼毫筆で、練習に励むのがベスト、というのがワタシの導き出した結論でありました。


 これが届いた現物。右のほうは、細光鋒兼毫「崋」、馬と狸毛・天尾(馬の尻尾)に羊毛を混ぜた「楽天ランキング1位」(笑)の商品。
 左は、細光鋒狼毫兼毫「相生」 でイタチと羊毛の混毛です。メーカーさんによると、細光鋒・鼬毛の特徴を生かし、終筆の美しさを出した非常に満足いく筆だそうです。
 (因みに、写真の水差と文鎮もヤフオクで入手した逸品であります。)

 昨日は、前者の筆を使いましたが、弾力が強く通常の筆圧で書くと筆の途中までしか曲がらない位でした。穂先で書く細い線が出やすくなりましたが。かなり癖がある印象です。楷書行書にいいかもしれません。

 これから、後者の鼬との兼毫筆を使ってみたいと思います。「大変好評ですが、きれいに線が出すぎて面白くないと批判が出る」そうであります。ハイ、これは期待大です。筆による変化を求めたい方は羊毛筆などをお選び下さい、とありました。自称中級者としては、論外であります。

 で今書いてみました、書きたてほやほや。

思った通り書きやすいなぁーー。結論、大正解、満足です。

そろそろ筆探しの旅は終わりにせねば

コメント
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