すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【W杯アジア2次予選】点差こそ開いたがシリアは勇敢だった ~シリア 0-5 日本

2023-11-22 02:58:22 | サッカー日本代表
両者の攻防がおもしろい試合だ

 さて問題の敵地でのシリア戦である。2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選の第二戦であるシリア対日本戦は、結局すったもんだの挙句にテレビ中継はなかった。

 また公式にはネット配信も「なし」ということになっていたが……ネットをさ迷っていたらYouTubeでシリアの公営放送らしきものをライブ中継しているのを見つけた。で、それを観させてもらった。

 画面は小さいしコンディションは悪いが、贅沢は言えない。

 日本は初戦のミャンマー戦から9人のスタメンを入れ替えてきた。フォーメーションは4-2-3-1だ。先発したのは、まずGKが鈴木彩艶。最終ラインは右から菅原由勢、谷口彰悟、冨安健洋、伊藤洋輝の並びだ。

 中盤には遠藤航と森田英正のダブルボランチが陣取る。また2列目には右から伊東純也、久保建英、浅野拓磨。そしてワントップは上田綺世だ。一方のシリアは4-1-4-1である。

 このゲーム、日本の選手たちは非常にコンディションがいい。彼らは機敏で実に運動量豊富だ。まるで映像を早送りしたかのようにビシバシ走っていた。プレースピードがとても速い。

 ポゼッション率は日本のほうが圧倒的に高いが、シリアもボールを持たないわけではない。彼らは思ったほど自陣へ引き込むでもなく、日本の攻めに合わせてよく上下動していた。

 シリアはミャンマーのように引きっぱなしじゃない。堂々と日本と殴り合った。彼らは勇敢に戦っていた。ただし日本のほうはゴールを5つ取ったが、シリアは無得点であることが大きな違いだ。

先制点は久保の豪快なゴールだった

 日本の先制点は前半33分だった。久保がボックス外からゴール右に豪快なシュートを決めた。続く37分には左SBの伊藤洋輝がサイドからクロスを入れ、それを逆サイドの伊東が中へ折り返し最後は上田がゴールに叩き込んだ。

 40分にはボールが中央の久保から伊東へと渡り、またもや上田がシュートを決めた。日本は3-0で前半を折り返した。

 後半に入り47分だった。ボックス手前で上田が倒されて迎えた日本のフリーキック。キッカーの久保がヒールでボールを後ろへそらし、受けた菅原が見事な弾丸シュートを決めた。デザインされたFKで4点目だ。

 後半のシリアはけっこうボールを繋いでくる。あの感じだと、おそらくこのグループは日本とシリアが突破を決めるだろう。彼らは1対1もけっこう強い。

シリアは激しくハイプレスでくる

 最終ラインでボールを保持した日本に対し、シリアは激しくハイプレスをかけてくる。戦術的だ。というのもシリア代表のエクトル・クーペル監督は、歴戦の名将なのである。

 彼は現役時代はアルゼンチン代表のセンターバックでならした。90年代後半からはリーガ・エスパニョーラのマヨルカの監督を務めた。

 そして1998-99シーズンにはUEFAカップウィナーズカップに堂々出場し、準決勝でスコットランドのハート・オブ・ミドロシアンFCを破って決勝に進出した。惜しくも決勝ではイタリアのラツィオに敗れたが、その功績は讃えられてしかるべきだろう。

 またこのシーズンのリーグ戦では、FCバルセロナとレアル・マドリードに次いでクラブ史上最高の3位に躍進。翌シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得している。

 続く1999年にはバレンシアの監督に就任。なんと1999-2000シーズン、および2000-01シーズンの2季連続でチャンピオンズリーグの決勝に進出し惜しくも敗れた。以降はイタリアのインテルでも2位や3位を獲ったりしている。

途中出場の細谷が5点目を獲った

 さて試合に戻ろう。日本は65分に上田と浅野が退き、代わって南野拓実と細谷真大が投入された。南野は左サイド、細谷はワントップだ。また75分には久保が引っ込んでMF堂安律が、冨安と交代でDF町田浩樹が出場した。

 日本の5点目は82分だった。左サイドにいた伊東からのクロスを、途中出場の細谷が胸でワントラップし2タッチ目できっちりゴールへ押し込んだ。U-22日本代表から追加招集された細谷がいきなり結果を出した。かくて83分には遠藤に代えて田中碧が投入される。

 そしてタイムアップ。点差こそかなり開いたが、シリアはなかなかいいチームだ。非常におもしろい試合だった。彼らは日本に決してひるむことなく、最後まであきらめず健闘していた。シリアには敬意を表したい。

 日本は2次予選のこのB組で唯一、連勝し、勝ち点を6に積み上げた。フル出場した伊東純也はなんと4アシストだ。また細谷は記念すべき代表初ゴールを決めた。チームはまさに絶好調。次の試合は3月の北朝鮮とのホーム&アウェー2連戦だ。このまま最後まで突っ走ろう。

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