すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

菅が再演する新自由主義の悪夢ふたたび

2020-09-15 06:19:00 | 政治経済
菅の「改革」は滅びの道だ

 菅総理大臣(ともう呼んでいいだろう)が何度も繰り返し行うと言っている「改革」とは、いったい何か? それは新自由主義政策のことだ。

 振り返れば2000年代に「小泉改革」なるワンフレーズを連呼した小泉政権でも、大々的な新自由主義政策が取られた。そして膨大な経済格差と貧困を引き起こしたのは記憶に新しい。

 小泉政権は郵政民営化で外資に貢ぎ、派遣法を拡大させ人々の労働条件を極端に悪化させた。大企業は減税されたが庶民は逆に負担増になり、社会保障は削減された。

 他方、輸入自由化で日本の農業は破壊されて自給率が落ち、また規制が緩和され大型店が進出して町の商店街がシャッター通りになるなど地方経済が冷え込んだ。

自由競争で勝ち組だけが潤う結末に

 こう見てくるとまるで悪夢のような要素ばかりだが、いったい新自由主義とは何者なのか?

 新自由主義とは、基本的に「小さな政府」や「市場の自由化」をめざす考え方だ。たとえば国有化された産業を持ち、公共事業が積極的に行われるような大きな政府をやめる。そして各種産業を民営化し、規制緩和することで市場を活性化しようとする。

 つまり自由に競争し、勝ち残った者だけが人生を謳歌しましょうというスタイルだ。必然的に政府のセーフティーネットは小さく、社会保障が少ない。負けたら終わり。すべては自己責任である。

 過去、新自由主義政策が行われた国々では、自由競争に負けた人々が貧困に陥った。かくて持てる者と持たざる者との格差が広がった。特にアメリカなどでは中間層が喪失し、いまや1%の富裕層と99%の貧困層とに2極化している。

 つまり菅が志向する新自由主義とは、2000年代初めの段階ですでに「失格」の烙印を押された周回遅れの思想なのだ。

 菅にはそんな亡国の政策をやめさせ、さっさと退場してもらうしかない。

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