マッシーパパの遠吠え

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「政府紙幣」って何? 打ち出の小槌!それとも「円天」詐欺のようなもの?

2009-02-10 08:47:09 | Weblog

最近、マスコミでも「政府紙幣」がよく取り上げられる。「読売」の、『政府紙幣発行に向け勉強会、自民・有志議員が発足』とか、『政府紙幣は「異説のたぐい」…財務相も経財相も否定』、『政府紙幣、伊吹氏「マリフアナと同じ」津島氏「円天みたい』など、最近の記事の題字を拾っただけで、またぞろ自民党得意の茶番劇が始まったかと苦笑せざるを得ない。

ひょっとして、この問題を取り上げた一部の有志も、それに反対する政府・与党の幹部発言も出来レースかもよ(?)・・。

ところで、一体、「政府紙幣」論議がなぜ今頃?と思う向きもあるだろうが、そもそも、このての話は景気が悪くなると出てくる夏の怪談話のようなもの。かって、小泉政権下でもデフレ対策の一環として、当時財務省役人の高橋洋一氏が竹中大臣に提案したことがあるという。尤も、竹中氏もそこまで深刻でないと判断してお蔵入りとなったといういわく付きのものだそう(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BF%E5%BA%9C%E7%B4%99%E5%B9%A3)。

そして、100年に1度の非常事態の今こそ、発行するチャンスだと、経済アナリストの森永卓郎氏を始め、マスコミが喧伝しだしたのである。その森永氏の主張するところによると、

通貨供給増による景気対策は、中央銀行の仕事だ。しかし、今の白川日銀総裁は金融緩和に極めて後ろ向き。日銀が金融緩和をしなければ、政府がするしかないのだ。政府紙幣の発行には日銀の量的金融緩和よりメリットがある。日銀の通貨供給では、例えば、国債を購入する代金として日銀券を発行する。購入した国債の金利は、日銀の経費を差し引いた後、最終的に政府に納付金として納められる。通貨発行益だ。しかし、政府紙幣の場合は、発行額を政府の負債とする必要がないから、発行コストを差し引いた全額が政府の造幣益となる。それをそっくりそのまま景気対策に活用できる」という(http://www.nsjournal.jp/column/detail.php?id=135367&ct=1)。

要するに、政府が国債発行で財源を調達すれば、債務として残る上に利子が付くが、政府紙幣を発行すれば、丸々、財政支出が増やせるという。又、その経済効果で、景気と雇用が甦り、赤字国債も増税も必要ないというマジックのような話なのだ。

実はこの理論の元祖はノーベル賞受賞者のスティグリッツとかで、日本では丹羽春喜とか言う学者が主張しだしたと聞く。その丹羽先生の論によると、

そんなことが許されるのは、日本経済のデフレ・ギャップが大きいからである。つまり、生産能力と需要のギャップが大きく、その乖離分の範囲なら、いくら貨幣が流通してもハイパーインフレにはならない。そして、その額は400兆~500兆円もあり、極端には政府の発行する紙幣で、国の借金の返済(国債の返還)も可能だ」とか。

いくら経済に弱いマッシーパパでも、そんなうまい話があるのかと、疑問がわく。確かに、政府も貨幣を発行することができるのは承知しているが、それは小額貨幣か記念貨幣だけ。金がないからと、政府でも印刷機で刷ると何か変。

又、日銀券(紙幣)だって、意味なく刷っているわけはなく、確か国債等が担保になって市中通貨量がコントロールされているはず。

とすれば、政府が勝手に発行すれば、そのバランスは崩れる。しかも、一度禁断の実を食ってしまえば、息吹氏の言うようにマリファナを吸うようなもので歯止めが効かなくなるのでないか・・。と思うのだ。

だからこそ、白川日銀総裁も、「(政府紙幣発行は)日銀による金融市場のコントロールが円滑に行えなくなるほか、長期金利が急上昇する恐れがある」など、「弊害が大きい」と指摘したのだろう(http://news.tbs.co.jp/20090203/newseye/tbs_newseye4053952.html)。

閑話休題。話は変わるが、8日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」で、この問題が取り上げられ、問題の提唱者・丹羽先生が番組に招かれていた。そして、パネラーは全面賛成派の三宅久之高橋洋一、「25兆円までの発行なら賛成」の宮崎哲弥、同じく、「ちゃんとした政府ができたら」の条件的賛成の勝谷誠彦。一方、唯一反対した江口克彦氏と経済に弱いという金 美齢、桂ざこば、奥野史子の面々。

そして、始まったのが、ゲストの丹羽先生の持論の「打ち出の小槌」論。そのしゃべくりは理路整然どころか、脱線あるいは、オチャラカして、なんとも危ない語り口。

挙句に、論客ぞろいのパネラーに、「所詮、机上の空論では?」と問われて、「ハイ、そうでう」と言い出す始末。しかも、「古い理論で今は言いません」と仰天発言なのだ。ナンじゃこりゃ!と、目が天になったころで、先生が、「実は私には秘策がある」と、もったいぶって、説明しだしたのが、

10年間でGDPを2倍に所得も2倍にする方法」で、まず、「政府紙幣」を発行する→ほったらかしの政策を実行→日本の景気がよくなる→海外からカネが集まる→ものすごい円高→日本政府が外国債を購入→その外債を日本の国債償還と等価交換をする→国の借金800兆円が10年間で半分になる→経済が高度成長→財政再建ができる」というシナリオ・・。

ま~、これを聞いただけで、この先生、ホントに大学教授!?、どこに、秘策があるというのか? どこが「机上の空論」と違うのか、ちっともわからない。

又、肝心の政府紙幣を発行するだけで景気がなぜよくなるのかの説明も何もない。そして、同時世界不況のさなかに、もし実施すれば、世界で始めてのこと。そんな未曾有の政策に、外人投資家が安心して資金を日本に移す?あるいは、国債の代わりに、誰が喜んで外債と交換する? あれもこれも「たら、れば」話じゃん!

と思っていたら、同じ疑問を持つパネラーから「夢のような話ですね?」と突込みが出た。そしたら、な、なんと件の先生「ハイ、夢です」って。

この人、ホントに学者さん?と疑いだしたそのとき、たかじんがスタジオのお客さんの方に歩み寄って、「こちら側(パネラーの反対側)の人だけにいうが、学者も色々あるね」だって・・。

きっと、このテーマ、ホントにくだらない話とわかっていたのはたかじんかも!?・・。でも気になるのは、「今のところ、とてもそんな段階ではない」と答えた麻生閣下の真意。もしかして「そんな段階」になったら禁断の木の実でも食べるとでもいうのだろうか!?・・。

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