マッシーパパの遠吠え

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「円天」詐欺 国にも責任の一端がある!?

2009-02-08 09:44:37 | Weblog

「エル・アンド・ジー(L&G)」の波和二会長(75)や幹部ら計22人が「赤字状態」を認識した06年以降も金をだまし取り続けたとして5日、組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕された。

そもそも、事件は07年1月、同社が事業の行き詰まりから、会員に出資金の「現金配当を円天に切り替える」「2008年2月まで解約に応じない」と通知。それに不信を持った会員が返金を求めて提訴。同年10月、出資法違反で被害届けの出ている都と県警による強制捜索を受けたことより始まった(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%86%E5%A4%A9)。

そして、捜索から立件まで実に、1年4ヶ月の長きに亘っっているのである。それはこの一味がマルチ商法、ねずみ講のプロ集団、なかんずく波会長は78年にも別のマルチ商法で逮捕されたこともあり、犯罪に精通(?)していることが(立件を)てこずらせたようだ。だからか、今回の逮捕にもよほど自信があるのか、仲間内で口裏あわせを周到にして臨んだという。

その辺の事情を北海道大経済学部の「西部ゼミ」のブログが明快に説明しているので引用させてもらうことにする。

いわく、①預託してある円貨と同じだけの円天(会の中だけに通用する擬似通貨)を配当するので法律上は「利子・配当」とみなされない可能性がある。又、円天が前払証票(商品券)の継続的購買とみなされれば、出資違反ともいえない。

②即ち、当初,検察側は出資法違反(3年以下の懲役、又は300万円以下の罰金)容疑で家宅捜索したが、結果として,組織犯罪処罰法違反(1年以上、10年以下の懲役)容疑ということはこれだけ時間をかけても、出資法違反で立件するのをあきらめたということかも。

③他方,ネズミ講やマルチ商法などいわゆる無限連鎖講の防止に関する法律違反(3年以下の懲役、又は300万円以下の罰金)に関しても、円の出資金が無限に増えるのではないからネズミ講ではないと主張されるとうまくいかない恐れもある等々(http://cc.econ.hokudai.ac.jp/~seminar/?p=643)。

ま~、事件の背景と検察が立件にてこずったのはこれでよくわかったけど、マッシーパパにはそれでも何か吹っ切れないものがある。というのは、この事件の裏に重要な役割を演じた脇役がいることである。

そのひとつは、①30人の歌手やタレントが、同社の新規会員獲得などを目的に開いたイベントに参加していた事実。いわゆる広告塔として多くの会員を集め、円天の組織的詐欺に一役買っていることだ。

たとえ知らずに参加したといえ、この種のマルチのイベントに顔を出すということは、少なくとも道義的責任がある。このことは、07年に細川たかしがNPO法人あかりが主催するコンサート等の出演について、『NHK紅白歌合戦』出場を辞退したことからも明らかである。然るに、ほかにもぞろぞろいて、中には返還要求の声に耳も貸さないのがいるようだ。たとえば、

462万円を受け取っていた歌手の水前寺清子さんの事務所は毎日新聞の取材に、「L&Gや円天市場を宣伝するなどはしていないため、返還は考えていない」と回答。700万円を受け取っていた歌手の松崎しげるさんの事務所は「NPO主催でそうそうたるメンバーが参加していたので、問題ないと思っていたが誠に残念。返還は検討中』と「毎日」は報じる(http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090207k0000m040151000c.html)。

次に、②タレントを集めイベントを主催したという、NPO法人あかり研究所こそ、このマルチ商法の隠れ蓑。そして、権威付けに多大の役割を果たしているのである。即ち、NPO(特定非営利活動法人)は名が体を表すように、この冠が付いているだけで、誰でも特定の公益的・非営利活動を行う団体と認識するのである。だからこそ、波会長も社員にこの名刺を持たせて勧誘させていたという。

そして、市民もこれに胡散臭さを感じ内閣府国民生活局 に訴えているが、どうやら、お役所流のチンタラで対応、迅速な行政指導が得られなかったようだ(http://www.npo-homepage.go.jp/information/request_190420.html)。

ここにもNPO認可と認可後の監督不行き届き(?)が見られるのである。農水省といい、お役所はとにかく、行政指導が下手、いつも後手に回る。そして、その結果がこのような犯罪のベテランに付け上がられる隙を与えるのである。

さらに、今ひとつは③検察捜査の異常なまでの遅れ。勿論、世の中がグローバル化、且つ複雑化して、事件の解明に時間がかかるようになったのは間違いない事実であろう。だが、原因はそれだけだろうか。もっと、深刻なものが他にないだろうか。

つまり、犯罪の件数が急増し、その検挙数もH11年の100万人からH19年118万人、138万件に増加していること(http://www.moj.go.jp/HOUSO/hakusho2.html)。一方、立件に当たる検察官はH11年の2201人(うち検事1278人)からH18年2490人(同1581人)と微増(http://www.moj.go.jp/TOUKEI/18HOMUNENKAN/05_tokubetu.pdf)。万年検事不足に悩んでいることと無縁でないと思うのである。

このことは、中嶋博行著「検察捜査」(講談社)の中にも、司法試験に合格したものが一堂に集められ実務を研修するいわゆる司法修正生の分捕り合戦で検察が遅れをとる話が出てくる。それほど、法曹の卵でさえ検事を敬遠し、弁護士に流れるのだとか。

いや、卵だけでなく、中堅、ベテランでも給与が低く、仕事におわれるばかりで、恵まれないと弁護士に転進(ヤメ検)するのである。

その結果が、このような「円天」詐欺にも影響が出てくるので、これもいわば、課題を放置した国家の不作為である。即ち、07年に捜索されいち早く、逮捕されていれば、かなりの人が詐欺にあわずに済んだのではないだろうか。

それを思うと、マッシーパパはこの事件を国家犯罪(ほう助罪)と言っても言い過ぎでないとさえ思っている。そして、検察官を増やさないのは、彼らが多ければ多いほど、国会議員の犯罪がばれやすくなると敢えて、目をつぶっている政治家たちの深謀遠慮(?)ではと、うがった見方すらできるのである。野党の誰でもいいから、この辺を追及してくれないかな!・・。

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