世界の街角

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村田製作所に死角はないのか?・#5

2019-07-12 07:11:18 | 村田製作所とTDK

1990年代末から2000年代初頭にかけて暗黒の時代が覆った。自由で能力の発揮できる環境に戻したのは、村田恒夫会長兼社長以下の経営トップの努力以外の何物でもない。その様子は日経ビジネス6月3日号に詳しいので、ここでは省略する。

会長兼社長を”よいしょ”するつもりは毛頭ないが、今日社員から慕われるのは、現場の叩き上げの苦労をしてきたことがベースとなっている。(株)福井村田製作所のMLCC製造部の製造技術課長時代の苦労は並大抵ではなかってであろうと想像する。先にも記述したようにMLCCは擦り合わせ技術以外のなにものでもない。前回こうだったから、今回もこのような製造条件で行けるであろうなどと生易しいものではない。更には周囲の管理職連中は猛者だらけで、罵声のごとき言葉も浴びたに違いない。猛者は創業者の3男であろうことに意を介さないのである。

日経ビジネスには、某製造現場で作業服姿で、製造現場の説明を受けている写真が掲載されていた。1兆5000億円以上を売り上げる会社の会長兼社長が、作業服で現場に入ることなど、他の大会社にあるのか?・・・謙虚で偉ぶらないのが人気の根源である。

毎年、最低1回は国内外の事業所回りを行っており、経営トップ層に共通である。経営会議や役員会で全員の話しのベースが共通であるのは結構なことである。

2015年、たまたまチェンマイでロングステー中に、社長の出張があるというので空港まで顔を見にいった。5年振りである。写真右は当時の常務執行役員で、現在は退任しているので顔は伏せた。たまたまはかさなるのか、井上専務執行役員も出張とのことで、これも顔をみに空港で面会した。

この2人はまさにキーパーソンで、役員在任中に危機に陥ることはないであろう。

とりとめのない話しを記述してきたが、当面命取りになるような死角はみられない。しかし危惧することは沢山ある。

1.2兆円との売り上げ目標が独り歩きしないこと・・・売上第一に陥ると、足元が見えなくなり、これくらいは納入してもOKとの品質二の次に陥る。常にものつくりの原点・・・原点管理を見つめ直す必要あり。特に車載向けの部品が増加した、品質問題は人命にかかわり命取りとなる。

2.ダボハゼのごとく買収した企業の商品をいち早く我が物に出来るのかどうか。あわせて買収企業の幹部社員にmuRataの創業の精神が理解できているのか。

3.回復した自由な雰囲気を次の世代も維持できるのか。

4.次期社長の出来や如何。

以上、5回に渡った連載を終了する。最後にどうでもよいが、株価をもっと上げて欲しい。

 

<了>

 

 

 

 


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