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サンカンペーン陶磁の新事実

2015-02-22 10:17:53 | サンカンペーン陶磁

 何度も紹介したBKK大学付属Southeast Asian Ceramics Museumで見聞きして、驚いたのは新事実である。いや正確に云えば周知の事実であったかと思われるが、当該ブロガーにとっては、思いもしない(つまり無知ということだが)新事実であった。
 訪問当日は、学芸員のMr.Burinに博物館内を説明してもらった。中世の南海交易を示すパネルを背にして、向かって左が学芸員氏であるが、このパネルの前方(写真後方)に沈船遺物を再現したコーナーがある。


 下の写真がそうで、時代別に3区分されている。1番目は1380-1430年(明初期)、2番目は1488-1505年、3番目は1520-1560年である。砂の上に時代区分に依った陶磁が、当時の様子を再現して展示してある。
 ここで、新発見と云うのは、1番目の展示で1380-1430年という時代区分を更に2つに小分類(1368年ー1400年と1400年ー1425年:尚、編年についての詳細な説明がないため、編年根拠は不明)した中の前期である。


 そこには何と、シーサッチャナラーイすなわちモン陶とサンカンペーン陶磁が、安南陶磁と中国青磁、褐釉陶と共に発見された・・・と説明されている。どこの海底との言及がないので、当該ブログではこれ以上紹介できないのが残念である。
 これは先にも言及したように、当該ブロガーにとっては初耳で、サンカンペーン陶磁の従来説は、”北タイ領域のみを販路としていた”・・・と云うのが定説であった。それが一転モン陶と共に発見されたとある。
 つまりモン陶とサンカンペーン陶は同時代ということになる。モン陶が古様を示すことから、サンカンペーンは時代が下るものと確信していたが、音を立てて崩れてしまった。
 ランナーとスコータイとの戦乱時、シーサッチャナラーイやスコータイの陶工が捕虜になり、ランナーにつれてこられたとの、史実の裏付けのない、まことしやかな論説に惑わされためんもあるが、沈船の事実はサンカンペーン創業に関し、再考を迫るものである。

 尚、今回の事実を詳細に確認しようと思えば、サタヒップの国立海洋博物館を見学すればよいが、何分遠方であり実現していない。




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