<続き>
昨日に続き埴輪を紹介する。今回は家形埴輪で時代は6世紀、いずれも重要文化財に指定されている。
屋根には堅魚木(かつおぎ)が載る。残念だが千木は見ない。戸口が一段高いところに設けられている。夏季の瘴癘による毒蛇や害虫の侵入を防ぐためであろう。
銅鏡の文様に出てくる屋根構造をもつ埴輪で、入り口は上の埴輪同様に一段高い位置に設けれている。
実は、この構造の家屋は、東南アジアでは現存し、山岳少数民族の住居として現在も用いられている。
これは、ハノイ国立民族学博物館に移築されているハニ族(中国、ベトナムでハニ族と呼び、タイではアカ族と呼ぶ)住居である。アカ族の住居は、周辺の少数民族の影響を受け、多少変質しているが、ハニ族は山の中腹に住み、山勢に依って村寨を建てる。家屋は石で基礎を作り、土壁を用いる。
上の家形埴輪を人間が住める大きさにすると、上写真のハニ族住居になると云っても過言ではないように極似している。
弥生時代から古墳時代にかけて、高床式住居や上述の埴輪形状の住居は、東アジア・東南アジアにかけてのワールド・スタンダードであったろうと思えてくる。
蓋形埴輪は、中国・漢代とある、とすれば朝鮮半島経由であろう。吉野ヶ里では更に大型の蓋形埴輪を見ることができる。
<続く>