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網創漠蓄

網(ネット)上で、創作物などを、漠然と、蓄えていこうとするページです。

エカテリーナ

2008-03-20 09:51:47 | 社会・地理・歴史
Екатерина
スラブ語圏の女性名で、ロシア語の影響のある地域でも使われる。

イェカティェリーナ・イカティリーナ・エカチェリーナ・・・
のように表記されることもある。
短縮形として カチューシャ(Катюша)、カーチャ(Катя)等がある。

ギリシャの女性名、アイカテリネ(Αἰκατερίνη:Aikaterínē)が語源だが、
この語義が不詳で由来には諸説あり、
純潔、清らかな が語源とも
女神ヘカテーに由来するとも言われ、
他にも「あなたの名前の聖別」を意味するコプト語由来説等がある。

また、キリスト教の殉教者アレクサンドリアのカタリナから聖人名としても使われる。

この名がラテン語に翻訳される際、「純粋」を意味する
カタロス(καθαρός:katharós)と混同されたため、
規則通りのCaterinaではなくCatharinaというスペルになった。

ロシア語などでもこちらに由来する「Катерина」も使われる。
他の各国語では、
フランス語:カトリーヌ(Catherine)
スペイン語:カタリナ(Catalina)
英語:キャサリン(Catherine, Katherine…)


英語圏の短縮形としてはケイト(Kate)、キャシー(Cathy)、キャディ(Kady)、
キティ(Kitty)等がある。
オランダ語由来のカレン(Karen)もよく使われ、これは日本語の女性名にもなった。

ちなみにラテン文字転写するときには、通常「Ekaterina」となるが、
(ロシア語では「ツァ」行の音を表すのにCを使う)
言語によってはルーマニア語やラテン語などのように「K」を通常使わない言語があるため、
「Ecaterina」となることもある。

ヴァルカン

2008-03-15 17:48:28 | 社会・地理・歴史
Vulcan
ローマ神話のウルカヌス(Vulcanus)の英語読みで、
ギリシア神話のヘパイストス(‘Ήφαιστος)と同一視され、炎と鍛冶の神。
英語の「volcano(火山)」の語源といわれる

水星の更に内側に軌道を持つとされる惑星の名前に使われたこともある。

またアメリカ軍などが使うGE社の20mmガトリング砲 M61の製品名として使われたことから、
日本においては機関砲、機関銃などの連射砲を表すことが多い。

バルカン半島は「Balkan」で別の単語。

アルボル

2008-03-08 23:32:47 | 社会・地理・歴史
Albor
スペイン語で「夜明け」、あるいは「暁」という意味。
ラテン語で「白」を意味する「albus, -a, -um」が由来で、
詩語で「白さ」となることもある。
この名を冠するワインなどもある。

カタカナにすると同じだが、同じスペイン語に
「Arbol」という単語もあり、こちらは「木」という意味で、
ラテン語の「arbor, arboris(木)」が由来。

ちなみにどちらも人名として使われている。

テンペ

2008-02-16 22:14:54 | 社会・地理・歴史
Τεμπη(現代ギリシャ語の発音ではTempi)
ギリシャのテッサリアにある地名で、主にテンペ峡谷が知られている。

テンペ峡谷は観光地であるとともにテッサリアの要地でもあり、
古代ギリシャの幾度かの戦争で名前が出てくる。

ペルシア戦争ではギリシア諸都市がテッサリアの親ペルシア派を威嚇するため、
テンペ峡谷に約1万の兵を派遣した。ただしマケドニア王アレクサンドロス1世の使者に
ペルシア軍の強大さを説かれて撤退、見放されたテッサリアはペルシア側についた。

第一次マケドニア戦争ではマケドニア王ピリッポス5世が南進時に守備隊を置き、

第2次マケドニア戦争では同じくピリッポス5世がキュノスケファライの戦いで敗れた後
テンペまで逃げ、そこで休戦条約を結んだ

テンペという地名はアメリカのアリゾナ州にもある。

また火星の地名、テンペ・テラ(Tempe Terra)の名前の由来となった。
Terraは英語では「テラ」と読むが、
ラテン語では「テルラ」と読み、土地・地球という意味。

オスティア

2008-02-08 16:17:03 | 社会・地理・歴史
オスティア(Ostia)はイタリア、ローマ市内の地区。
古代ローマの港町オスティアとは別で、
そちらはオスティア・アンティカと呼ばれる遺跡になっている。

古代ローマのオスティアの発祥は紀元前四世紀といわれ、
恐らくはローマの最初の植民地であったであろうといわれている。
ティレニア海沿いにある古代ローマの港町として栄えた。
最盛期には人口10万人近い大都市となったが、
テヴェレ川による堆積により、海岸線から離れ内陸となり、
さらに氾濫で砂に埋まってしまう。

19世紀の発掘によりオスティア・アンティカ遺跡として観光地になっている。

ちなみに「ostiary」という、かつてのカトリックの最下位の聖職があり、
意味は「守門・門番」

ニャンドマ

2008-01-31 16:02:14 | 社会・地理・歴史
Няндома・Nyandoma
ロシアのアルハンゲリスク州にある地名で、
州中央部にある波状台地ニャンドマ高地、
またニャンドマ市(1898年設立・人口約2万2千)の名がある。

ロシア語版Wikipediaによると、
「ニャンドマ」の地名はこの地を流れる川から受け、
フィン・ウゴル語派(ここを見る限りネネツ語かコミ語?)の言葉で
「肥沃な土地」という意味になる。
(備考:フィンランド語に「maa:地球、地面、土地」という単語が有る)

英語版Wikipediaによると、
ニャンドマ市は州都アルハンゲリスクから南へ342kmにあり、
北緯61°39′57″、東経40°11′49″に位置する。
コノシャ-アルハンゲリスク間の鉄道に
1896年にニャンドマ駅が設置され、
1939年に市制が施行された。

ニャンドマ銀行と言うものもあったが、
1999年9月に州内の第一航行銀行により合併された。

現地の発音では「ニャーンダマ」に近い。
これは「о」の音が弱化してシュアー「ə」になるため。

グラニクス

2008-01-28 16:07:48 | 社会・地理・歴史
グラニクス(Granicus)はラテン語(O型格変化)・英語表記。
日本語ではほとんどの場合ギリシャ語音をとり、
グラニコス(Γρανικος)と表記される。(O曲用 または 第2曲用)

アナトリア半島(小アジア)にある古地名で、現トルコ領。
現在の地名は、ビガで、ビガ半島には有名なトロイの遺跡があるが、
一般的には「グラニコスの戦い」が行われた古戦場として知られる。
(「ビガ」のリンク先にある「Çayı」はトルコ語で「川」、
「Kocabaş」は「コヂャバシュ」と読む。)

「グラニコスの戦い」は、紀元前334年に
アレクサンドロス3世(アレクサンダー)(大王)が率いるマケドニア王国の遠征軍と
アケメネス朝ペルシアの軍勢との間で行われた会戦である。
アレクサンドロス大王の東征最初の戦いとなった。
遠征軍はギリシア・マケドニア連合軍約2万、
ペルシア軍は約4万と伝えられている。