ぼくは若い頃長渕剛の歌が好きだった。しかし今は嫌いである。人を非難して自分を浮き上がらそうとする小心者の傲慢さが見えるからだ。最近は特に年齢にそぐわない筋肉を誇示し、これはとりもなおさずコンプレックスの裏返しである。矢沢も長渕もコンプレックスをバネにハングリーからBIGを目指した。歌のジャンルは違うがその点では共通している。長渕の歌は社会批判や反骨精神があって好きだった。しかし次第に人間的魅力はなくなってしまった。以前さんまとのトークでは初めからさんまに絡むような人を小ばかにしたような態度を見て愕然としてしまった。その点矢沢は段違いに「人間力」がある。先日NHKの若者とのトークでも若者の悩みに真剣に耳を傾け、その若者たちが感動して涙を流すような受け答えをしていた。人間はどう生きてきたかで、人間の魅力に格段の差が出てくるものだ。ぼくは仕事上、世に経営者と言われる人に、上は財界人、下は三ちゃん経営と言われる人にまで何千人と会ってきた。しかし、社長と言われる人はその会社の規模に関わらず何か魅力を備えている。ところが大企業でも副社長以下は人間的魅力という点でどうしても社長より劣るのである。これはどうしてなのか。理由は社長の場合は逃げ道のないところに常に立っているから人間が磨かれるのである。常に孤独との闘いの中で、判断・決断力を行使しなければならない。ところが副社長以下は「うちの社長がダメなんだよ」と仲間内で社長批判していつも逃げているから人間が磨かれないのである。ぼくは子供がまだ幼い頃「良い人は自分の責任ですと言える人。悪い人は人のせいにする人」と張り紙をしたことがある。一流人は自分に厳しく他人には優しい。二流人は人を批判することによって自分の正しさを立証しようとする。「人間力」が高い一流人というのは、やはり自分の「理想」を真摯に求道していくピュアなところから磨かれていく。同じハングリーからBIGを目指した矢沢と長渕には、そこで大きな差が生まれてしまったようだ。勿論こう偉そうに批評するぼくはかなりの二流人だが(笑)・・。
追記・訂正(2016年1月)
上記の文面は7年前に書いたものだが、未だにアクセスが多いので、少し現段階で訂正します。
「人間は変わり得るもの」
この言葉は青年期だけと思っていましたが、この文面を書いた51才の長淵さんと、今年59才になった長淵さんとはずいぶん違ってこられました。
富士山麓で10万人ライブをこなした長淵さんは、若者にも若者目線で話し合える人になられました。
「まっすぐに」
アクの強さは変わりませんが、人間的魅力が増したようです。font>
追記・訂正(2016年1月)
上記の文面は7年前に書いたものだが、未だにアクセスが多いので、少し現段階で訂正します。
「人間は変わり得るもの」
この言葉は青年期だけと思っていましたが、この文面を書いた51才の長淵さんと、今年59才になった長淵さんとはずいぶん違ってこられました。
富士山麓で10万人ライブをこなした長淵さんは、若者にも若者目線で話し合える人になられました。
「まっすぐに」
アクの強さは変わりませんが、人間的魅力が増したようです。font>
どうして私は矢沢永吉が大好きなのに長渕剛は苦手なのだろうと。
貴方の考察で理由が分かった気がします。
矢沢永吉は一見威張って大口叩いているようで、実はとても正直で「小心者であること」を隠さない。
誰に対しても奢らず、威張らず、遜らず、そして軽くいなさず常に本気で語る。
長渕も同じくらい才能と度胸があるはずなのに虚勢を張っています。自分を大きく見せようとする。
その一歩の差がどうしても歌に出てしまう。
矢沢と長渕のファン層の違い、これがわかるとかなり面白いと思います。私思うに、両人とも学校では茶髪でリーゼントといったような姿で歩く(歩いていた、or歩きたかった?)膨大な数の大人たちを多くファンに抱えているように思いますが、矢沢のファンは番長タイプ、長渕のファンはパシリタイプに大きく分けられるかと・・・憶測で物事語ってはいけませんがw
矢沢はてっぺんとった感が歌やしぐさからも伝わってきますが、長渕はまだその湧きおこってくる何か熱い執念というか、彼にしかわからない光を求めて上へ上へと自分をつきあげたいんでしょう・・・
あの黒光りする筋肉は物質的にその感情をおさめるための一助になっているのかと。
長渕剛が93年に出したCaptain of the ship
ご存知ですよね?
桜島で歌う姿など見ると、丸くなったなという言葉は彼には最後までかけることができないのではないかと思えてきます
それを本人も認識していると思います。
その証拠に自分自身の情けなさ、愚かさを強調した歌詞の唄もいっぱいありますしね。
彼はシンガソングライターで、矢沢のような歌詞が作れない”自称メロディメーカー”ではありませんから。
さらに言うと長渕はフォーク、矢沢はロック。
全くジャンルが違いますね。
三流の人というのはやっぱり比較したがるんですかねぇ(苦笑)
>しかし今は嫌いである。
>人を非難して自分を浮き上がらそうとする小心者の傲慢さが見えるからだ。
1年後。
>その後長淵は東北で復興コンサートをしました。
>ぼくは矢沢も長淵も大好きです。
すごい手の平の返し方ですね。
二枚舌野郎と命名させてください。