テレビ・新聞などの大手マスミは本来常に新しいニュースを追っかける、先取り精神を生命線とする。それだけに時代に敏感でなければならない。ところが世の中「革命」が興り、民主党政権に代わったというのに、マスコミの連中は、ぜんぜん頭の切り替えがなされていないようだ。例えばテレビでは相変わらず小泉自民党政権の権化である「塩ジイ」をコメンテイターとして使って、民主党内閣の動向にトンチンカンな発言をさせているし、自民党総裁選挙で谷垣新総裁になると、絵になるからと、一年生議員の小泉進次郎にコメントを求めて「世代交代を求めていました」などと生意気な発言を取り上げている。また鳩山首相の温室ガス25%削減宣言でも、小池元環境相に意見を求め「25%は不可能です」と言わしめている。小池が環境相時代に出来なかったことが「出来る」とでもコメントするとでも思ったのだろうか。始めから「出来ない」というコメントを貰いに行ったのである。このようにテレビ記者の取材先がちっとも自民党政権時代と変わらず、マスコミ自体の保守体質が浮き彫りになって実に見苦しい。今日の朝日新聞の社説では借金返済猶予に関して「亀井大臣に再考を求める」と銀行を弁護する内容になっている。亀井大臣は「銀行が金融危機で公的資金を導入して助けてやったのに、今度は借り手の中小企業や個人を助けることだ」という論法で借金返済猶予を打ち出したわけだが、社説では「銀行側にも至らぬ面はあるだろう。だがそれを正すには手段や手順を総合的に検討することが大事だ」と、なにやら役人のような文章で銀行を弁護し、「亀井氏にはもっと取り組むべきことがあるはずだ」と結んでいる。この急場に困っていることを考えれば、中小企業や個人貸し出し猶予については、その間利子さえ払うようにすれば、不良債権として焦げ付きにはならないはずであり、数年間で立ち直れるチャンスにもなり、私は支持している。しかし自民党政権時代のように相変わらず自由経済一点張りで朝日新聞は銀行の肩を持っている。国民の一票によって政権が代わっても、このようにマスコミの体質は実に時代に鈍感で、今だ旧態依然としている。先駆けのマスコミはもっと時代に敏感でなければならない。
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