新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

それでも貴方は自由民主党を支持しますか

2024-04-29 07:41:07 | コラム
岸田文雄総理/総裁の下に:

私は政治というか岸田政権を論じる時の材料は、一部の週刊誌とマスコミ報道が伝えてくれている事柄に基づいている。それ以上でも以下でもない。その結果では、ここに取り上げるように岸田政権にとっての良い材料は少ないのである。決して偏見のつもりではないと自負している。

共同通信社の久江雅彦氏は「それでも、岸田さんは鈍感力で切り抜けられるだろう」と予測していた。これは「三つの補選を全部落としたとしてもという場合でも」という仮定?の話だった。

現在の岸田政権と自由民党には、私に考えられるだけでも下記のような悪材料が揃ってしまっている。その最中にあって折悪しく補選なのだから岸田総理/総裁もさぞや辛い思いをされているだろうとは推測していた。順序不同で上げてみれば、

*収支報告書不記載問題(=?裏金問題):
岸田総理の対応の仕方を見ていると「これは安倍派が巻き起こした彼等が責任を負うべき事案であり、当方にとってはとんでもない『とばっちり』の事案である。故に安倍派を厳しく処分した」という意図が見えるの。だが、現実には内閣と党内の対応が不行き届きで総理の統治能力が疑問視され、支持率の一層の低下を招いた。

*政治資金規正法の改正:
何時まで経っても自由民主党から改正案が出てこないことが、野党とマスコミ連合軍に格好の攻撃材料を与えた結果となってしまった。即ち「自分たちが犯した失敗(失態)の後始末となる改正案すら直ちに出来ないのか。自浄能力に疑問が」と言われても、反論できていないのだ。それでは「国民の政治への信頼を取り戻す」との総理の謳い文句は空念仏化したのではないか。

*物価上昇対策:
打たれた積もりかも知れないが、実態は「止めどない物価の上昇となって家計圧迫の悪材料となり続けている」状態。これでは、国民の不信感を増幅させるだけで、支持率の下降を止められなかった材料になったのでは。

*円安:
遂にというか何というか、昨日辺りでは何年振りか知らないが、¥158にまで安くなった。TBSの松原耕二は「円安ではなく円弱だ」とまで言っていた。この辺りは財務省と日本銀行が如何なる対策を採っておられても、連日のようにマスコミが「安くなった。安くなった」と危機感(何処がどのように危機なのかの具体論は述べずに)を煽れば、岸田政権のfaultのように響くだろう。

当方は「ドルは何処まで上がろうと下がろうと、アメリカドルである事は変わらない対日輸出企業所属だった」ので実害はなかった立場にいた。だが、その変動が輸入者にどれ程影響するかは十二分に知り得るだけの経験してきた。単なる思い出だが、1985年10月にアメリカで交通の貰い事故に遭った際の保険金を受け取った時の為替レートは¥220~200だった。それも「円安だ」という騒ぎがあった記憶はない。

*増税:
「増税メガネ」と揶揄され、「財務省のポチ」とまで罵る筋もある。物価高が先か増税が先か知らない。だが、折角総理としては良い施策を打たれたつもりでも殆どが増税か国民負担の増加を伴うのでは、人気上昇には結びついていかなかった。

今年の6月には総理の肝いりの実質的減税が実行されるようだが、それに期待する声が上がっているのだろうか。田崎史郎氏は「総理は良いことをやっておられるのだと自負しておられ、理解されないのは何故かと受け止めておられる」と指摘していた。この辺りを久江氏は「鈍感力」と言ったようだが、当方は「総理は見解の違いであり、自分は鈍感なのではない」と確信されているように感じている。

*外交が票になるのか?:
先日のアメリカへの国賓待遇の外遊では、バイデン大統領との親交を深められ、議会では立派な英語で見事な演説をしてこられた。私は単純に「英語がお上手だな」と感心していた。全国民が「流石、我らの岸田さんは立派だった」と拍手喝采して支持率を高めても良かった業績だろうとは思う。だが、それほど補選の票には結びついていなかった様子なのは、矢張り「外交は票にならない」という原則通りだったのかと思わせられている。

現在の不安定化が進む国際情勢下では、アメリカとの関係を深化させ、強化することは必要不可欠である。それでも「アメリカに行っている場合か」のような声も上がっていたとかだ。田崎史郎氏の言を待つまでもなく、総理は懸命に努めておられると見るべきではないのか。

*纏まりを欠いているかのような自由民主党の内部:
収支報告書不記載問題や賄賂の件で辞職した議員が出たことも悪材料だったが、不品行で議員辞職する者まで現れては、不信感が増したのも仕方があるまい。しかも、処分された安倍派の議員の中からは再審議を求める塩谷氏が現れても、宏池会を解散して見せた岸田文雄氏にはお咎め無しでは、不公平が残ってしまった。私は不手際の誹りは免れないと思うし、岸田氏自ら不利な材料を作られたと見ている。

私は「後継者がいない」と言うのは「愚論」だと思う。菅前首相は「岸田じゃ出来ねーよ」と酷評した脂伝えられたが、岸田氏はやってこられたではないか。誰でも、責任がある地位に就けば、その人物の器量なりの実績を挙げるのだ。選んでから能力がどうのと云々しても良いが、後任がいないという説には与しない。

*結び:
これほどの材料を揃えるような岸田批判的な報道をされても、国民は政治を信頼して支持しようとするのだろうか。何時も同じことを言う事になるかも知れないが「岸田さん。貴殿の政治生命の危機だと言われていますよ。奮起して下さい」と言って終わる。