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株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

市場概況(10.3.08)

2008-10-03 15:33:10 | 市場概況
テクニカル用語の簡単解説

ついに11000円割れを演じた10月3日(金)の市場概況です。 赤字部は4日朝更新

・日経先物:OSC38%(-3%)8月5日の35%以来の低さ。底割れ。
・日経平均:OSC30%(-6%)完全なる底割れ。
・日経平均指数値倍率:92(+2)9月24日の83から上昇中(値段は下降)。
・TOPIX:OSC34%(-6%)7月16日の29%以来の低さ。底割れ。
・マザーズ指数:OSC28%(+2%)OSCは反転するも底割れ。
・ヘラクレス指数:OSC29%(-4%)7月17日の28%以来の低さ。底割れ。
・国債先物:OSC35%(同値)51銭高。9月30日の28%から切り返す。
・ドル・円:105.28円(5銭の円高)OSC49%(同値)9月29日の46%から切り返し中。更新
・日経先物イーブニングセッション:10970円(大証終値比+10円)
・シカゴCME日経先物:10920円(大証終値比-40円)更新
・NYダウ:10325ドル(-157ドル)OSC42%(-4%)9月29日の39%に収斂中。既に底抜け。更新

予定通りに、日経平均ノックイン債の標的である10958円をノックアウトしました。今頃、欧米投資銀行の残党達は祝杯をあげていることでしょう。

日経平均が18000円位の時に、勧められるまま日経平均がこの値段まで落ちない限り元本保証の高利回りだとか何とか言われて、なけなしの退職金などを投じたお年寄りがいたとすれば、今頃青ざめていることでしょう。こうした胴元が儲かる仕組みの商品など、お年寄りに分かるはずもありません。筆者も年初の暴落の時に、ノックイン債の仕組みを色々と調べましたが、さっぱり理解不能でした。

まあ、変な喩えですが、時ならぬ洪水が来た時、安心と思った自分の背丈よりも高い堤防が決壊して、怒濤のごとく泥水が住宅地に流れ込むという悲劇が時々ありますが、その泥水が、実は、彼ら投資銀行の濡れ手の泡の黄金の水なのです。

であれば、何としても決壊させたいと思うのが、彼ら狼たちの狙いでした。転んでもただで起きないどころではなく、転んで一攫千金のシステムがノックイン債の正体だったのです。

まあ、金融がよく分かっていない筆者がこれ以上書くと、お前の浅薄な知識で何をほざくかという非難が、アレンジャー諸氏から来そうですので、止めにしておきます。

ノックイン債については、年初のロイターの記事が比較的分かりやすいので、参考までに載せておきます。

この後、1万円割れの9412.17円まで続々とノックアウトを待っておりますので、呉々もご用心を。

-------4日朝のコメント-------

金融安定化法案の下院での可決後にドル・円もダウも急落。しかし、法案の成立期待とやらで、雇用統計の予想以上の悪化をものともせず、ダウは一旦325ドルも上げ、可決後にそこから470ドルも下げるとは、全くニュースを餌にマネーゲームに興じている様が良く浮かび上がっております。

この上げ下げには、まともな論理的な必然性が何もありません。市場は1つのテーマに収斂し、それしか見ない時期があり、そのテーマが終了すると、それ以前には見えなかった、あるいは無視していたテーマを誰かが担ぎ出し、今度はそのテーマに収斂していくという、不可思議な特性を持っているようです。

夕暮れの空にたまに見かける鳥の集団は、綺麗なV字型を構成して飛んでおりますが、先頭の1羽を除いて、残りの鳥は自分のすぐ側の鳥の位置関係だけを彼らのレーダーで計りながら飛翔しているようです。

この集団飛行に似ているようですが、唯一異なる点は、鳥たちは決して仲間達を傷つけたり殺したりしないのに対して、人間達が演じる市場では、必ず相手を傷つけ殺すことによって自分が生き残る(儲ける)ことをしている点です。

一体、どちらがより良い文化を持っているのか?

1929年の恐慌の後は第二次世界大戦に突入です。鳥が世界大戦をするものか!!!

なお、昨日の「世界経済で今起こっていることの確認」の記事に、国際金融市場での資産残高の日米欧の割合を載せておきました。最後の注)参照。
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日経平均は危険水域に

2008-10-03 11:27:20 | 株に出会う
NYダウが大きく下げた割には、シカゴCMEの先物は大証比-90円で返ってきました。ここで踏ん張れれば日本市場も捨てたものではないのですが、寄り付きこそ先物はそのラインあたりからスタートしましたが、5分後に発作的な11170円までの上げで厄落とし?が済んでからは、とりあえずは水平飛行です。

日経平均の前場終了段階でのOSC値は-4%の32%です。これは3月10日の29%以来の低い数字です。

過去を見渡しても、日経平均というのは意外と落ち着いた値動きをしており、2005年5月からの記録では、30%か32%というのが底値でした。29%以下にはなったことがありません。

それに対してマザーズ指数は、今日が25%です。2005年10月からの最低値は21%です。

日経平均は、このトレンドから行くと、後一押しか二押しでOSC値が20%台へと突入した時には、少々の反発に転じるものと思います。

そこで再度登場するのが、日経リンク債です。次のターゲットは10958円です。もう射程距離に入っております。その次が10705円です。これは来週以降の課題かも知れません。

このリンク債をどうしても撃沈して、本国(アメリカ)へ何としてもおみやげとして進呈する必要に追い込まれているのが、先物で売買するアレンジャーと呼ばれる今はなき?投資銀行の面々です。

ちなみに、後場にこの10958円の安値をマークした時の日経平均のOSCをシミュレーションしてみました。OSCは31%です。

では、10705円ではどうでしょうか。OSCは29%です。

綺麗にターゲットに入ってきました。よって、連中は本日もしくは来週にかけて、どうしても10700円割れまで日経平均を持っていくに相違ありません。

機は熟しております。下院で例の法案が通っても、折り込み済みとか、材料で尽くしとか言えばいいだけの話です。もう、空売りが出来ないのに現物を投げているアメリカ市場です。誰も不思議には思いません。VIX指数は45.26ポイントと高止まりしております。チョイと砲弾をぶちこむだけで脱兎のように逃げます。

前場は、4003コープケミカルに掴まりました。悪い癖です。まさかと思って260円で待ち受けていたのですが、こうした仕手株の癖をすっかり忘却しておりました。三晃金属でよく承知していた筈ですが、中途半端な位置取りで待ってはいけません。

ほうほうの体で、253円で損切りしました。

一矢を報いたのが、藤原紀香のコマーシャルで業績好調の9983ファーストリテイリングです。これはセオリー通り、前場の終わりに12220円のVWAPラインの少し下で拾い、13360円のその時点でのピーク値で売りました。

しかし、あのCMの足の長い女性、やはり藤原紀香だったのですね。良く似ているなと思っておりましたが、レオパレスのCMでは足の長さまでは見えませんでした。

どう考えても、陣内とやらにはもったいない。。。世の中よく分からないことが多いようですが、陣内をあえて選んだというところに、紀香の意外な頭の良さがあったのかも知れません。あれでキムタクでも選んでいたら、世の男性諸氏から、そして筆者の家人を含む大年増のキムタクファンからも総すかんを喰らっていたに違いありません。

余計なことですが、ユニクロに取りあえず感謝して。

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世界経済で今起こっていることの確認

2008-10-03 06:06:32 | 金融全般
NYダウは、やはりというべきか、大きく下げました。原油も金も同様に下げました。新規失業保険件数は確かに予想の475K件に対して497K件と増えましたが、前月の修正後の数字とほぼ変わりません。

GEの公募価格が実勢価格より2ドル程度安かっただけで大幅に売り込まれております。今はあのアメリカを代表する企業の1つであるGEすら金融部門の不振で資本増強を迫られているのです。

次回FOMCでは0.5%の大幅利下げを市場は90%織り込みました。いずれ日本と同じレベルになるという観測まで出てきております。

2001年からのITバブル崩壊の過程では、2000年12月の6.5%から2001年12月の1.75%まで、1年間で4.75%下げました。その後横這いが続くも2003年6月には1%まで引き下げ、これが1年間続いております。

今回は1%を割るところまで行くかも知れないというのは、ITバブル以上の深刻な金融危機からすれば当然でしょう。

今、円高には動いておりません。これは、アメリカが持つ対外資産が資金繰りのために各国で激しく売られているためです。日本の株式も債券も例外ではありません。

アメリカの対外資産であるこれら株式や債券、そして直接投資額を、対外負債とともに確認しておきます。(2007年末現在)

 対外資産:17兆6千億ドル(ドル建て50%)
 対外負債:20兆ドル(ドル建て90%)

この対外資産の現地通貨建て資産が売られて、ドルに換えるためにドル買いが起こり、現地通貨である円安が維持されているのです。

一方、昨日のブログで書いたように、GEのファイナンス部門などを含む世界の金融機関の総資産は48兆ドル(注)もあります。(フィナンシャル・タイムズ)問題は、この資産(金融機関にとっての負債)の相当部分が毀損しているであろうことです。

住宅関連の資産は23兆ドルですが、これは5%や10%の毀損ではもはやないでしょう。そうなると48兆ドルの10%から15%は毀損しているか、それに向かっていると考えるのが自然です。15%なら7.2兆ドルです。10%なら4.8兆ドルです。5兆ドルとしても525兆円もの巨額です。日本の不良債権額が公表値で100兆円でした。今回のクランチの大きさが分かります。

この5兆ドルをどうやって救うのか?ざっくり言って500兆円です。

アメリカは7000億ドルの財政支出です。その他ヨーロッパでも公的資金投入の動きがありますが、仮にアメリカと同額を出しても1兆4千億ドル程度。約150兆円。

もちろん金融機関もさらに必死に増資の努力をするでしょう。しかし、バフェットまで出してしまった後です。出せるところはもう限られてきております。これまでの増資総額30兆円見当が更に捻出できれば上出来でしょう。500兆円の10%にも満ちません。

合わせて180兆円見当です。500兆円必要なところ多く見ても約200兆円しか手当出来ません。残り300兆円です。

しかし、事態はこれだけでは済みません。最近のデータで確か57兆ドルに多少減っているとは言え、CDS問題があります。これは金融機関同士の相対取引ですので、ゼロサムゲームの典型ですが、いわゆる値洗い(ネッティング)を何としてもうまくしなければなりませんが、これをどうやって世界中に張りめぐらされたCDSを集めて解きほぐしていくのか?その前に弱肉強食の世界から、徳政令ですべてチャラにするような政策を世界各国が連携して行えるのかどうか?

この問題の処理を誤ると、それこそ弱い鎖から切れ始め、全ての金融機関が一蓮托生で破綻しかねません。地獄の淵に佇んでいる者同士が、自分だけは転落を免れようとして鎖を切ったつもりが、別の鎖に絡め取られて共に落ちる光景です。

このCDSは差し置いておいても、300兆円の不足がどういう事態を招くのか?

これは欧米の中央銀行がドルを一斉に市場に供給していることを続けるしかありません。実はこれが出来ることが1929年の世界恐慌とは根本的に違う点です。そのために、世界の金融機関の即時凍死を免れております。

しかし、誰でも分かることですが、これを行うといわゆるマネーの希薄化が激しく起こります。ドルの激しい減価です。

上記のアメリカの対外純資産と負債の差2.4兆ドルが、対外資産(株式と直接投資が48%を占めます)の取り崩しにより益々拡がります。株式と直接投資分の約8兆ドルのうち30%の取り崩しがあったとして、2.4兆ドルの対外資産の取り崩しとなります。

そうなると約5兆ドルに資産と負債の不均衡が拡がります。

対外負債20兆ドル、対外資産15兆ドルといったところでしょう。

この5兆ドルを均衡させるだけのドル安圧力が働く筈です。25%のドルの減価ということです。するとドルはざっくり言って、今の100円が75円相当にならねばなりません。

最後は、雑駁な計算になりましたが、この際、こうしたマクロな視点からの計算が必要です。特にCDSなどのデリバティブ取引は誰も正確なところは分かっておりません。

少しでも今の経済が置かれた状況の理解の参考になればと。。。

注)10月3日付けの日経夕刊によれば、この国際金融市場の資産残高の73%は欧州の銀行が占め、米銀は9.3%、邦銀は7.6%となっております。これほどの差があるとは思いませんでした。これからの欧州銀行の動向にも注目ですが、欧州での不良債権問題はアメリカから周回遅れで発生しております。ということは、これからもっと世界経済はひどい局面を迎える可能性もあるということになります。
コメント (7)
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