【掲載日:平成24年9月7日】
明日香川 瀬々に玉藻は 生ひたれど しがらみあれば 靡きあはなくに
男臆病 確証欲しい
あの児その気や 出かけてみるか
そっと近付き 窺い居るが
噂気になる 親御は怖い
島伝ふ 足早の小舟 風守り 年はや経なむ 逢ふとはなしに
《足早の 舟も風読み してたなら 月日過ぎるで 逢わんれんままで》【船に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一四〇〇)
(優男やが わし気ぃ弱い)
水霧らふ 沖つ小島に風を疾み 舟寄せかねつ 心は思へど
《霞んでる 沖の小島に 風強よて 船寄せられん その気あるのに》【船に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一四〇一)
(噂酷うて 近づけんがな)
木綿懸けて 祭る三諸の 神さびて 斎むにはあらず 人目多みこそ
《神祀り 畏まってる 訳違うで 人目多いんで 籠っとんのや》【神に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三七七)
(出かけ行けんが 辛抱してや)
近江の海 波畏みと 風守り 年はや経なむ 漕ぐとはなしに
《近江海 波恐ろしと 風読んで 漕がへんままで 長ごなって仕舞た》【海に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三九〇)
(親が怖ぁて よう行かんのや)
荒磯越す 波は畏し しかすがに 海の玉藻の 憎くはあらずて
《荒磯を 越す波恐い そやけども 海の玉藻は 憎うはないで》【藻に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三九七)
(親は憎いが あの児は愛し)
紫の 名高の浦の 名告藻の 磯に靡かむ 時待つ我れを
《紫の 名高の浦の 名告藻が 磯靡くんを 待ってんやわし》【藻に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三九六)
(名前言わん児 言うまで待つで)
朝凪に 来寄る白波 見まく欲り 我れはすれども 風こそ寄せね
《朝凪に 寄せる白波 見たいのに なんでや白波を 風寄せ来んで》【海に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三九一)
(こんな必死に 通てんやのに)
明日香川 瀬々に玉藻は 生ひたれど しがらみあれば 靡きあはなくに
《明日香川 どの瀬も藻ぉが 生えてるが 柵あると 靡き合わんで》【川に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三八〇)
(邪魔する奴が 居るんやきっと)
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