令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

巻七(雑歌・比喩歌・挽歌)編(23)しがらみあれば

2012年09月07日 | 巻七(雑歌・比喩歌・挽歌)編
【掲載日:平成24年9月7日】

明日香川 瀬々せぜに玉藻は ひたれど しがらみあれば なびきあはなくに



臆病おくびょう 確証たしかめ欲しい
あの 児その気や 出かけてみるか
そっと近付き うかがるが
うわさ気になる 親御おやごこわ

島伝しまづたふ 足早あばや小舟をぶね 風まもり 年はやなむ ふとはなしに
あしはやの 舟も風読み してたなら 月日つきひ過ぎるで わんれんままで》【船に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一四〇〇)
優男やさおとこやが わし気ぃ弱い)

水霧みなぎらふ 沖つ小島こしまに風をいたみ 舟寄せかねつ 心は思へど
《霞んでる 沖の小島に 風よて 船寄せられん その気あるのに》【船に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一四〇一)
うわさひどうて 近づけんがな)

木綿ゆふけて まつ三諸みもろの かむさびて いはむにはあらず 人目ひとめおほみこそ
《神まつり かしこまってる わけちゃうで 人目いんで こもっとんのや》【神に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三七七)
 出かけ行けんが 辛抱してや)

近江あふみの海 波かしこみと 風まもり 年はやなむ 漕ぐとはなしに
近江おうみ海 波おそろしと 風読んで 漕がへんままで ごなって仕舞た》【海に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三九〇)
(親がこわぁて よう行かんのや)

荒磯ありそ越す 波はかしこし しかすがに 海の玉藻の にくくはあらずて
荒磯あらいそを 越す波こわい そやけども 海の玉藻は にくうはないで》【藻に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三九七)
(親は憎いが あの児はいとし)

紫の 名高なたかの浦の 名告藻なのりその 磯になびかむ 時待つれを
《紫の 名高なだかの浦の 名告藻なのりそが 磯なびくんを 待ってんやわし》【藻に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三九六)
(名前わん児 うまで待つで)

朝凪に 寄る白波 見まくり れはすれども 風こそ寄せね
《朝凪に 寄せる白波 見たいのに なんでや白波なみを 風寄せんで》【海に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三九一)
(こんな必死に かよてんやのに)

明日香川 瀬々せぜに玉藻は ひたれど しがらみあれば なびきあはなくに
《明日香川 どの瀬もぉが えてるが しがらみあると なびわんで》【川に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三八〇)
邪魔じゃまするやつが るんやきっと)



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