令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

令和・万葉集:歴史編 閑話休題 先生の声が

2019年10月23日 | 令和・万葉集:歴史編
写真を見て頂きたい。



そして、犬養先生の名著「万葉の旅」掲載の『手節の崎』と比べて欲しい。



現場にたどり着き、この景色を見たとき、私は、慄然(りつぜん)とした。
波除けブロックのこれ見よがしの我が物顔。
「なんたる人為の仕業。人はこうして自然を破壊していくのか。」
暗澹(あんたん)たる思いを胸に、
「この様を伝えなければ!」と、シャッターを押した。

先生の声が聞こえる。
「何を見ているのか。
ま近に映るブロックに目を向けてどうする。
もっと、大きなものを見なさい。
ゆっくりと見てごらん。
ほら、見えてくるものがあるでしょう」

目を、沖に転ずる。

神島が見える。
海原が見える。
波が寄せている。
波打ち際の一区画に、波打ちブロック。
自然は、何も変わっていない。
こんな、一握りのブロックで壊されるほど軟(やわ)ではないのだ。
五十年近く前、犬養先生の見られた景色が、まだ、ここにある。
いや、千三百年前、人麻呂の見た景色も、これだったのだ。
悠久たる自然の姿。これこそ、「万葉」の姿なのだ。

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