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万月堂通信

知床半島、標津町にある民宿「万月堂」から日々の出来事やアウトドアー情報(登山、シーカヤック、釣り、狩猟等)を発信します。

登山

2012-07-17 | 登山、スキー
 連休は山に行ってきた。

 初日は斜里岳。二男坊も自主的参加。

 予定のコースは、旧道~豊里コース。

 車を豊里コースの登山口に残置し、旧道登山口のある清岳荘に行くと車が手前の道路にあふれて止まっている。さすがに連休、しかも我々の活動時間は他の人からは遅いので当然か!

 車の誘導をしている人がいたので止める場所を尋ねると、なんと上の駐車場に止めてよいとの事!しかしこの誘導員見たことがあるような?

 ひょっとして!声をかけてみるとやっぱり知り合いだった。かつて利尻などでいくつかの初登ルートを開拓したクライマーです。頼まれて今年は清岳荘の管理人をやるそうです。丁度連休で手伝いに来た奥さんにも会わせて頂いた。お茶も進められたが、先を急ぐことにする。

 いいペースで沢を登り、2時間45分くらいで頂上に着いた。途中小学生の団体がいたので引率の大人に尋ねると地元の野外活動をしてるグループだそうだ。うちの子供もそうだが、小学生は無闇に元気がいい!


 ほとんど雲海に覆われていたけど、知床連山は頭を出していた。

 ほとんどの人は新道から降りるのが、一般的。我々は反対方向に下山開始。

 このコースからは北壁がよく見える。

 夏の北壁からは冬の神々しさは感じられない。

 2時間で残置した車のある登山口に着いた。最後の玉石沢の歩きは浮石ばかりで消耗した。

 下山途中で二男坊は翌日の羅臼岳はパスと宣言する。


 翌日羅臼岳を予定していたところに、急遽農家の手伝いがはいってしまった。

 目的地を武佐岳に変更、女将が率先して行くことを主張!どういう訳か?二男坊も急に行くと言い出す。


 こちらも雲海に覆われていたみたいだ。
  

ラサウヌプリ

2012-04-30 | 登山、スキー
 先週は天気が悪く、雨が降ったり、ガスったりして毎日昼間もストーブを焚いていた。

 やっと晴れた週末久しぶりに姿を現した山並みを見て、唖然!

 雪がありません。ハイマツが顔を出して真っ黒になってました。


 そんな状況の中、ラサウヌプリに行ってきました。海別岳と遠音別岳の間にあり、標高も1019メーターほどで目立つ存在ではありませんが、南側に崖斜面を伴い、奥深い山です。

 一般の地図にもその山名は出てないが、登山者の間では「ラサウヌプリ」と呼ばれて、林野庁の地図には「奥遠音別岳」と記されている。


 渡渉したりして、尾根に取り付くも所々雪がなくなりスキーを担いだりする。

 やっと750メーターのせまい尾根に出る。これから先の尾根上はハイマツが黒々している。


 以前来た時は、このままスキーで頂上まで行けたのだが、今回はハイマツを避けるように雪を拾いながら行くしかないようだ。ここでアイゼンを持ってこなかったことを後悔!一人ツェルトでお留守番することにする。ここからは、この間行った海別岳が南に見える。

 

 東側には、羅臼町の国道からも近い「猫山」



 北側には遠音別岳

 今時期たびたび話題にあがる雪形「見返りキツネ」が間近に見える。

 昼寝したり、ラーメンを作ったりしてのんびりする。

 ラーメンを食いながら「見返りキツネ」を見ていたら、キツネじゃなく、若い女性が肘枕して横たわっているようにしか見えなくなってしまった。


 

 二時間ほどして仲間達が帰ってくる。その疲労ぶりから稜線のハイマツ漕ぎが大変だったことが伺えた。

 
 今日は珍しくこんな山奥でクマの痕跡には会わなかった。かえってうちの周りには、クマが歩き回っていて、今までの子供の通学路はクマが利用していた。

知床岳

2012-04-21 | 登山、スキー
 知床岳に行ってきました。しばらくぶりです。去年は強風途中撤退。

 相泊に着いてみると今日は誰も入山していない模様、天気はいいんですけど!

 やはり海岸線も雪が多い、ただ番屋への除雪が入っているので半分くらいスキーを背負っての歩きになる。

 尾根に取り付き歩き出すとすぐに新しいクマの足跡にぶつかる。親子連れもいる。どれも新しい!!

 それからは次々に新しい足跡が横切り、周りを注意しながらの歩きになった。一度だけ声を出しました。

 川は雪に埋まって渡渉することもない。


 過去の大雪崩で木が吹き飛び視界が開けた所で休んでると、スノーシューをはいた軽装のおじさんが鈴を鳴らしながら登って来た。北見から来たそうだ。話しているうちに今度はテレマークスキーの若者二人がやってきた。こちらは北見のお隣美幌町から。

 尾根が急になる所でアイゼンに履き替え、スキーを引きずる。スノーシューのおじさんはそのままさっさと行ってしまった。雪面は緩んで踝以上埋まるくらい。

 急登を終え、主稜線上のだだっ広い尾根に上がるとやっと知床岳の頂上が見える。

 帰りのことを考えて頂上までまっすぐ行かないで、標高線をたどり頂上に向かう。

 目の前に知床岳頂上

 一番右手のでっぱり


 歩き出して5時間くらいで頂上に着いた。強くはないが北風が冷たい。

 知床連山方向


 岬方向

 オホーツク海には粉々にばらけているけど流氷がまだ群れていた。


 スノーシューのおじさんは「歩きなので」と先に頂上から引き揚げていった。

 帰りに沢の中の雪崩のデブリ末端を見てきた。

 正面の源頭部には破断面がまだはっきり見える。湿雪の表層雪崩らしく、氷河のように溝ができて、末端には多量の雪の塊がせり上がって貯まっていた。


 時間も早いし、天気もいいので餅入りラーメンを作った。

 樹林帯の中の雪も腐ることなく、ほとんど止まることなく海岸線に到着。下山に2時間位か?それにしてもあのスノーシューのおじさん超速いです!!いくらラーメンを作ってたとは言え、結局頂上で別れてから会うことはありませんでした。

 

 

海別岳

2012-04-15 | 登山、スキー
 山スキーのメッカ、海別岳(うなべつだけ)に行ってきました。

 今日は天気が良く、歩き出しから寒くないので軽装!暑くなる予感。

 ここも例年より雪が多い。例年なら開いている畑も真っ白。

 雪は固く快調に進む。


 森林限界を超えると見晴らし最高!オホーツク海のはるか沖に流氷が見える。

 反対側には、先週登った斜里岳が、

 だいぶ雪が溶けたようで登った北稜も黒くなっている。


 暑さと空腹にあえぎながら頂上!知床連山もばっちり見える。



 今日は12人の大人数!去年は一人、一昨年は相棒はガッシュだけだった。


 下りは快適な雪質だったが、樹林帯に入ると途端に腐れ雪になり、苦労する。

斜里岳

2012-04-10 | 登山、スキー
 去年敗退した斜里岳に再チャレンジしました。

 目的は果たしましたが、自分にとっては大変厳しかったです。


 11時間ぶりにやっと戻ったテン場から見た夕日が当たる斜里岳北面。歩いたのは、頂上直下の北壁をはさんで左側の北陵を登り、頂上を経由し右側の北西尾根を下りこのテン場に戻ってくるコース。

 早朝テントから外に出ると雪が降っていて風もある。予報では今日は晴れる見込み。出発を少しだけ遅らせる。

 去年は雪が深く苦労したため、今回はカンジキを持参したが、今回はカチカチでツボ足で行ける。しかも滑るくらいなので、テン場からアイゼン着用。6時半頃出発。

 北稜上に上がっても視界は100メーターくらいで西風が強い。天気の回復を信じ先に進む。前回稜線上を行った「小槍」は風を避け東側を巻く。


 稜線上に戻ると急速に視界が開け始め、風も気にならなくなる。

 前回折り返した「大槍」に達する。ペースはいい!ここから先はロープで繋ぎ合う。問題の「大槍」からの下りもよく見れば弱点があるみたいで先に進む。


 「大槍」から先は痩せ尾根を伴った岩峰群が続くが、事前の情報では問題なく巻けるはずだった。

 ところが先週全国的に被害をもたらした爆弾低気圧の影響か!氷塊に出口が見いだせない。しかも身を確保するための木は固い氷の下に皆埋まってしまっている。

 痩せた稜線上を行くことにする。30メーターのロープに繋がったまま尺取虫のように進む。

 両側は谷底まで切れ落ちていてすごい高度感だ。谷底からは不法侵入してきたスノーモービルの爆音が緊張の糸を断ち切ろうとする。やっと痩せ尾根を通過。上を見ると

 広くなったが、氷化した雪面はカチカチだ!ブッシュは全くない。尺取虫を続ける。

 両手のピッケルとアイゼンの前爪だけが頼りで緊張感は増すばかりだ。ロープを付けているとは言え絶対に落ちられない状況が続く。

 一向に簡単にならない!何回尺取虫を続けたのか?やっと傾斜がなくなり頂上に着いた。14時。7時間以上かかった。先月の連休うちに泊まってここを訪れた学生らは、3.4時間で抜けているはずだ。

 幸い頂上は風もなく、少しばかりピーナッツをほおばり、たばこを吸う。水は凍ってしまい口も開かない。

 西方に屈斜路湖も見えるが、雲に覆われだしている。天気は早下り気味のようだ。

 下りの北西尾根もお互いロープをつないだまま降りることにする。

 「ガマ岩」と呼ばれる鎖場のワイヤーには氷が張りついて岩と一体になっていた。

 やっと広くて靴が雪で埋まるような場所に出てロープを外す。後はテントのある谷底まで降りてテントに着いたのが17時。足はもうガクガクだ。帰りのスキーが思いやられる。

 数回転び、いよいよマツの下枝で止めを刺され、登高用のシールを付けて歩くことにする。時間はかかるが安全第一!途中で暗くなりヘッドライトを点けて歩く。車に着いたのは19時半。長い一日だった。

 

雲の上の散歩

2012-03-12 | 登山、スキー
 大変ご無沙汰してました。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?寒い日の続いた2月が終わり、もう3月も半ばに入りやっと春を感じるようになりました。

 私の方はブログネタが無かったからでもなく、ただ無精していただけです。


 3学期に入り、子供二人は毎日スキーとスノーシューで学校に通っています。親ながら、感心します。そんな学校も今期で閉校。2月中旬「閉校記念式」が行われ、地元住民、卒業生など関係者200人くらいが集いました。



 式典の後、記念碑除幕、食事会などが催されました。

 今春から子供達は送迎タクシーで町の大きな学校に通うことになります。


 
 ところで前回の記事から流氷はどういう状況か?


 前浜はこんな感じで、国後との間は流氷で埋まっています。ただ所々海面が覗いているところもありますが・・・

 久しぶりに浜に出てみました。

 大潮の干潮で手前の氷は海底に着いてて乗っても揺れません。砂浜には引っかいたような跡があり、よく見ると

 氷が砂の上を移動した跡です。


 山の方は?

 先日も大雪が降りました。おかげで今月から行くことになった現場に通じる道路が雪崩で通行止めになってしまい先週は仕事になりませんでした!

 遊びにはこの雪の量は最高です。先の土曜日、オヤジばかり9人で目指したのは

 知床半島の主稜線。左の尖った「遠音別岳」と右の知床連山との間、「知西別岳」付近。

 汗をカキカキ歩き登ること5時間、雲の上に浮かぶ「知西別岳(左)」と知床連山(羅臼岳から奥に硫黄山)

 左端にチラッと見えるのが「ペレケ山」手前の鞍部が「ペレケ平」
 南の方には「遠音別岳」



 今回立ったピークは名も無く、「遠音別岳」から「知西別岳」縦走コースとしてはショートカットされる場所。
 この日は珍しく風も無かった為、体感的には暖かく感じるくらいで、紫外線を強く感じた。

 スキーの下りは雲の中に突っ込んだ途端、視界なくなり距離感、高度感が解らなくなり、転びまくりで迷子にならないようにだけ集中!全員ケガ無く下山、いい運動になりました。
 

 

 



 

初滑り

2012-01-13 | 登山、スキー
 遅ればせながら山にスキーに行ってきました。

 取り付きの楽な所、国道の根北峠からルベス山方面に行くことにした。

 ここらも今年は雪が多い。国道の脇はすっかり雪壁ができている。出発が遅いので歩き始めたときには太陽もすっかり高い位置に。誰も歩いていないようだ。

 ヒザ下の若干重いラッセル。快晴!

 この一枚でカメラの電池がなくなってしまった。

 一人だったのでめげそうになりながら、黙々とラッセルして1時間半ほどでルベス山の頂上。360度のいい景色だったが、風がないもののじっとしていると寒くなりすぐ降りる。

 なんとかコケずに谷底まで、この間の連休にボーダーたちが遊んだらしく、雪庇からドロップインしている跡がたくさん付いていた。昼食抜きだったので帰りの登り返しが堪えた。


 女将は、自分より早く連休に初滑りしていた。次男も同行し、山スキーデビューを果たした。

 歩くスキーでの登りは大変だったらしい。途中からツボ足で登ったそうだ。


 下りは女将が担ぎ上げたゲレンデスキーとスキー靴で快適だったみたいだ。
 

雄阿寒岳(1371m)

2011-09-20 | 登山、スキー
 翌日の羅臼岳登山に備えてどこかにトレーニングに行くべ!と言うことになり、雄阿寒岳に行くことにした。なかなか行く機会がなかった山だった。

 やはり翌日マラソン大会のある次男坊(小4)を誘うと行く気満々だ!訪れる人は少なかろうとガッシュも連れて行くことにする。


 予備知識も仕入れず、楽だろうと考えていたが往復12キロくらいありそうだ。

 阿寒湖の畔から太郎湖、次郎湖と湖めぐりの遊歩道から登りにかかる。徐々に急な登りになり、1合目、2合目の看板が出てくるが、延々先が思いやられるような急坂ばかり。



 やっと5合目に着き一服する。まだ残り半分もあるのかと思うとうんざりするが、ふと看板を見ると「8割達成」らしい。・・・計算が合わないぞ!・・・


 歩き出して納得する。5合目を過ぎると傾斜が緩くなるのもあるが、看板の間隔が今までより短い!

 8合目に気象観測所が、あったなんて知らなかった。

 2時間半くらいで頂上に着いた。今にも雨の降りそうな雲行きだったが何とか展望はあった。



 阿寒湖もよく見える。



 久しぶりの山歩きで前半飛ばし過ぎたガッシュは水を求めて阿寒湖の水をがぶ飲み!



 下山と同時に雨が本降りになった。帰る途中養老牛温泉にある「カラマツの湯」で疲れを取る。


 このトレーニングの甲斐あってか?翌日の羅臼岳は3時間半くらいの時間で楽々登頂。帰ってから子供に「マラソンどうだった?」と聞くと「6位だった、去年より順位がよかった。」そうだ。でも次男坊が出たのは「3キロコース」なのでこの登山の方がはるかに大変だったはずです。



 羅臼岳山頂にある岩陰に置かれた怪しげなご神体?、お賽銭?も着実に増えているような・・・信心の無い私には意味がわからない。 

靴底の底力!

2011-08-31 | 登山、スキー
 細かい火山灰が覆って滑りやすい急な上り坂、後ろを来る同行者が遅れているようだった。上りきって見ていると滑って歩きにくそうだった。その足元を見ると登山靴がみょ~にくたびれている。確か朝車に乗せたときは、これ新品の靴かな、と思えるようなきれいな靴だった記憶があった。

 「どうした?」
 「なんか靴が変です!」よく見てみると
 「・・・!」

 靴底がありません。しかも両方。

 本人、いつ靴底が取れたのかも解らなかったようです。

 なんとか薄いプラスティックの板はくっついているようだったので、テーピングしてとりあえず頂上まで往復する。再びテーピングして紐を靴に巻きつけ、下まで壊れないことを祈るのみ!

 下りながら靴底を捜すも見つからず、結構初期の段階で無くなったものと推測する。それにしてもそれに気づかないのもすごいです。

 聞いてみると「6年前に利尻に行った時に履いたっきり。」だそうだ。



 この靴歩くと石が当たる度に「コツコツ」高い音がして面白いです。

 靴底なんか無くても羅臼岳に登れるんだ!と悟った日でした。 

知床岬徒歩の旅・・・最終日

2011-08-10 | 登山、スキー
 二晩世話になった洞窟を後にする。



 ペキンの鼻の手前の高巻きを慎重に抜け、黙々と歩く。暑くなってきた!

 ペキン川には瀬渡しできた3人が釣りをしていた。一本釣ったそうだ。

 徒歩の旅は、景色を楽しみながらと言うより、足元の石や岩ばかり見てるのでたまの休憩にしか景色を楽しむ余裕が無い。

 めがね岩のトンネルからは羅臼側の冷気が冷蔵庫を開けた時に出てくる様に吹きぬけて寒いくらいだった。ここからは薄くガスが出ていて少し涼しくなった。



 モイレウシの湾に回りこむと人の姿が見えた。

 地元羅臼の知人達3人がカヤックでマス釣りに来ていた。




 カヤックならここからなら1時間ちょっとで帰れる距離だが、我々にはこの先何箇所も難所が待ち受けているので重い腰を上げる。



 迷路のような巨岩帯をぬけ、岩礁を飛んだり、へつったりしながら最後の観音岩の下降を終え難所は越えた。


 大岩に隠れた冷たい湧き水で元気をつけ、後は相泊まで休まずに歩く。

 もう夕方でコンブ番屋の人達は片付けも終えた後なのか人影は少なく、薪のくべられた五右衛門風呂が1日の終わりを物語っていた。


 今日も10時間近くの行動だった。充実した三日間だった。