万月堂通信

知床半島、標津町にある民宿「万月堂」から日々の出来事やアウトドアー情報(登山、シーカヤック、釣り、狩猟等)を発信します。

通行止め解除

2013-04-27 | Weblog
 昨日の午前10時、5か月ぶりにうちの前の道道のゲートが開きました。


 
 毎年大型連休中開くのか?開かないのか?話題になる知床横断道路は、連休前半は開かないみたいです。

 今夜からまた天気が悪くなり、雪が降りそうなので連休後半も開かないような気がします。


 ただ山には雪が増えて、連休明けもスキーができそうなので結構、結構!

 まだまだ楽しめそうです!皆さん滑りに来ませんか!

知床岳(1254m)

2013-04-22 | 登山、スキー
 地元の仲間たちと知床岳に向かいました。

 天気予報は下り模様ですが、いい天気です。


 尾根の取りつきまでは、10日前より雪がなくなり、ツボ足で歩けました。

 暑いくらいで、自分は最初から薄着だったんですが、しっかりまかなった人は、どんどん脱いでいきます。


 この冬尾根は、二度ほど沢を越えて行かないとだめなのですが、今時は沢が開いているのでスノーブリッジの残っている所を捜さなければなりません。

 たいがい例年渡る所は、同じ場所です。このブリッジももう限界みたいです。


 今回は11人の大所帯です。初対面の方も結構いました。テレマークスキーあり、スノーボードありで賑やかです。しかも皆さん上手で、下手っぴな自分は少し気後れします。

 大人数だと徐々に足並みが乱れてきます。今回も足の達者な若者達が先を行きます。

 自分も少し離れて後を行きます。ここで後続は大きな沢型をつめて登るべく離れました。我々は、いつもの冬尾根を行きます。


 いつも凍っていやらしい急な壁も今日は雪が腐って膝くらいまで埋まりました。

 元気な若者たちは、どんどん先を登って行きます。


 やっと稜線の広い尾根に出ました。自分は手前のハイマツ帯で少々時間を食ったので
沢型から上がってくるチームの様子を伺うようにその上部に向かいました。

 視界は良くて知床連山が、遠くまで見えます。

 ただ雲が下から上がってくるようになりました。どうやら天気の変わり目みたいです。自分は先に見えている若者たちの後を追うのをやめて、沢から上がってくる後続部隊を待つことに。


 ほどなく他のメンバーとも合流し、知床岳に向かいます。

 風もほどほどあり、寒くなってきて一枚着ました。手も冷たくなってきてオーバー手袋を履きます。


 広い尾根を進むと広い雪原の向こうに知床岳が見えてきました。先に行った若者たちも見えていて、頂上の少し手前にいるようです。

 さて我々もと数歩進んだ瞬間いきなりガスに覆われてきました。

 あっという間にホワイトアウトです。

 メンバーの中には知床岳の姿が見えなかったと言う人もいました。


 退散です!!これから写真をいっぱい撮ろうとしていたので結局今回写真はこれだけです。


 ゆっくり先頭の人を見失わない様に滑り降ります。

 沢の上部の急斜面は下に人がいないと斜度が判らず一気に降りれません。雪質は幸い滑りやすいザラメ状です。


 だいぶ下まで降りて、斜度が緩くなってきた辺りからやっとガスが取れてきました。

 皆迷子にならず一安心です。


 ガスがかかっていなかったら、最高の斜面だったはずです!

 樹林帯でこの日唯一登頂した若者二人も無事合流。どうやら頂上に着いた時にはすでにガスにまかれたようです。

 途中から雨が降り出して、車に着いた時にはすっかり濡れてしまいました。

 帰りの車に乗っている頃には、雪交じりになってきて、家に着く頃は、一面真っ白の積雪状態でした。

 今朝は重い雪が10センチくらい積もって、久しぶりに除雪しました。

夜の訪問者

2013-04-20 | Weblog
 自分は晩酌派なので夕食を食べると眠たくなって早々と寝てしまう。特に年をとるにつれその傾向が強くなってきた。

 昨晩も早く寝たつもりである。

 いつもの様に夜中の二時ごろ目が覚めた。いつもならトイレに行ってすぐまた寝てしまうのだが、昨晩は気になることがあったので服に着替えて完全に起きることにした。

 寒い夜だったので消えていたストーブに火を点けてしばらく一服していた。


 ふと玄関の戸のガラスに外を走る車の明かりが映るのに気が付いた。

 うちの前の道は、昼間でも車の通りが少ないし、今はまだ通行止めで通り抜けできない。

 おかしいなと思っていると車の明かりが玄関の目の前で止まった。

 「こんな時間に誰だろう?」


 隣の部屋のカーテン越しに覗いてみたが、車の明かりがまぶしくて何も見えない。

 すると

 「ピンポ~ン」

 とチャイムが鳴るではないですか!

 今は深夜の二時半です。



 自分はなんの危険も感じず、条件反射で「は~い!」と玄関の鍵を開けて自ら戸を開けてしまいました。



 外にいたのは、目つきの鋭い二人の若者がいました。



 制服を着た警察官でした!!



 すわっ!!「ガサイレ」かと思いましたが、自分はそんなに悪いことはしていないはずです。


 一人の警官曰く

 「近くでコンビニ強盗があり、犯人が逃走中である。」

 「今日の宿泊者の有無?」「自分の氏名、生年月日、電話番号」を尋ねられました。


 その間もう一人の警察官が鋭い眼差しで家の奥や自分の服装などをチェックしているのを自分は見逃しませんでした。

 自分の応答が不自然がちになっているのが、自分でもわかります。(なにせこちらは
寝起きですから!)

 しかし答えながら自分の中で妄想が勝手な妄想が湧きはじめました。



 「ちよっと明かりが漏れていたので尋ねてみましたが、しっかり鍵をかけて何かあったら警察に連絡ください!」と言って去って行った。



 3時半頃よく訳の判らないまま寝ることにしました。すっかり目が冴えてしまったのでイビキをかいて寝ている女将をわざわざ起こして今の顛末を話しました。

 初めは真面目に聞いていた女将ですが、自分が勝手な妄想を話し始めるとあきれて再びイビキをかいて寝てしまいました。


 その後ますます自分の妄想は広がってしまい、眠れないまま朝になってしまった。



 起きてすぐテレビを点けてニュースを見ても一向にコンビニ強盗のニュースは出ませんでした。日中うちに来た人皆に聞いてもそんなの知らないと言うし。


 いったい何だったのか?



 夜中の二時半に人のうちのチャイムを押して尋ねること自体、警察に即通報してもいいくらいの異常事態だと思われて仕方ありません・・・!!



 

早春の「地の涯」へ、徒歩の旅 ⑤

2013-04-20 | 登山、スキー
 四日目

 順調なら今日中に相泊に戻れる予定で出発です。

 いきなりのゴロタ石と巨岩帯が交互に出てくるつらい海岸歩きが始まります。

 食料はもう半分以上消費しているし、水も常に川から取れるので最小限の水しか入れてないので、相当荷も軽くなったはずですが、肩にこたえます。



 岩陰を回り込んでビックリ!

 小舟が数十艘磯にかたまっていました。ウニ漁の小舟の群れでした。遠くから声が聞こえて来ます、久しぶりの他人の声です。


 今日最初の難所、「ペキンの鼻」の高巻きです。アイゼンを履いて登り出します。

 無事乗り越えるとアイゼンも泥だらけで、収納する前に川水で洗浄。


 「ペキンの鼻」から、歩いて来た方向を眺める。手前にはウニ漁の小舟が何艘か・・・



 干潮を利用して岩礁帯を回り込んでモイレウシの静かな湾で大休止。

 二日前に通過したポロモイ岳頂上



 ここからはしばらく巨岩帯の迷路が、始まる。デブリが被って踏み抜きの危険もあるが、クマの足跡を辿るのが正解なのか?迷い辿り着くとたいていクマの足跡に当たる。

 大岩を這い上がる所は、クマも苦労したのか滑っている爪痕が・・・

 前回はスキーを担いでいたのでかなりここで消耗した記憶がある。履いていたズボンもビリビリになってしまった。


 干潮が丁度昼間なので快調に岩礁帯を進めた。





 そろそろ岩礁帯も終わるだろうと思われた時、思いもよらぬ難所にあたりました。

 距離こそたいしたことないのに、足場が悪く被り気味で簡単に通過できそうにない感じです。

 二人ともこんな所があったなんて記憶にありません。結論として「流氷か時化で足場の岩がなくなり、こんなふうになったんだ!」ということにして、空荷で渡ってからロープで荷物を海上運搬しました。


 「また新たな難所の出現だね!」なんて言いながら歩き始めて苦笑です。

 すぐ岩の付け根には大きな穴が開いていて、ここが正解の近道でした。



 干潮時間を使って無事岩礁帯を越えられました。もう一日泊まってもいいのですが、なんとか明るいうちに帰れそうなので頑張ることにします。



 最後の難所「観音岩」。ここもクマが先行しています。上部に雪が残っていて、ロープを使って懸垂下降することに。

 前回はここでロープ回収に失敗し、あとで長男と一緒に回収に来てエライ目

 今回はちゃんとチェックして・・・

 降りるとそこにはシカの毛が散乱!クマがこの地形を利用してシカを捕まえ食卓にしていたと想像です。



 もう難所はありませんが、ここからの数時間が忍耐の浜歩き、ある意味一番の難関です。何も考えずにただ足を前に出しているだけです。

 たまに休んで水を飲んで、タバコ吸ってまた歩き出す。

 番屋が見えてくると雪道です。〆はカンジキを履いて


 18時なんとか明るいうちに相泊に到着。無事旅を終えることができました。



  

見慣れた風景が

2013-04-19 | Weblog
 いつも見ていても、たまに「きれいだなぁ」と驚くことがあります。

 今朝の家の周りの景色がそうでした。

 暗いうちに綿のようにフカフカした雪が数センチ積もったみたいです。

 朝日が差し始めると非常にきれいな景色になりました。








 1時間ほどするときれいな景色は、いつもの見慣れた景色になってしまいました。

早春の「地の涯」へ、徒歩の旅 ④

2013-04-18 | 登山、スキー
 三日目・・・つづき

 知床岬先端の草原に寝そべって無心になっていると

 「わぁ~!!」

 何事かと起き上がると、スパッツにダニが這っていたらしい。自分のスパッツを確かめるとやはりいた。

 どうやら草原の枯草はダニの温床となっていたみたいだ。長居は無用、すぐ出発だ。


 


 草原のへりには巨大な吹き溜まりが。アカイワの海岸線にはもう雪はないようだ。

 これからは、つらい海岸歩きが始まる。



 最初の難所「カブト岩」の高巻きは、雪は付いていない様だったが、前回も雪のない最上部が凍っていたので、アイゼンを履いて登り始める。新しいクマの足跡が先行していた。やはり最上部は凍りついた土だった。
 次の難所「念仏岩」がすぐ待ち受けている。


 「念仏岩」にも雪はなかったが、途中で凍った所に出くわす可能性があるのでアイゼン着用して登る。

 残置ロープを使ってずり上がる。ここにも新しいクマの足跡が、我々は必死で登らなければならないけどクマにはたいした難所でもないようだ。


 雪解け水で水量の多くなった「女滝」「男滝」を横に見ながら行く砂地には大きなクマの足跡が、あっち向いたり、こっち向いたりして残っている。

 この日の目的地は決めていなかったが、ここまで来れば後一日で相泊に行ける距離なのでもうどこでテントを張ってもいい。

 ゴロタ石の浜辺を冬用の登山靴で歩くのはつらいです。一歩一歩本当にゆっくりな歩みになってしまった。

 結局、2年前の夏に泊まったことのある洞窟の手前の海岸にテントを張った。

 洞窟の奥にはまだ雪があって泊まるには除雪が必要のようだった。


 予定よりペースよく進んで来て、予定より一日早く帰れそうだったので、この日は予備食を供出し、多めのご飯に大量のカレーを作ることにした。

 雪がチラチラ降り出してきたが、酒の残量をあまり気にすることなく飲みながら飯を作り、久しぶりの満腹感を味わった。

 


 

早春の「地の涯」へ、徒歩の旅 ③

2013-04-17 | 登山、スキー
 三日目

 この日は、いよいよ知床岬を回って羅臼側に・・・

 テン場を出て、樹林帯を進むが、雪の上にはクマとシカの足跡が無数に交錯している。シカの足跡は走ってるし、クマはグルグル縦横無尽に。どうやらクマがシカを追っかけ回していたようだ。

 この時期クマのエサは乏しいはずだ。海岸に打ち上げられた魚や海獣の死骸、雪の下のシカや小動物の死骸、昨秋のドングリくらいか?生きのいいシカは大御馳走のはずだ!


 だいぶ前の話だが、春にシーカヤックで知床半島を回った時、アカイワの海岸でキャンプしていたら、遥か彼方でクマがシカを海岸線沿いに追っかけていたのを見つけた。あっという間にシカは、我々の目の前まで来て人を避けるように海に入って避けて、また浜を逃げて行った。クマは、人に驚いて山に逃げて行った。この時のシカは、人のおかげで命拾いした。

 シカは持久力がないので、持久戦ではクマに負けてしまう。



 樹林帯を抜けると雪がなくなり、海岸線に出た。カンジキをザックにくくり付けた。

 ここからは、知床岬先端の草原の始まりだ!


 草は枯れて、非常に殺風景です。少なくともこの辺りには我々二人しかいないはずです。何だか北方の異国の無人島を歩いているような気分で、気持ち良くなってきた。


 これだけ広い草原で、足跡だけでシカやクマの姿は見えないので、飛んでる小鳥以外生き物の気配はなく、動いているのは、ただ黙々と霜柱の立った獣道を歩いている二人の男だけだ!



 灯台も見えて、適当な所を岬先端として大休止。ボンヤリとする。



      ・・・つづく


 


早春の「地の涯」へ、徒歩の旅 ②

2013-04-16 | 登山、スキー
 二日目

 この日は主稜線を一気に岬方面まで歩く予定だったので、早出するつもりだったが、寝坊してしまい早出とまではいかなかった。天気は晴れているが、上空は風が強そうだ。

 案の定、雪面はカチカチで自分はアイゼンを着けたまま出発。快調に昨日の到達点に達する。これから先はかなり急な登りとなる。

 「大崩壊地」のへりは、雪が飛んで夏道も所々見えていた。どうやら寝坊して遅れた我々より先にキツネとシカが足跡を残していた。



 広い主稜線に出るとそこは、氷の世界だった。

 ダケカンバもハイマツも氷の鎧を纏って風に揺れぶつかり合って「カラン、カラン」といい音を出している。

 雪面は河原の小石が全て氷の塊に置き換わったようで、アイゼンの爪はほとんど埋まらないくらい固かった。主稜線上で雪洞、イグルーの作製は不可能だと思われた。

 知床沼も雪原の一部

 
 (ところで無積雪期キャンプ禁止となっていた知床沼ですが、今年から場所を限ってキャンプが許可になるみたいです。)


 
 思ったより風もなく、快調に歩みを進め眼前のポロモイ岳(992m)


 振り返ると知床岳



 この日は国後島が常によく見えてました。


 
 昼頃には、前回のキャンプ地を越えてウィーヌプリ(652m)

 今日歩いてきた道のりです。

 ここで初めて緑色のハイマツに出会いました。

 知床岬方向は

 すっかりハイマツが出ていました。


 ここからは、主稜線を離れ、沢を斜里側に降りることにしました。

 沢はびっしり雪で埋まっていましたが、雪が腐って腿まで踏み抜く事しばしば、抜け出るだけで体力消耗です!

 沢の途中で新しいクマの足跡です。これから先は足跡だらけです。

 海が見えるところまで降りて岬方向に向かいます。

 いいかげん疲れて程よい所でテントを張りました。テン場からの夕日がきれいでした。

春の便り

2013-04-16 | Weblog
 しばらく家を空けて帰って来ると雪解けが進んでいるのに驚きます。

 周りの畑もだいぶ顔を出してます。


 今朝は白鳥が頻繁に飛んで行きます。毎年のことなんですが、春を実感します。




 昨日の夕方、ナミと散歩していると家の近くに


 ついさっき歩いてたみたいです。

 ここから先は人目が多くなるので、クマも大変です!

早春の「地の涯」へ、徒歩の旅 ①

2013-04-15 | 登山、スキー
 知床岬を尋ねる旅に行ってきました。

 4年前の春にも4人で行ったのですが、この時は岬を目前にして同行者がアクシデントにあい途中退散した経緯があります。

 4年前の記事

 (この時骨折した大先輩は、凄まじい回復力で翌春にはもうスキーで山を歩いてました。)


 今回は前回も一緒に行った友人との二人旅です。コースも日程も前回と一緒です。


1日目

 各地に大雨をもたらした発達した低気圧のために予定より三日出発が遅れましたが、天気予報ではしばらくいい天気が続くようです。

 出発地の相泊に着くと濡れるほどではないにしても小雨が降ってます。

 止むのを待っていても仕方がないので、とりあえず歩き出します。

 すぐに雪が現れ、スノーシューを履きました。(自分は前出の大先輩から借りたワカンです。)こんなに雪が残っているとは思いませんでした。


 冬の知床岳のコースになっている尾根に取り付きます。いつもここは、クマの足跡だらけですが、今回は見当たりません。

 進路を北にとりクズレハマ川を渡り、急な出尾根を登って行きます。久しぶりの重荷が、肩にくるが、徐々に空が明るくなってきて、太陽も顔を出して気分は良くなってきます。


 尾根を乗越してウナキベツ川に降ります。前回は降りてすぐの沼の畔にテントを張ったのですが、まだ時間があるので先に進みました。

 「青沼」と呼ばれる沼の畔にテントを張りました。標高400mくらいで予想通り水面が出ています、これでわざわざ雪を解かさなくても水が得られるので楽です。


 テントを張り終え、まだ時間があったので翌日のための道付けに行く事にしました。

 雪が腐ってきてぬかりますが、空荷なのでどんどん進みます。振り返ると乗越して来た尾根が、


 「大崩壊地」では、気温が上がり緩んで崩れ落ちてくる石の音が木霊してます。


 急登にかかる所で引き返します。明日の朝はこの腐った雪がカチカチになっているはずです。

 ・・・つづく