においがない

気管支炎は

熱は引いたけれどまだ咳が残っている

それと、何を食べてもおいしくない

予想と期待を裏切る味

理由は分かっている

においが感じられないからだ

せっかくの夏野菜の季節に

どれも無臭

しかしこのくらいは耐えられる

今年はホントに何度も寝込んでいて

ランク付けするなら

一月 肩の石灰

これは死んだほうがましという痛みで

救急車を呼びそうになった

五月までの数回のぎっくり腰

苦しくてずっと喘いでいた

お風呂、トイレがままならないのは

一人ではどうにもならない

六月の気管支炎

熱と咳に悩まされたが

眠ることはできたから

我慢の範囲です

いつか嗅覚が戻る日を楽しみに

ミュージアムパーク

お菓子のとらやについて調べながら

四年前の春に載せた 旧岸信介邸のことを思い出していた

ここは現在御殿場市の所有で、管理者はとらや

敷地内にウッディなとらやカフェがある

これこそが福岡のお屋敷の手本にしたい形だった


調べていたのはメニューだったけれど

別の発見があった

御殿場旧岸邸の現在の名前は

正確には御殿場東山ミュージアムパークというのだそうだ

まったくイメージがあわない

どうしてこんなことになったかというと

もともとの構想が、とらやのほかに

風間完挿絵美術館と堀口大学文学館も作ることになっていたのだ

いまのところまだできていないけれど

どうして役所は、というか浅はかなアイデアでは

すぐにそうして何でもかんでもごちゃごちゃと詰め込むのか

そして名前がミュージアムパークだなんて ああ

そういえば軽井沢でも深沢紅子の記念館に行こうとしたら

なんやかんやある複合公園のところに入場料払って入った

福岡のお屋敷も

迎賓館で、文化交流施設で、外人向け体験会場で、…

田舎の村おこしほどおまつりさわぎをやりたがる

薬には亢進方向で治すものと鎮静方向で治すものがあるが

人が場所に求めるものの鎮静方向があってもいいはず

わからん奴らだ

その後のシリヌグイ

四月に一輪花をつけただけのママコノシリヌグイ

やっとあちこちに花が開き始めた

蔓を長く伸ばしているが元をたぐれば一本の茎と根

名前はすごくても花は可憐で

一輪挿しに飾りたいとも思うのだが

やっと開いた花には実を結んでもらいたいので我慢

放っといたら神楽坂中にシリヌグイが蔓延するかもしれない

まわりの迷惑も考えずに

親バカがわがままな子供を放任しているようなもの

ええまあ、可愛いもんですからつい

アラブ菓子

みやこの肉球はピンク色で柔らかく

関東の人が食べるすあまのようでした

二つを並べて写真を取ろうと思っていたのに

実行する前にみやこは旅立ってしまいました



文子を拾って大分たってから

どれどれと見ると

右手が黒いのに驚いて


私が何か傷つくようなことをしたのかと思いました

みやこがすあまなら、文子はえーと

あれ、黒くて柔らかいフランス人が食べるアラブ駄菓子

甘草の根の汁で作る甘い風味のゴムみたいな菓子

風味は子供のころ医院から出る飲み薬の

エビ茶色で甘い味のついたのと一緒

今度アラブ菓子みつけたら

文子と並べて写真撮ります

玉露の使いみち

玉露などのいいお茶は

アミノ酸を沢山含んでいるから

出汁のようだと一般受けしないところがある

そのせいか、我が家にまわってくる

私ははそれを惜しげもなく使う

出汁の代わりに

お茶漬けに

京都では御茶漬けは

京番茶だったり ほうじ茶だったりするが

鮭や鯛の茶漬けを出す店では出汁だから

私は漬物と魚に兼用で出汁味茶の玉露


玉露の使いみちはもう一つある

お腹の調子が悪いというトミコさんがくるというので

御湯飲みいっぱいに玉露を入れ、水を注いで待った


到着の頃には濃厚なエキスが抽出され出汁茶が出来上がる

これが細菌性下痢に効くというのは子供時代に教わった

教えてくれたのは週に一回家事手伝いにくるおばさんだった

おばさんはほかにも民間の知恵のようなものを授けてくれた

おばさんは佐賀の田舎の出身で働き者だった

我が家の使っていない畑用の土地に

野菜を作っていいかと尋ねてから畑仕事も始めた

胡瓜茄子トマトオクラ胡麻

それらの出来損ないは全部私のままごと材料だった

おばさんはある時から来なくなった

それまでも時々お腹が痛いといっていたけれど

胃癌で亡くなった

母はいつまでも悔やんでいた

おばさんに頼まれたのに叶えてやれなかったことがあると

おばさんはうちの応接間に並べてあった置時計を一つ欲しいと言った

それは父の教え子たちが卒業するたびに年度を記入して送ってきた時計

「沢山あるのだから一つくらいあげればよかった」

おばさんは字が読めないからどういう時計かは知らなかった

字は知らなくても、おばさんの知恵は今でも生きていますよ

「…するぎっと」というおばさんの佐賀弁が耳に残っている

気管支炎

いえ、文ちゃんがではありません

私がです

気温30度はこんなに暑かったっけ

頭も体も働かないので測ったら

38度

いえ、気温がではなく

私が

数日前から気管支がザワザワしていたが

咳き込むようになった

これは風邪系ではない

老人性誤嚥によるもの

それも食べ物の誤嚥ではなく

つばをのみこむときにちょっと

間違って気管支に入った感じだったと思う

甲状腺の手術を受けた時に医師から注意されてはいたが

これまでは自然に解消されてきた

このごろよく

無断休館をいたし申し訳ありません。

ぎっくり腰になったり、気管支炎になったり

これはもう、年だからとお許しください

気管支炎の写真はないので

文子近影で濁しておきます

梅クラフティ

砂糖漬けにした梅が

いい具合になったので

ちょうど遊びに来たサチコさんに

梅から出たエキスを氷と水で薄めて

飲んでもらいました

エキスってなんか昭和的な言葉に思えます

次の日に遊びに来たトミコさんには

クラフティを作って出しました

本来のクラフティはサクランボで作るものです

それもブラックチェリーで

クラフティとは何かというと

私の中ではこういう分類です

タルトは、

土台となる殻生地を空焼きして

そこにフルーツなどの具を入れ

隙間にカスタードクリームなどの流し生地を詰め

やいたもの。

フランは

それより簡単で

カスタードを作る手間を省いて

粉と卵と生クリームを混ぜた液を流して焼く

つまりキッシュの甘い版

最後にクラフティはもっと簡単で、

土台となる殻生地がなくて

分厚いクレープをオーブンで焼くようなもの

おまけに本当のクラフティは

サクランボの種を抜かずに使うと言いますから

とっても簡単

そのような言い訳をしながら

昔ヨシコさんが作ってくれたことがありました

それで私も種ありの梅クラフティを焼きました

トミコさんは食べてくれたけど

私は食べませんでした

私はプロ以外のひとの手作りが食べられないのに

自分の作ったものはプレゼントしたりします

でも今回

自分の作ったものまで食べる気になれませんでした

なぜかなあ

シロップ漬けになった梅を毎日見ていたら

kusattaじゃがいもに見えてきて

食欲をそがれたのです

それと梅の酸っぱいにおいがまた

食欲から遠ざけました

あのう

どなたか梅ジュースと梅クラフティ

試食に来てくださいませんか

ピークは過ぎて

一週間前は白い花に覆われていたクチナシ

梅雨入りの今日は枯花に覆われています


これが実に変わるまでしばし我慢

近づいてみるとやっぱり


毎年のことですから割り箸を取りに家に入ると

戻ってきたらもういない

さっきからスズメがちゅんちゅんやってきていたから

連れ去ったのかもしれない

こうやってくちなしを青虫が食べ

青虫を雀が食べ

生態系が成り立っている

ネズミと猫

とうとう真夏日がきた

いいさ、すぐに梅雨がやってくる

一日ぐらい我慢できる

あ、グリちゃんがいない

寝床にも、水飲み場にも、天井にも

ニャーゴと呼んだら意外なとこから返事した


こんな日に日向ぼっこ

わからん趣味

窓辺や縁側に日の当たる時間は

天井に映る水影 昼ネズミが楽しい

足元に大きめの鉢を置いて揺らしてみた


するとすぐに水飲み猫の文子が来て

アハハ―ン

天井のユラユラ昼ネズミが文ちゃんの影に変わった

ヘレンミレン

「ロングロングバケーション」という

日本の若者ドラマみたいなタイトルの映画を

飯田橋のギンレイホールに見に行きました

筋はどうでもいいのです

主演のヘレンミレンが好きで期待して見に行きました

「黄金のアデーレ」で初めて知り

たまたま見た「アイインザスカイ」にも出てきて

それらが全く違うタイプの役だったので興味が深まり

今回見ましたが、またまた別人のようでした

顔は室井滋に似ていると思ったので

ネットのそっくりさんのページで調べたら

鷲尾真知子に似ているというのがありました

そして鷲尾真知子は室井滋に似ているというのがあったので

ヘレンミレンは室井滋に似ているところがあるといえそうです

女優としての位置は

いぜん書いた韓国のキムヘスク路線ではないかしら

アメリカのメリルストリープは

これよりちょっと二枚目路線だから

日本の高畑淳子的だけど、

ヘレンミレンとキムヘスクはもう少し樹木希林寄り

これから今まで見逃したヘレンミレンの作品を探します